ふるさと納税で地域の魅力を掘り起こす。そこにかける若手社員の想いとは。
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楽しいイベントが目白押しの年末年始。みんなで「ふるさと納税」の返礼品を楽しむにはピッタリの季節ですが、実はJTBでもふるさと納税ポータルサイト「ふるぽ」を運営していることはご存知ですか?長年にわたり、全国の宿泊施設や観光関連事業者の皆様と築いてきた「地域とのつながり」を生かし、最近ではふるさと納税を通じた「地域の魅力をプロデュース」することにも取り組んでいるんです。
ふるさと納税には多様な返礼品がありますが、それがどのようにして開発されているのか。「ひとつの返礼品」としてサイトに掲載されるまでには、隠れたさまざまなストーリーがあるようです。今回はJTBふるさと開発事業部に所属し、自治体や出品事業者と向き合いながら日々奮闘している若手社員2人に、この仕事の魅力や思い出に残るエピソードを語り合ってもらいました。
ふるさと開発事業部 東海エリア営業担当 三宅 泰人
入社8年目。入社後、滋賀支店で旅行業務に従事。2019年から現部署へ所属。
ふるさと開発事業部 九州エリア営業担当 八幡木 里菜
入社3年目。2020年に入社してから今日まで現職。
寄付者の目線に立った提案を
三宅:八幡木さんは、入社後すぐに今の部署へ配属されたんでしたね。ようやく3年目ですけど、担当する自治体や事業者の皆様との仕事のなかで何か成果や手応えを得たことってありますか?
八幡木:そうですね。入社2年目の2021年からある自治体を担当していて、初年度から受注数を大きく伸ばすことができたのは自信になりました。担当になってすぐ疑問に思ったのが「この地域は魚が有名なのに、どうして魚の返礼品が少ないのか」ということでした。そこで、県庁の方とともに返礼品を出品されている事業者(漁業組合)を訪れ、あらたな返礼品について提案したんです。
単に品数を増やすのではなく、他のECサイトで売れている商品を例に、お買い得感のある「訳あり品」や、利便性が高い「小分け品」、購入しやすい「ぴったり1万円品」など、お客様目線を意識した企画をご提案。打ち合わせを重ね、実現にこぎつけることができました。すると2020年は年に数件だった注文が、2022年には数百件にまで増え、とても喜んでいただけたんです。数が増えていくにつれ、漁業組合さんの方からもどんどんご相談をいただくようになり、手ごたえというのもおこがましいんですけど・・・嬉しかったですね。
三宅:2年目でそれはすごい!自分自身がお客様の目線に立つことって大事ですよね。もちろん担当者なのでプロであるべきですが、一般的なお客様の感覚が求められているところもありますよね。
地域活性化は、地元のよさに目を向けることから
八幡木:三宅さんは何か思い出に残っている返礼品などはありますか。
三宅:僕はいま東海エリアを担当させてもらっているのですが、都市部になると工業で有名な地域も多いんですね。ふるさと納税っていうと、なんとなくお肉や魚介類、農作物みたいな特産品が注目されがちなのですが、僕はその土地の気候風土だけじゃなくて、地域で育まれた技術やテクノロジーもその土地の持つ魅力だと思っているんです。実際にそこには、メーカーさんの想いが詰まった素晴らしい製品がたくさんあって、交渉や提案を重ね、それらの返礼品化につなげることができたときは嬉しかったですね。今では多くの寄付者の方にも選んでいただけていますし、地域活性化や地域の方の喜びにつながっている実感もあります。ありがたいことだなと日々感じます。
八幡木:そうですよね。返礼品にかける「想い」は、日々、事業者の皆様とかかわるなかで、私もひしひしと感じます。地域活性化という視点で、ほかに何か自治体と一緒にされていることがあれば、参考にしたいので教えてください!
三宅:三重県伊賀市と、返礼品を地元高校生に考えてもらうプロジェクトを進めています。「関係人口」という言葉がありますが、これは移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域内にルーツがあったり、過去に住居や勤務したことがあったり地域と多様に関わる人々を指します。観光として来ていただく方はもちろんですが、その地域との絆づくりや地域発展のためには、この「関係人口」を増やすことも重要です。進学や就職で伊賀市を離れるかもしれない今の高校生の皆さんに、返礼品をきっかけに地元に目を向けてもらうことで、あらためて地元を好きになってもらったり、地場産業に関心を持ってもらえればと思っています。
誰よりも事業者の皆様に寄り添うために
八幡木:そういえば、三宅さんご自身も、ふるさと納税の返礼品提供事業者だと聞きました。最初にそのお話を聞いたときはとてもびっくりしたのですが、そもそもきっかけは何だったんですか。
三宅:多くの事業者や生産者の皆様と接していて感じたのが、当たり前なんですけど、いわゆる「モノづくりのプロ」なんですよね。そういった方々のモノづくりに対する「想い」に触れるたびに、自身も何かしたい、作ってみたい、と思っていました。実際に動き出すきっかけになったのは、8年前に他界した祖父の畑です。
いま、農村には耕作放棄地の問題がありますが、祖父の畑も例外ではなく、亡くなってからはどんどん荒れてしまったんです。
それが悲しくて。それで、ふるさと納税の目的である「地域活性化」にもつながるし、自分で耕作を始めてみたんです。賀茂なすや万願寺唐辛子などのブランド京野菜を栽培しているのですが、どうすれば魅力が伝わるだろうと試行錯誤の毎日です。でも自身が事業者として活動することで、より一層、担当する事業者の皆様の気持ちや悩みはわかるようになったと思いますね。
「つながり」から生まれる期待に応えるために
三宅:八幡木さんも今の仕事につながっている経験や想いがあると聞きました。
八幡木:そうですね、振り返ってみると、大学時代の経験が生きていると思います。香川県の瀬戸内海の島で地域の方々のご協力を得ながら学生たちでカフェを運営した経験があるんです。そのときに、何かあれば、知り合いを辿って誰かを紹介してもらうなど、「横のつながり」に助けられた記憶がすごくあって。
今、いくつかの離島も担当させてもらっているのですが、そのような小さな地域はやっぱり横のつながりが強く、ご近所が皆さん顔見知りといった感じなんです。そのような場所では、知り合いの事業者からご紹介いただく形で新規開拓し、協力者の輪を広げられています。おかげさまで、ふるさと納税に興味を示されてなかった事業者の皆様にも協力いただけるようになりました。この輪が少しずつ広がるたびに、改めて「絶対にこの地域に貢献したい」と、背筋が伸びますね。
三宅:確かに、「つながり」って大事ですよね。それぞれの地域に溶け込み、地域の方々と同じくらいもしくはそれ以上にその地域を深く知ることが、良い提案にも繋がると日々実感します。JTBは以前からさまざまな自治体とお付き合いさせてもらっているので、地域の皆様も僕たちに期待してくださっているし、僕としてもその期待に応えたいと強く感じます。
こだわりある事業者の思いや、地域の魅力を発信したい
三宅:八幡木さんが携わった、魅力的な返礼品はありますか?
八幡木:たくさんあるのですが(笑)、大分県の湯布院の山間部に、ご夫婦でひっそりと営まれている「choco×choco」というチョコレート専門店があるんです。緑あふれる中に、突然おしゃれなショップがあって、こんな森の中に・・・!と最初は驚きました。商品もとっても魅力的で。お話を聞いてみると、もともと老舗旅館でショコラティエをされていた方で、一つずつ大切に手作りされているとのこと。
ただ、子育てもしながらなので大変お忙しく、受注を増やしたいもののECサイトからの販売は発送業務などが大きな負担になっていたそうです。
ふるさと納税なら発送や出品に関する業務をJTBが代行できるので、ご提案をさせていただいたところ、ありがたいことに返礼品として出品いただけることになりました。今ではもう、通販を希望するお客様からのお問い合わせにまで、「ふるさと納税から注文してください」と言っていただいているそうで。それを聞いたときには、この返礼品そのものの魅力を全国に紹介できることはもちろん、お二人の役にも立っているのだと実感してとてもうれしかったです。
三宅:おぉ!それはうれしいですね!いま八幡木さんの話を聞きながらサイトを見ているんですが、写真からもおいしそうなのが伝わってきます。
そうそう、「ふるぽ」のサイトでは、事業者の皆様の思いやこだわり、商品が生み出される背景などを掘り起こして伝えている返礼品が結構あって、僕も参考にするつもりがついつい読み込んでしまうんだけど(笑)。寄付者の方に "共感いただける情報"というものを、僕ら発信側はさらに意識していくべきだと思っています。 "共感いただける情報"はきっと、地域への興味にも広がっていくと思うので。
その返礼品自体の魅力はもちろんですが、返礼品に込めた想いまで寄付者の方に伝えていく。そのためにも、僕らはこれからも事業者の皆様に寄り添って、想いを汲み取っていく必要がありますよね。
よそ者ではなく、地域の近くで、地域を一緒に盛り上げていく一員に
八幡木:今回の三宅さんとのお話を機に、改めてこれまでのことを振り返ってみたのですが、この仕事に就いた当初は知識が乏しく、自治体や事業者の皆様からの要望に応えられず反省する毎日でした。でも私たちは、ふるさと納税やEC販売のプロとして見られているんですよね。地域や返礼品をPRするための技術はますます専門的になっていますし、私たちは積極的に学び、知識を吸収していなかければならないと感じます。そしてこれからも担当地域の皆様に、よそ者ではなく地域を一緒に盛り上げていく一員と思っていただけるよう、日々の仕事に丁寧に取り組んでいきたいです。三宅さんはいかがですか。
三宅:僕は、これからも3つのことを大事にしたいと思っています。まず、自治体や事業者の皆様はもちろん地域関係者の皆様とも「近い距離で仕事をする」ということです。もうかなりオンラインでコミュニケーションが取れるようにはなってきましたが、できるだけ訪問して直接対話しようと思っています。また、2つめは「変化を楽しむ」こと。さっき八幡木さんも言っていたけど、専門的な知識が必要なのはもちろん、売れ筋商品が日々変わるなど、昨日の正解が今日はもう正解ではなくなる世界なので、柔軟に対応していくことが必要だなと。そして、「外から」と「内から」の目を大事にしたいと考えています。地元の方だと当たり前で気づきにくいことと、逆に地元の方しか知らないことがあります。その両方をうまく掛け合わせて独自の返礼品をカタチにし、地方を元気にしていきたいです!
JTBのふるさと納税サイト「ふるぽ」は
以下よりご覧いただけます。
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