一生の思い出になる、人生にかかわることもある。
学生だからこそできる海外旅行を「ガクタビ」で。
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「もし学生時代に戻れるなら、あれもしたい、これもしたい…」ついそんなことを想像してしまう大人は多いのではないでしょうか。そのなかでもやりたいこととしてよく耳にするのが「海外旅行」。学生のみなさん、時間があり体力も充実しているいまこそ、トライしておくべきかもしれませんよ!
今回は、海外旅行をもっと身近なものにし、そして一生の思い出になるようにという想いで企画されている学生向け旅行商品「ガクタビ」と、それにかかわる若手社員にインタビューしてみました。
海外企画部 酒井 悠里
2015年にJTBワールドバケーションズ(現JTB)入社。旅行販売店からの発注や問い合わせに対応する地上手配業務を3年ほど経験し、現在の部署へ。海外旅行商品の企画・造成に携わり、オーストラリアやニュージーランドを中心としたオセアニア地域を担当しながら「ガクタビ」の商品も企画している。友人と楽器を演奏するほど音楽好き。海外では夕べのコンサートなどに出かけることも多く、大好きなハンガリーでもクラシックや民族音楽を楽しんだ経験をもつ。
商品戦略部 平井 愛梨
2017年にJTB国内旅行企画(現JTB)へ入社。国内旅行におけるマーケット分析や商品販促を担当し、現在の部署へ。海外旅行のBtoC向けの販促担当として、店頭に並ぶカタログ類や店舗掲出用の販促POPなどの企画制作のほか、メルマガやSNSでの情報発信を担う。国内外を問わずビーチリゾートへ行くのが好きで、学生時代にはセブ島でのアイランドホッピングや、ジンベイザメとのシュノーケリング、パラオのミルキーウェイで天然泥パックなどを体験。
日本人の、海外旅行の回復はもう少し。でも若者に明るい兆しが。
―― 海外における「海外旅行」の動きというのはどのような感じなのでしょう。
平井:新型コロナが落ち着いたあと、国境をまたいだ旅行は、海外の方が先に回復しています。日本人の感覚以上に旅行者の動きが活発なので、海外のホテルや観光地では、旅行者の数がキャパオーバーとなっているところもありますね。
酒井:ウクライナ情勢に関連した制約や、中東情勢に対する心理的なハードル、そして燃料費の高騰で航空運賃が高くなっていることの影響は少なからず感じられますが、それでも世界的にみて海外旅行は活況だといえます。
平井:一方、日本人の海外への旅行は夏休み期間や年末年始などを中心に回復傾向が見られ、2023年累計で960万人を超えました。しかし2019年度までの状況には、ほど遠い状況です。海外旅行よりも、まだまだ国内旅行の割合が高いんですね。
酒井:とはいえ、2023年のJTB総研による意識調査では「積極的に海外へ行きたい」という方たちが30%弱いて、その中心は20代の女性なんです。また、年末より前の推定値にはなりますが、「年末年始に海外旅行をするつもり」と回答された方たちが、およそ58万人いるというデータがありました。これは2019年と比べても7割にまで達し、本格的な復活を予感させます。
―― 学生には、どのような傾向が見られますか。
酒井:日本人のパスポート取得率は、実は新型コロナ前から20%台と低く、コロナ禍を経ていまは20%を切ってしまっているんです。しかしコロナが落ち着いたいま、10~20代のパスポート取得率が、他の年代に比べて伸びてきたそうです。もちろん留学や研修という方も多いとは思いますが、旅行で海外に目を向けている方たちが増えていたら嬉しいですね。
平井:少し増えてきたとはいえ、私はパスポートの取得率が低い理由のひとつに、インターネットの影響があるのではと考えています。日本にいながら世界各地の観光地を動画や画像で見ることができ「行った気になれる」ことが少なからず影響しているのではないかと。
酒井:たしかに、SNSなどにいろんな場所の写真などがアップされ、どこもかしこも見ることができてしまう状況は、旅行への意欲を低下させている要因のひとつかもしれません。特に動画配信サービスでは、旅行者がライブ配信するようなものも多いので、それを見て「行きたい」となればよいのですが、動画を見るだけで満足される方も多そうです。
ドキドキワクワクの、そして学生ならではの体験をした海外旅行。
―― 現地へ行かないことを、どう思われますか。
平井:インターネットやSNSの画像などを見て満足してしまうのは、本当にもったいない。実際に現地へ行くことで、非日常の世界に飛び込み、日本では味わうことができない新鮮な体験ができるのが海外旅行の醍醐味です。ドキドキやワクワクにあふれた日々を、みなさんにたくさん味わってもらいたいです。
酒井:私もドキドキできることが、海外旅行のいちばんの魅力だと思っています。まったく知らない言葉が使われていて常識も異なる「わからない世界」に放り出される。そんな状況に身を置く経験は、日本にいてはなかなか得られません。だから、ぜひ若いうちに海外を旅行してみてほしいと思っています。
平井:旅行雑誌やSNSなどで見る景色が、実際にはどのようなものなのか。そんな気持ちが、私の海外旅行へのモチベーションになっていました。長期休暇や年末年始などを外した、旅行代金がピーク期に比べお手頃となっている2月・9月が狙いめです。学生時代は、バイトをして資金をため、友だちと予定を合わせ、毎年海外へ行っていました。初めての海外は10歳くらいに家族で行ったハワイでしたが、ビーチリゾートの旅が好きなのは、そのときの素敵な思い出が原点にあるからだと思います。
―― お二人は学生時代に、どのような海外旅行をされましたか。
酒井:いま思えば、学生時代に女の子どうしでビーチなどへ行くのもいいなぁと思いますね。私は、時間があれば大好きなハンガリーへ行って、街歩きやヨーロッパ伝統の食事などを楽しんでいました。首都ブダペストの真ん中を流れるドナウ川沿いを、現地の人たちに混じって散歩すると、本当に癒されるんです。特に山々に日が沈んでいく夕方の風景がとても美しくて、心に残っていますね。留学や休学などの機会を活用しながら、1年ほどかけてヨーロッパを巡ったのですが、今となってはいい思い出です。
平井:1年も!!そんなに長いと食事に苦労されませんでしたか?
酒井:どうだろう、西側のスペインやイタリアの料理は日本人にもなじみがあると思いますが、確かにハンガリー料理というと日本ではあまり聞かないですよね。ロシアに近い東ヨーロッパの地域は煮込み料理が多いので、それは日本人も好きだと思います。
平井:私はヨーロッパ周遊をしたことがなく、未知の地なので憧れます。もう一度学生に戻れるなら、学生ならではの強みである「時間的な余裕」をもっと活かして、私もヨーロッパやアメリカなど、フライト時間が長いところにたくさん行きたいと思いますね。
酒井:そうですよね。こういった旅は、コスト重視・体力勝負といったところがあるので、学生だからこそできたことかもしれません。すごく狭いところでも寝られたり、長時間のフライトにも耐えられたり、いま考えると少々しんどいかなという計画も実現できました(笑)
平井:私が学生だからこそできたと思うのは、ニューヨークの年越しカウントダウンイベントに参加したことです。真冬の屋外でマイナス十数度のなか、朝からタイムズスクエアに行き、十時間以上日付が変わる瞬間を待ちました。世界中の人々がこのイベントに参加するためにニューヨークを訪れるため、タイムズスクエアはものすごい数の群衆で、一度なかに入ったら出てこられない、トイレにも行けません。でも、まわりの人たちと交流が生まれ、協力しあいながらだったので頑張れたんです。食べ物やカイロを交換したり、励ましあったり。言語が通じなくてもコミュニケーションをとり、SNSで友人になったりもしました。体力的にも本当に大変でしたが、人生最高の60秒カウントダウンを経験できてよかったと思っています。
貴重な交流の機会を大切に。人生にかかわる出来事もある。
―― いまの学生には、どう旅をしてもらいたいですか。
平井:私はまだ子どもが小さいので、今は子どもが楽しめる内容の旅行が中心です。学生時代と比べるとどうしても自分の自由な時間は限られてしまうので、旅行の機会や頻度も減ってしまいました。みなさんには自分の自由な時間があるうちに、ぜひたくさん旅行に行ってもらいたい。そして現地では、自分の目で見て、食べて、人と触れあって、いろいろな経験をしてほしいと思います。
酒井:いま学生に人気なのは、台湾や韓国といった近いエリアへの旅行です。その理由は「おサイフにやさしい」ことで、やはり大きな費用はかけにくいのでしょう。とはいえ、せっかく行くのですから「近場でカンタンに」といったスタンスではなく、欲張りにたのしんでほしい。そこでオススメしたいのは、時間をかけて下調べをし、しっかりと計画や準備をしてから行くことです。食事をするにしても、行き当たりばったりでお店を決める良さもありますが、他の旅行者がSNSに上げた情報なども見ながらなにか独自の魅力をもったお店を訪ねる方が、きっと記憶に残ることも多く、充実した旅を存分に楽しめると思うんです。
―― 旅のなか、交流や出会いも多くありそうですね。
酒井:海外の学校が長期休みの時期などは、現地の学生旅行者も多いので、学生どうしが知り合って交流する機会は生まれやすいですね。個人的には、スロベニアで私の人生を左右する出会いがあったことを、感慨深く思い出します。まったく面識のない者どうしが8人部屋に宿泊するスタイルの低価格ホテルがあり、そこに日本人の旅行会社の社員さんが泊まっていました。正確には退職して旅行されていたようですが、その前まで旅行商品の企画や手配をされていたそうです。当時、日本へ戻って就職活動をどうしようかと悩んでいた私は、滞在中に仕事の話を聞かせていただき、それがきっかけで旅行に携わる仕事に就いてみたいと思ったことでいまに至っています。
平井:私も、父に短期海外留学へ連れていってもらったときに交流した添乗員さんの影響で、いまの仕事へと結びついています。
若手の感性で、若者のための旅行を創っている。
―― そんな、学生の旅行を応援しているのが「ガクタビ」ですね。
酒井:ガクタビは2004年にスタートして以降、毎年新しい商品を発表してきました。文字通り「学」生の「旅」行、特に卒業旅行でのご利用を中心とした商品を企画しています。学生でも手が届きやすいよう価格を抑えながら、4名などのグループでも利用しやすい商品をご用意するなど、学生ならではのニーズに寄り添う企画を心がけています。そして、時間の融通がききやすい学生だからこそできる、長期旅行も積極的にオススメしています。このためヨーロッパ周遊など、1回の旅行に盛りだくさんの内容が入っている点も魅力です。
平井:今年度は、10代・20代の海外旅行を応援する「知ってる?JTB」キャンペーンを実施しています。旅行代金やパスポート取得費用をサポートしたり、Wi-Fiルーターを無料貸し出したりすることで、学生の海外旅行を後押ししているんです。これによってJTBのこともより知っていただき、旅行を身近なものに感じてもらえればうれしいです。
―― ガクタビに携わるなかで、どのようなところでやりがいを感じますか。
酒井:出張やSNSを通した情報収集をもとに、あまり日本では紹介されていない観光地やアトラクションを見つけて商品化できたときは、この仕事に就いた喜びを感じますね。インドネシア・バリ島での「プールに入ってブランチを楽しむ」というプランは、SNSでも人気があり、ガクタビでいち早く商品化しました。結構大変な仕事でしたが、頑張って商品化したことで、継続的にお客様に楽しんでいただけています。
平井:私は、販売促進を担当していますが、ガクタビのプロモーションでは、学生にどう働きかけるのが効果的かといったことをいつも考えています。たとえば、一般向けの旅行カタログでは商品のタイトルに旅行の方面や日数を書くことが多いのですが、過去にはガクタビのカタログでは学生の気を引くようキャッチーなタイトルにしてみるなどの工夫もしていました。現在発売中のガクタビ商品は、これまでとはテイストが違うイラストを用いたデザインにしたので、他社とは差別化されたオリジナルな表紙で、「コレなんだろう?」と学生の皆さんに興味関心を持ってもらいたいという思いを込めて制作しました。
そして難しいのは、お客様に自分の言葉で直接伝えられないことです。カタログなどに自分の思いをどう落とし込むかを学ぼうと、日々インターネットで情報を探し、いろいろな表現に触れるようにしています。それだけに、いい言葉で納得できる表現ができたと思えたときは、充実感のようなものがあります。他部署との連携も多く、情報を正しくまとめていく作業は大変ですが、自分の努力や工夫がカタログで表現され、お客様の手に届いた時にやりがいを感じています。
旅で、カタログで、人と人の関係を深めるガクタビに。
―― 今後に向けた意気込みを教えてください。
平井:JTBの旅行カタログを手にとって見てくださるお客様に、なによりまず「旅行って楽しいな」と思ってもらえるものを、今後もつくっていきたいです。そのためには、JTBとしてどのようなプランがあって何をオススメできるのか、わかりやすいカタログである必要があるでしょう。学生の皆さんにはカタログがコミュニケーションのきっかけとなり、会話がもっと生まれたり、人と人の関係が深まったりしてくれたらうれしいです。
酒井:ガクタビは、初めて海外へ行く学生を、たしかにサポートできる商品だと自負しています。今後も学生が積極的に海外旅行をしていただけるよう、魅力ある商品をつくっていきたい。いま、世の中には情報やモノがあふれていますが、学生にも自分にとっていいものを選ぶ力が、すごくあると思うんです。それが何なのかは人それぞれだとは思いますので、まずはいろいろな嗜好に応えられる商品展開が必要だと思います。広く社会や学生のニーズに応えられるよう、多様な商品造成で選択肢を増やしていければと思います。
旅行というのは、いろいろなものを見たり食べたりすることも大切ですが、一緒に行く人と仲良くなったり関係を深められる貴重な機会だとも思うんです。特に海外では、まわりの言葉もわからないなか、2人で行けばずっと2人きり。だから、一緒の空間・時間・体験がハッピーになるような商品を、世に送り出していきたいと思います。
※ 「ガクタビ」はJTBの登録商標です。
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