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交流をつくる「人」を輝かせるために

人財開発

JTBグループ中期DEIB戦略・人財戦略において、持続的な価値創出の源泉は「人財」であり、社員の成長・活力が企業グループおよび各事業の成長・飛躍・変革を支えることを基本的な理念としています。当社グループは社員の個性や多様性を尊重し、成長・挑戦の機会を提供することにより、エンゲージメントの高い、イノベーティブな組織風土の構築に努めます。またグループ社員は、「ONE JTB Values」に心から共感し、グループ経営方針を体現できる「自律創造型人財」を目指すこととしています。

目指すべき人財像

グループ経営方針を体現できる人財として、「自律創造型人財」とは以下のとおりとしています。

  • マーケットや外部環境の変化をチャンスと捉え、自ら課題をたて、迅速に行動し、挑戦し続ける人
  • 自らの意志と努力で専門性を磨き、夢と好奇心で未来を描き、自己成長し続ける人
  • 国際的な視野をもち、多様性を持つ社内外のメンバーと協働し、新たな価値を創造し続ける人
JTBグループ 中期DEIB戦略・人財戦略

基本的な考え方(全体俯瞰図)

全体俯瞰図
人財マネジメントサイクルの各施策

1. 人財獲得・発掘
適正な要員数・要員構成を維持するため、多様な手法で、多様な人財を獲得・発掘。

2. 人財登用・配置
事業戦略と連携した要員配置や人的資本の可視化による適正な人財配置、多様なキャリア形成に資する人事運用や外部出向など、成長シナリオに沿った人財配置および要員コントロールを実施。

3. 人財開発・育成
自ら考え、努力し、成長し続けることで、組織の能力を最大化する自律創造型人財の育成を行い、社員一人ひとりが自律的にスキル・知識を高め続け、仕事を通じた自己実現とキャリア開発をするための支援機能を強化。 また、エンゲージメントが高く、イノベーティブな組織風土づくりの支援強化を実施。

4. 人財制度・処遇
ウェルビーイングにつながる健康経営の推進、生産性向上へとつながる人事賃金制度(社員制度、臨時手当制度、評価制度等)の構築、多様な価値観を尊重し、キャリアマーケットプレイス型異動の拡充を可能とする社員体制や人事関連制度を整備。

教育プラットフォーム「JTBユニバーシティ」の提供

JTBグループでは社員育成プラットフォームとして「JTBユニバーシティ」を運営しています。キャッチフレーズは「あなたの学びの応援団」で、企画・運営・講師が一体となって抜群のチームワークを発揮し、年間500本以上の研修とeラーニングの実施、キャリア開発支援などを行っています。「必要なときに、必要な学びの提供」を掲げてLMS※を導入し、各種参加形態にてJTB グループ社員の自律的な学びを支援。個人の成長と、学び合い、学び続ける組織づくりを推進しています。

※LMS:Learning Management Systemの略。eラーニングを含むJTBグループにおけるあらゆる「学習」を管理するためのシステム

人財開発基本方針(JTBユニバーシティ基本方針)
自ら考え、努力し、成長し続けることで、組織の能力を最大化する自律創造型人財の育成

1. 社員の能力を高め、専門性を磨く「学びのコンテンツ」の提供
2. 社員一人ひとりに「必要な時に、必要な学び」の機会の整備
3.「 学び合い、学び続ける組織」の風土醸成による「行動変容」の促進

取り組み事例1:能力開発支援
JTBグループ社員に対し、年間を通じてさまざまな形態で研修を提供しています。
主要プログラム:①階層別マネジメント研修、②事業推進系、③ビジネススキル系、④キャリア開発系、⑤推奨資格・通信教育、⑥サステナビリティ研修、デスティネーション研修などを用意しています。

JTBユニバーシティ主催研修の受講状況

指標 2023年度のべ受講人数 2023年度のべ受講時間
JTBユニバーシティ主催研修 10,006人 145,775時間

取り組み事例2:キャリア開発支援
JTBグループでは、仕事を通じた自己実現とキャリア開発を行うために下記の取り組みを行っています。

〈 セルフ・キャリアドック 〉
国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ社員によるキャリアデザイン面談、年代別のキャリアデザイン研修、部下のキャリア自律を支援するマネジメント向け研修、両立支援を行うフォーラム、セミナー等の実施を通じて、社員一人ひとりの自律的なキャリア形成に向けた体系的・継続的な支援をしています。

〈 JTBグループ人財交流共通制度 〉
成長意欲の高い社員に対し、より広い自己実現と成長の場を提供するため、JTBグループ各社やグループを超えた人財交流の機会を公募制によって提供し、社員の主体的なキャリア形成や自己成長をバックアップしています。

指標 2023年度目標 2023年度実績
グループ人材交流共通制度
応募者数
250名 308名

〈 再雇用支援制度 〉
出産、育児、介護等の会社が指定する事由で退職し、定められた期間内に一定の条件を満たす退職者が再雇用を希望した場合は、復職を支援します。

取り組み事例3:「学び」を基軸とした組織風土改革への取り組み

〈 学びのサマーフェスティバル 〉
「学び」を基軸として社員一人ひとりの自己成長を促す組織風土醸成を目的に、JTBグループ社員参加型のイベント「JTBユニバーシティ 学びのSummer Festival 」を2021 年より開催しています。4 年目となった2024 年度は「一人ひとりが主人公~つなぐ、つなげる、未来への飛躍~ 」をコンセプトに、社員から役員まで自ら講師となって情報発信するプログラムを中心に72プログラムで構成されています。2024年度はリアルタイムで延べ10,000 人以上が視聴するイベントへと拡大しています。

サステナビリティに関する研修・多言語対応

JTBグループでは、人財開発プログラムにサステナビリティの視点を取り入れ、多言語で展開しています。

各取り組みの目標と実績

指標 2023年度実績 2024年度目標 2028年度目標
サステナビリティに関する基礎研修の受講率 31% 65% 100%
階層別研修・新任役員向け研修カバー率 70% 100% 100%
サステナビリティ研修における受講者の肯定的回答 70% 80%

取り組み事例1: サステナビリティ研修(事業編)
サステナビリティの理解浸透を深め、事業の持続可能性と成長戦略の確度を高めるためのアクションを明確にすることを目的に、サステナビリティ研修をサステナビリティ推進の牽引役となる社員を対象に全国( 仙台・東京・大阪・福岡)で実施しています。

2024 年度サステナビリティ研修( 事業編)設定人数

コンテンツ名 設定人数
サステナビリティ研修 集合研修 200人
サステナビリティ研修 ウェビナー研修 50人

事例取り組み2:〈 プラットフォームを活用したサステナビリティ教育 〉JTBユニバーシティ
前述のJTBユニバーシティでは、主催するすべての研修の冒頭にサステナビリティに関するJTBグループの指針を伝え、すべての社員が自分事として捉え行動に移すきっかけを提供しています。

デスティネーション研修・資格・通信教育

JTBグループでは、社員が訪問地域の自然および文化遺産について理解するために、デスティネーション関連の資格取得を奨励するほか、教育プログラムも設けています。

取り組み事例1:資格取得

コンテンツ 取得実績
エリアスペシャリスト 3,583件
世界遺産検定 1,428件

取り組み事例2:通信教育

プログラム名
国内旅行地理ベーシック300+α 新・イベント業務基礎知識
海外旅行地理ベーシック400 "これから始める"ユニバーサル・イベント
国内観光地理 日本旅館のおもてなし実践講座
海外観光地理 日本の歴史がわかる伝統文化
世界遺産検定2級対応講座 交流創造事業を担う人材必須の基礎知識をマスター!観光学基礎

ワークスタイル

JTBグループの「サステナビリティ方針(6)安心して働けるサステナブルな職場環境の醸成」に基づき、「JTB Group WORK Style」として「いつでも・どこでも働ける、柔軟で自律的な働き方の実現」を目指し、4つのテーマを設けて複数のワークスタイルを社員に提案しています。働きがい、働きやすさの追求による社員のエンゲージメント向上、新たなイノベーション創出と生産性向上、労務に対する適正な待遇改善による人財確保などが目的となっています。

各取り組みの目標と実績

指標 2023年度実績 2024年度目標 2028年度目標
一人あたりの年間総実労働時間 1,899時間 1,800時間 1,700時間
テレワーク勤務率(月1回以上在宅勤務をしている人の割合) 20.10% 22% 26%
社員意識調査(働きがい指標) 76% 85% 90%

取り組み事例1:ふるさとワーク
転居転勤を要する事業所への異動発令時であっても、自身の生活の拠点として会社に登録している「居住登録地」からテレワークをベースに業務に従事する働き方です。

取り組み事例2:勤務日数短縮制度
週5日勤務という一律的な働き方だけでなく、「週休3日制」等の多様な働き方の実現を目的として、希望する社員の年間の勤務日数を短縮する制度です。

取り組み事例3:副業ガイドライン
価値観の多様化や環境変化を踏まえ、副業実施時の基本的なルールや留意点の周知を目的に、ガイドラインを制定しました。

取り組み事例4:テレワーク制度
ICT(情報通信技術)を利用して、勤務する場所や時間の柔軟性を高めた働き方を行うことにより、移動時間の削減や空き時間を有効活用し、業務効率化や生産性向上ならびにワークライフバランス向上を実現します。

取り組み事例5:ライフイベントを支える制度
育児介護による短時間勤務制度、配偶者の転居転勤による異動制度、復職制度などが挙げられます。

取り組み事例6:自己成長支援休職制度
スキルアップのために3か月以上1か月単位で最大で2年間休職することができる制度です。社員が自らの成長に向け、主体的に社外で経験を積むことを支援し、自律創造型社員としての成長を加速させることを目的としています。

取り組み事例7:フレックスタイム制度
コアタイムを設けずに、5~22時の間で自由に一日の就業時間を設定することが可能です。年間での所定労働時間は変わりませんが、業務の繁閑に合わせて柔軟な働き方を行うことにより、生産性向上を目指します。

取り組み事例8:添乗日における実労働時間管理(事業場外みなし労働時間制の廃止)
添乗日の事業場外みなし労働時間制を廃止し、通常勤務日と同様に実労働時間で管理することとしました。労働時間の適正な把握により、社員の安全衛生管理を強化すること、総労働時間を意識して生産性を向上すること、労務に対する適正な待遇改善により人財確保を図ることを目的としています。同じく事業場外みなし労働時間制を適用していた出張日も当該制度を廃止し、すべての労働日において実労働時間管理へ移行しました。

健康経営

JTBグループの「サステナビリティ方針(6)安心して働けるサステナブルな職場環境の醸成」にもとづき、社員の幸せで心豊かな生活の実現を支え、ひいては会社の持続的な成長を追求しています。
JTBグループの健康経営について ~社員が健康で働き続けるために~

健康経営宣言

JTBグループが次の100年に向けた更なる進化を実現するためには、交流創造事業をドメインとした新たな価値創造に向けて、様々な人財が集い、交流し、最大限にパフォーマンスを発揮できる体制を整えることが不可欠です。そのためには、働き方の質的向上を図り、社員一人ひとりが仕事の生産性を高めるとともに、時間と心の余裕という資源を生み、新たなビジネスへとつなげていく必要があります。
その働き方改革を進めるにあたって、基盤となるのが社員の健康です。皆さんが健康であることが、あらゆる社グループの政策を推し進めるにあたって必要不可欠な原動力となります。
会社を永続的に成長させるために、現状の社員の健康に関する様々な課題に対し、経営戦略として改善策を強力に推し進めること、すなわち「健康経営の推進」をここに宣言します。
社員が健康でイキイキと仕事をしている企業は、社員自身はもとよりお客様や社会から愛される、信頼される企業に他なりません。社員一人ひとりが健康でイキイキと働けるグループを一丸となって目指していきましょう。

健康経営の実践を通じた経営課題の解決

人財の高齢化・健康経営の実践を通じた多様化が加速する将来を見据え、社員の健康状況と仕事や生活に対する満足度を維持改善することによって、組織の生産性・創造性を向上を目指しています。

健康経営ビジョン
  • ・社員は家族や仲間と共に健康習慣に励み、心身ともに良好な状態にある。
  • ・公私において自己の目標を実現するなど、幸せで心豊かな生活をおくっている。
  • ・社員の笑顔や活力に満ちた職場から生み出される生産性が高く創造的なサービスによって、会社は顧客満足と社会評価を得ている。
基本方針

将来にわたる社員の高齢化や多様化に起因する健康リスクの増大を見据え、これまでの法定対応が中心の健康管理に留まらず、社員の主体性を原動力とした持続的かつ組織の活力を生み出す健康保持・増進のあり方へシフトします。
そのためには、個所や個人が健康保持・増進に取り組む目的や意義を十分に理解したうえで、健康増進に向けた職場のコミュニケーションを活性化することができるように、情報や仕組みを整備する必要があります。
こうした組織風土を形成しながら、当社グループの健康課題への取り組みや働き方の質的向上を両軸で推進することで、組織の生産性や創造性の向上を目指しています。

推進体制

経営トップが健康経営推進最高責任者となり、所管の人事機能をはじめ、グループ内の専任組織である健康増進室や保険事業を担う健康保険組合などが連携し、それぞれの役割から各種施策を実施する体制を構築しています。
グループ各社は、中長期視点での人財力強化を目的に、健康マネジメントの実践や生産性の改善、挑戦・成長意欲の醸成などの定量指標に基づき、経年での取組成果を共有しています。 現場の社員には、各施策に取り組む目的や意義を明文化して伝えることで、社員の主体的な取組み意識を引き出すように努めています。
こうした推進体制のもと、各施策の検証結果を経営会議において定期的に報告しています。

重点取組事項
  • 1.社員が健康づくりに主体的に取り組む風土の醸成

    • ・PHRサービス:Pep Upの活用した健康状態の見える化による社員の健康に対する「自分ごと化」の促進
    • ・健康保持・増進に取り組む目的や意義の周知に向けた健康教育や医療職による指導の実施
  • 2.社員が心の健康状態を維持できる環境の支援

    • ・職場の労働実態の可視化による適正な労務管理の促進
    • ・ストレスチェックの集団分析の活用した高リスクの職場や属性の改善に向けた支援
    • ・若手社員のストレス対処能力と組織運営職・リーダーのラインケアの向上のための研修の実施
  • 3.多様な状態が尊重される環境や制度の充実

健康経営実践に向けた主な取り組み

健康イベントの実施
毎年、社員が健診結果に基づく自身の健康状態に関心を持ち、確かな知識と目標をもって生活習慣の改善に意欲的に取り組むことを目的に、健康アプリPep Upを活用したWalking Rallyや健康クイズを開催しています。期間中の歩数を競うWalking Rallyでは、2,958名の社員が参加し、健康増進と健康アプリPep Upの普及に寄与しています。

メンタルヘルス教育
社員のメンタルヘルスの維持・増進や職場や仕事への適応力を身につけるためのセルフケア研修や新任リーダーや組織運営職向けのラインケア研修を実施しています。

職場環境改善
ストレスチェックの集団分析結果を活用し、各職場での継続的な職場環境改善活動を通じて、いきいきと働き続けられる職場づくりに取り組んでいます。また、リスクの高い職場に対しては、心理カウンセラーによるフォローアップ面談やラインケア研修を実施し、不調者の早期発見と心理的サポート、職場で抱える課題や悩みの解決に取り組んでいます。

女性の健康推進
女性はライフステージに応じて働き方を見直す機会が多いのも事実です。このような変化を背景に、様々な状況・環境・ライフイベントに応じた働きやすさと、働きがい(モチベーション)を持ち続けられるように、女性社員を対象としたメンタルヘルスセミナーを実施しています。

社外からの評価

健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定

JTBグループ(国内グループ会社18社)は、経済産業省が健康経営に取り組む法人を顕彰する制度において、「健康経営優良法人2024」に認定されました。
健康経営優良法人は、従業員の健康管理を経営的視点から戦略的に実践している企業を表彰するプログラムです。
現在、健康経営優良法人のなかでも特に優良な大規模法人の上位500社が選ばれる「ホワイト500」の認定を目指しています。

「スポーツエールカンパニー」認定
(株)JTBと(株)JTBコミュニケーションデザインは、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業として、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2024」に認定されました。
健康アプリ:Pep Upアプリを活用したWalking Rallyの開催、テレワーク者を中心とした長時間のデスクワークが引き起こす身体リスクを小さなスペースでも実施できる筋力トレーニングで解消するオンラインセミナーの開催など、国内グループで運動機会の増進による運動習慣の定着を図っており、これらの取り組みが評価されました。

安全衛生に関する措置

JTBグループでは、グループ社員の安全衛生を保つために下記の取り組みを行っています。

取り組み事例:〈指針の提示〉安全衛生ハンドブック
JTBグループではハンドブックを発行し、健康診断、健康づくり、メンタルヘルス、過重労働対策、海外勤務者等の健康管理、傷病による休務および復務、就業上の措置などについて必要な情報を掲載。社員が自らの意志により高いモチベーションをもって働ける快適な就業環境の整備や、健康保持・増進を積極的に推進しています。