もっと広く、深く、届けJTBの想い。コーポレートサイトは、こうして生まれ変わった。
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コーポレートサイトリニューアルへの想い
2022年11月末、JTBではコーポレートサイトをリニューアル。同時に進めてきたリブランディングと歩調を合わせながら、デザインはもちろん、伝える中身もより充実させることに力を注ぎました。完成までには、多くのプロジェクトメンバーを巻き込み、 「今、JTBが発信すべきメッセージは何か」という命題に試行錯誤する毎日でした。そうして、たどり着いた答えとは?
制作の裏側でどんなやり取りがあったのか、社長の山北と、プロジェクトメンバー2名に振り返ってもらいました。
代表取締役 社長執行役員 山北 栄二郎
マーケティングや営業開発、経営企画等を経験後、07年からは欧州事業の要職を歴任。JTB常務執行役員などを経て、20年6月より現職。趣味は絵画鑑賞や歴史探訪。
ブランド・コミュニケーションチーム マネージャー 岩渕 英雄
個人のお客様向けWeb戦略や、ホームページ販売担当等を経て、 21年4月より現職。今回のサイトリニューアル推進担当。愛猫を溺愛中。
ブランド・コミュニケーションチーム マネージャー 森 香織
海外旅行の企画手配・販売、欧州本社業務、海外財務システム導入など入社以来一貫して海外関連業務に従事し、16年より現職。犬とゲームが好き。
もう一度思い出し、伝えるべきJTBの想い。
岩渕:コーポレートサイトのリニューアルを検討し始めたのが2021年5月。既存のサイトには、情報の見せ方や運用面で課題があり、どんな情報がどこにあるのかがちょっと分かりづらい状態になっていました。そして、やはりコロナ禍の影響は大きく、業績や事業の変化に合わせて、サイトを情報構造から見直したいと考えました。
山北:コロナ禍によって、日常の営みが突然奪われました。世の中の交流も止まり「そもそも旅って必要?」なんて声もあった。旅行ビジネスがなくなり、どうしようかという時に、この会社の"原点"に立ち返って考えたことが、サイトのリニューアルでも入口になっています。本来、人にとって交流は必要なことで、JTBではこれを創り出す「交流創造事業」に取り組んできましたよね。そして、交流の中に"感動"という価値を生み出し、より豊かな社会に寄与しようと。それを「感動のそばに、いつも。」というJTBのブランドスローガンそのままに、お客様の感動をすぐ近くで見守りたいという想いでやってきた。そのことを、我々はもう一度思い出さなければと気づきました。
新しいサイトでは、この原点を一番のポイントとして、さまざまな方たちへさまざまなメッセージをもっと発信しなければいけない。交流には多様な形があって、たくさんの人が関わっています。個人・地域・企業などとの110年のお付き合いで培った関係性も、うまく表現して欲しいと思っていました。
森:そうですね、お客様だけではなく事業パートナーや自治体の方々など、私たちの周りには多様なリレーションがあります。だから、マーケットを特定せず、より幅広い方たちに対してJTBの想いや活動を分かりやすく伝えていく必要があると考えながら進めました。
森:その一つとして、あまり露出してこなかったBtoC以外の事業を、うまく見せたかった。たとえば 「JTBが企業の展示会をCO2ゼロで運営しました!」とか「XXと提携して農業支援しています!」といった情報で、「JTBは、お店で旅行を販売しているだけではなく、こんなこともしているのね」と知ってもらいたいと。そのために、サイト内の"導線づくり"にはかなりこだわり、ある情報を目的にWEB サイトへ来てくださった方に対して、関連する別の情報をご覧いただけるようになど工夫しました。
良い意味でお客様の期待を裏切るようなデザインに。
山北:新しいサイトでは、やはり刷新されたデザインが印象的です。デザインについては、プロジェクトチームにいろいろと考えて提案してもらったよね。
森:デザインでは、「未来へ向けたJTBの姿」をPRしていきたいと思いました。だから、「新しいことを採り入れ、元気で前向きな雰囲気を出したいね」とチーム内で話していました。デザインについて社長にも何度かご相談させていただきました。
山北:今回のリニューアルでは単にデザインを変えるのではなく、サイトにJTBの想いをどう込めて表現していくのか。交流によって人々にどんな感動が生まれ、JTBがどう関わっていくのか。それらを、どのように見せるか。これらが譲れないポイントだったね。基本的な考え方については、事前に僕からもインプットさせてもらいました。
それは正直、「簡単なことではないな」と思っていたんだけれど、新しいサイトを見たら、会社として伝えなければいけない想いやメッセージが、とてもよく反映されている。みんなが未来に期待し、元気になれるデザインになったのではないかな。
森:デザインで根底にあったのは、やはりJTB グループの理念やビジョンをまとめた"The JTB Way" の概念でした。そこから発想して、人と人とのふれあいや心を揺さぶる感動、あるいはグローバルな世界観など、いくつかのデザイン案を社長にもお見せしましたよね。チームでは割と落ち着いたデザインを候補に考えていましたが、社長が選ばれたのは逆にカラフルで躍動的なデザインでした(笑)。でも、それを本格的なサイトデザインに入れると、すごく魅力的になりました。
岩渕:また、第一印象を重視し、特にTOPページはインパクトがあり、新たなブランドイメージが伝わるようにと考えました。このサイトには、「JTB」とネット検索して来られる方が大半です。つまり、JTBを知っておられ、既存のイメージをお持ちです。それを、良い意味で裏切りたかった。「交流創造事業」という新しいイメージをもっていただけるようなTOPページになったかと思っています。
新しくなったコーポレートサイトのキービジュアルです
森:元気で明るく未来志向であることがデザインから伝わるよう、写真の選び方なども結構工夫しましたよね。今までとは違うダイナミックなスケール感というか、JTBの経営理念には「地球を舞台に」というフレーズがありますので、世界中の皆様を世界中のいろんな場所へご案内し、人と人の交流を創造するイメージを感じてもらえるようにと。
山北:そして、実はJTBの事業領域は広く、いろいろな人間が関わっていることも表現したい。JTBは「交流創造事業」として、旅行業だけではなく地域活性化や法人向けソリューションなど様々な事業にも挑戦しているのですが、今までは、どうしても旅行商品やサービスを単純に見せているだけだった。新しいサイトでは、グラデーションや多彩な色を使ったり、曲線を活用したりと、JTBの持つ事業領域の広がりや多様性を強く表現している。会社や組織の考え方の柔らかさも感じられるようなデザインになったと思います。お客様やパートナーの皆様と一緒に新たなものを生み出していこうとしているのに、無機質なサイトだと誰にも興味を持っていただけないし、面白くないからね。多様性から生まれるグループの総合力まで、このサイト上で表現し続けられればいいなと思います。
個性や魅力にあふれる新しいコンテンツにご注目を。
山北:デザインのほかに、新しいサイトで大きく変わった点や見どころには何があるのかな。
岩渕:全部を見どころと言いたいのですが(笑)、大きなポイントは3つです。1つめは「個人のお客様、法人のお客様、事業パートナーの皆様」の各軸で、JTBの事業価値を訴求できるページを作ったことですね。旅行事業だけではないJTBの交流創造事業と、その幅広さを知っていただくことを目的としています。
新規コンテンツ「こんなところにJTB」は必見です
2つめに「こんなところにJTB 」という、今までとは毛色の違ったコンテンツを企画しました。JTBのさまざまな事業活動を、街を模した一枚のイラストに落とし込んだものです。現実から少し飛躍させた表現ですが、お客様の生活のどこにJTBが関わっているのかが見えてきます。意外と近くにいることが分かっていただけるかなと。
そして3つめは、このサイトを通じて読む人とつながるオウンドメディア「JTBeing」です。「交流」「つながり」をキーワードにさまざまなヒトやモノゴトを取り上げ、読み物として発信していきます。できれば、そこに関わる社員の思いや人柄なども、表現していきたいです。
森:これらのコンテンツは、JTBのサービスに普段から触れてくださっている方だけでなく、まだ触れていない方、そしてJTBで働いてみようかと考えてくれている人などにとって、分かりやすい情報になるのでは。JTBの想いや活動を、これからもより積極的に発信していきたいと話しています。
岩渕:オウンドメディアは、もともと社長からのご提案でもありました。他社の事例を見られてのことだとか。
山北:そう、やはりオウンドメディアは深掘りできる点が魅力だと思ったんです。他社の記事を読んだところ、私がその会社に対して抱いていたイメージが、さらに深まったんですよね。そこにはその会社で働く人が登場していたし、「ここまで書かなければ、伝わらないんだな」ということが、よく分かりました。
コーポレートサイトを、いっそう重要なコミュニケーションの場に。
山北:想いを相手へリーチさせるには、"立体的に表現する"ことが大事でしょう。相手が来ることを待っているだけではなく、こちらから出ていく手段も持たなければいけない。そこには、クリエイティブな手法が必要だと思うんですね。文学や美術のように、しっかりとしたストーリー性を背景に持った表現方法です。新しいコーポレートサイトでは、それができるようになったし、より感性の高いメディアへ育てていきたいですよね。
そして今後も多様なデジタル接点が生まれてくる中で、 それらを存分に活用したコミュニケーションがさらに重要となるでしょう。JTBはシンプルにモノを売っている会社ではないので、サービスが生み出す感動をより多面的に発信していければと考えています。
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