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出会いから結婚、そしてその先へ。JTBの結婚相談サービス「ふたり紬 by JTB」

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「旅」を通じて、たくさんのお客様に幸せや感動を提供してきたJTB。その経験を生かし、人生という名の旅の新たな章をサポートするサービスが始まりました。それが、結婚相談サービス「ふたり紬(つむぎ)by JTB」です。

2025年2月、JTB高知支店からスタートしたこの新しい取り組み。地域の課題に向き合い、人と人との出会いを紡ぐこのサービスには、JTBならではの視点と想いが込められています。
カウンセラーを務める2人に、新たなチャレンジの背景や展望について話を聞きました。

高知支店 パーソナルエージェント
岩崎 真知

2002年入社。個人旅行の窓口を担当後、2017年にイオンモール高知店の店長に就任。
2025年2月から「ふたり紬 by JTB」のカウンセラーとして結婚相談サービスの立ち上げに携わる。

高知支店 営業課
宇野 未来羽

2024年入社。教育旅行の専任者として業務に従事しながら、2025年2月から「ふたり紬 by JTB」を兼務。婚活ツアーの企画・造成を主に担当。

ハネムーンの減少から生まれた、新しい発想

――JTBが結婚相談サービスを始めることになった背景を教えてください。

岩崎: 2024年8月、当時の本部長も交えた打ち合わせの場で、「高知県の社会課題を解決する新規事業」をテーマに議論する機会がありました。そのなかで支店内の若手社員を中心としたチームが「婚活で高知を盛り上げよう」という企画を発案したんです。

メンバーは、ハネムーナーの旅行の申込が減少していたことに危機感を持った店頭営業の担当者たち。コロナの影響や旅行スタイルの変化で、ハネムーンの予約が減っていたことを受けて「どうすればハネムーンが増えるか」と考えた結果、「結婚の一歩手前からサポートすればいいんじゃないか」というアイデアに至ったようです。

――婚活サポートの構想から、本格的な結婚相談所の運営にまで発展したんですね。

岩崎: 最初は婚活ツアーを他社と組んで企画する程度のイメージでした。
それが本社の目に留まり「高知県の社会課題である人口減少や婚姻率の低下に本格的に貢献するには、単なるイベントだけでなく、出会いから成婚までを一貫してサポートする結婚相談所としての機能が必要だ」という結論になりました。そこから高知支店でトライアル実施が決まったんです。

宇野: 高知県は未婚率の高さや人口減少が深刻で、自治体も婚活支援に本腰を入れています。加えて、JTB高知支店はこれまでも地域の企業や行政と連携してきた実績があり、信頼関係も実行体制も整っていたことから、高知でスタートすることになりました。

――具体的にどのようなサービスを展開されているのでしょうか?

岩崎: 「ふたり紬 by JTB」では大きく二つのサービスを展開しています。一つは婚活ツアー。こちらは結婚相談所に登録されていない方でも気軽にご参加いただけるイベントで、旅を楽しみながら新しい出会いを見つけていただけます。

もう一つは、日本結婚相談所連盟(以下、IBJ)に加盟した結婚相談所としてのサービスです。全国約10万人の会員のなかからお相手を探せる仕組みで、私たちがカウンセラーとして成婚まで伴走します。
「まずはツアーで雰囲気を体験して、もっとじっくりお相手を探したいと思ったら相談所へ」という流れを作っています。

――サービス名の「ふたり紬 by JTB」には、どんな想いが込められているのでしょうか。

岩崎: 実は名前決めには紆余曲折ありました(笑)。支店内で募集したとき時は、JTBの「J」を使って「Jマリッジ」なんて案も出ていて。本部からは「和風で落ち着いた感じがいいんじゃないか」という意見もあり、「ふたり」という言葉は絶対入れたいよねという話になって、進めていた名前がありました。

ところが他の相談所と名前がかぶっていることがわかって。
それで思い出したのが、JTBのブランドムービーの冒頭でも語られている「JTBは旅を通して、皆さまの心が動くその瞬間をつむいできました。」というセリフ。会社全体の価値観とも結びつくし、これはいいんじゃないかとなって「紬(つむぎ)」に決まりました。

JTBだからこそできる「入り口から出口まで」の伴走

――お二人がカウンセラーに選ばれた経緯を教えてください。岩崎さんは20年以上のキャリアをお持ちですが、宇野さんは入社2年目での大抜擢ですね。

岩崎: 自分から手を挙げたわけではなく、会社から指名を受ける形でした。ちょうど私が「パーソナルエージェント」という新しいお客様を見つけるポジションに就いたタイミングと、この婚活事業に本格的に取り組むかどうかの返事をするタイミングが重なったので、新規顧客開発の一環として、任せていただけることになったのだと思います。

宇野: 私も会社から指名される形だったのですが、最初は「なぜ私が選ばれたんだろう」と戸惑いました。恐らく、広報活動でSNSを使う必要があるだろうということで、Z世代がいた方がいいという判断もあったのかなと・・・(笑)
少し不安もありましたが新しいことにチャレンジできるのは楽しみでした。

――お二人は具体的にどのような業務を担っているのでしょうか?

宇野: 私は婚活ツアーの企画・造成を主に担当しています。場所の選定から、どんな体験を入れるか、参加者同士がどう交流するかという構成まで、岩崎さんと相談しながら作り上げています。一般的なツアーとは違って、婚活ツアーとしての色をどう出すかというところに毎回頭を悩ませていますね。

あとは企業とのタイアップも積極的に進めています。例えば、地元のサッカーチーム・高知ユナイテッドSCさんとは2回ツアーを実施しました。高知県民は地元愛が強いので、サッカーに詳しくなくても地元チームの応援で自然と盛り上がるんです。1回目はみんなでフットサルをして汗を流してから試合を観戦、2回目はご飯を食べて親睦を深めてから観戦という内容で実施し、大好評でした。
参加の皆様からは「初めてのフットサル体験でしたが、たくさんの方と交流できてよかったです。」「マッチングできて満足です。あと、担当の方がフリーの時にご心配やアドバイスをしてくれたこと、たびたびの配慮に感謝します。」など嬉しいお言葉をたくさんいただきました。
他にも、高知県全体に寄与できるような取り組みを進めています。

岩崎:店頭での経験は長いのですが添乗経験が少ないので、ツアーの進行は宇野に任せて、私は参加者の方と一緒に行動しながら参加者のサポート役に徹しています。コミュニケーションを自然に誘導したり、控えめで自分をうまく表現できない方をそっとフォローしたり。

ツアー実施の目的は2つあります。1つ目はカップルを成立させること。2つ目はツアーへの参加をきっかけに「新しい人との出会いっていいな」と思っていただき、結婚相談所に興味を持ってもらうことです。だからツアー後には必ずアンケートにご協力いただいて、参加者の方の結婚観や活動状況、お相手に求めるイメージなどを把握するようにしています。

「ふたり紬 by JTB」インスタグラムより。インスタグラムでもいろいろな情報を発信しています。

そのうえで、「この方は大勢のなかでは自分を表現しにくいタイプだな」と感じたら、「相談所の方がじっくりお相手を探せて向いているかもしれませんよ」とお声がけしています。
最近は相談所を「結婚できない人が行く場所」ではなく、「効率的にお相手を探せるポジティブな場所」として捉える方が増えている印象があります。

――婚活サービスは世の中に数多くありますが、JTBならではの強みとして意識されていることを教えてください。

岩崎: 半年間やってきて、「何が一番JTBらしいのか」という答えを今まさに見つけている最中です。最初は得意分野である旅行を生かしてツアーイベントをどんどん企画して、そこにお客様を呼ぶのが強みだと思っていました。でも検証を重ねた結果、イベントをたくさんやることだけが強みかと言われると、少し違うなと。

そうして見えてきた強みは大きく二つあります。一つは、企業や自治体とのつながりです。例えば高知ユナイテッドSCさんとのコラボも、実はもともとJTBがスタジアムまでのバス輸送をお手伝いしていたご縁で実現したんです。こういった長年の信頼関係から生まれるつながりは、JTBならではの財産だと思っています。

さらにこういったつながりは、人口減少や婚姻率の低下といった課題が深刻化する地域の課題解決にも生かせるのではないかと考えています。

もう一つの強みは、出会いから成婚まで、そしてその先まで一貫してサポートできる体制です。
例えば、企業や自治体がイベントを開催してお客様を集めることはできても、そこから先の「お相手探し」や「成婚までつなげる」という部分は、どうしても会員様主導になってしまいがちなんです。私たちは、店頭営業で培ってきた接客力を持つスタッフがカウンセラーとして成婚まで伴走する。さらに成婚後のハネムーンや家族旅行まで、ライフステージ全体に寄り添える。この「入り口から出口、そしてその先まで」という一貫性が、JTBならではの価値だと考えています。

実際に成婚された会員の喜びの声。「私が担当としてサポートさせていただいて、成婚が決まったときには本当に嬉しい声をいただきました」(岩崎)

旅行販売とは違う難しさ、そして成長

――店頭営業の業務とカウンセラー業務では、求められるスキルも違うのではないでしょうか。

岩崎: 本当に違いますね。旅行は基本的に「楽しいもの」として来られるので、お客様の気持ちが大きく沈むということは少ないんです。でも婚活カウンセラーは、お客様の心の浮き沈みに常に向き合う仕事。うまくいかない時期もありますから、そういうときは私たちも心が揺れ動くことがあります。

ただ、だからこそ店頭営業とはまた違う、他の引き出しが求められると感じています。
お客様との信頼関係を築く力、本当の気持ちを汲み取る力。このカウンセラー業務を経験することで、スタッフ一人ひとりに新たな引き出しが生まれると確信しています。

――宇野さんは、法人営業や教育旅行とはまったく違う業務への挑戦はいかがでしたか。

宇野: 法人営業だと、お話しする相手は決まった担当者の方ですが、婚活はツアーその日初めて知り合った方と深く関わって、心の内側まで理解しようとする。最初は本当にハードルが高くて、どう接したらいいのか分からなかったんです。

岩崎さんは積極的にグイグイ話しかけに行かれるんですが、私は最初、遠くから様子を伺うような感じで。そんなとき、岩崎さんが「私はあっちのグループ行くから、宇野ちゃんはあっちのグループお願い」と(笑)。逃げ場がなくなって、必然的に話しかけざるを得ない状況を作ってくださって。そうやって鍛えられました。

また、カウンセラーとしてきちんと知識を身につけようということで、IBJの「婚活カウンセラー」初級資格を二人で取得しました。業界的に最近できた資格なのですが、まずは基礎をしっかり学ぼうと。テキストには法律に関わることや心理的なアドバイスの方法など、かなり専門的な内容が書いてあって、想像以上に学ぶことが多かったです。
最初は気軽に考えていた部分もありましたが、勉強していくうちに、この仕事の奥深さや責任の重さを改めて実感しました。

――2025年2月の着任から約10ヶ月が経ちました。手ごたえはいかがですか。

岩崎: 正直、最初は「カウンセラーはハッピーを作る仕事だから楽しそう!」と思っていました。結婚という人生の大きな節目に関われて、ハネムーンにもつながって、そこから長くお付き合いいただけるお客様との関係が築けるなんて、すごく魅力的だなと。

でも実際に始めてみると、想像していたのとは全然違いました。結婚という人生の一大イベントを任せていただく責任の重さを、日々痛感しています。会員様との信頼関係は本当に大切で、深い信頼関係が必要なんです。ベテランのカウンセラーさんもたくさんいらっしゃるなかで、婚活においてまだまだ歴史の短い私たちがいかに信頼を勝ち取れるか…。
20年以上、店頭で接客をしてきた私でも、本当に難しさを感じています。

宇野: 私も戸惑いの連続でした。募集型のツアーを作ること自体が初めてで、そこからまず分からないことだらけ。婚活ツアーってどういう雰囲気なのか、どんな進め方をするのか、婚活ブログやSNSで調べながら、手探りで進めてきました。

ただ、今までの業務とつながりを感じることもありました。私はもともと教育旅行を担当していたのですが、修学旅行って、子どもたちの存在があって初めて成り立つものです。結婚する人が減って少子化が進めば、教育旅行はもちろん、一般的な旅行業、さらには地域の活力そのものにも影響が及びます。
そう考えたときに、私たちは未来の旅行者を創る、ひいては地域の可能性につながるものなのではないかと、自分のなかで腹落ちしました。

岩崎: まだ模索中の「ふたり紬 by JTB」ではありますが、実は先日、「IBJ AWARD® 2025下期 ≪BEST ROOKIE部門≫」をいただくこともできました。この賞は実績と信頼性の両面で婚活者の方々に推奨できる結婚相談所を表彰するアワードです。皆さまとのご縁一つひとつが、今回の受賞につながったのだととても嬉しく思っています。2026年上期も受賞を目指し、これからも大切にご縁をつむいでいこうと気持ちを新たにしたところです。

地域と企業、そして一人ひとりの幸せに寄り添う未来へ

――約10ヶ月のトライアルを経て、「ふたり紬 by JTB」の今後の展開についてお聞かせください。

岩崎: 来年度はイオンモール高知店のスタッフもカウンセラー業務に参加する予定です。店舗が減っていくなかで、JTBの店頭スタッフが培ってきた接客力を生かせる新しい場所として、この「ふたり紬 by JTB」が機能していけばと考えています。

JTBの店頭スタッフは、WEBだけでは見つけられないお客様一人ひとりの想いや不安に寄り添い、最適な旅を共に創り上げる力があります。この力を基盤に、婚活においても一人ひとりに寄り添ったサポートを行い、安心して結婚という大切な一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。
JTBならではの婚活サポートを全国のさまざまなエリアで展開することで、より多くの方に新しい出会いを届けたいという想いはもちろんですが、最終的に目指しているのは、JTBのウエディングプラザやデスクのような形です。

ウエディングプラザ・デスクは、通常の店舗とは異なる専用サイトを持ち、各県の主要店舗がリゾートウエディングやハネムーンのサポートを担っています。それと同じように、結婚相談サービス「ふたり紬」も全国の主要店舗で展開できるようになれば。個人旅行、ウエディング、そして結婚相談と、店舗の強みを生かせる事業として、確立させたいですね。

――自治体や企業との連携についても、さらに広げていく構想があるのでしょうか。

宇野: はい。法人担当の目線で考えると、企業間の連携をもっと深めていきたいです。結婚のあとって、新居だったり車だったり、さまざまなアフターニーズもあるのかなと考えています。お客様にそのようなご要望をいただいた際に応えられるような、BtoBtoCのネットワークを広げていけたら良いなと思っています。

それから、自治体の公式結婚相談所の運営も進めたいですね。少子高齢化や人口減少に悩む地域は全国にあります。オンラインを活用すれば、高知だけでなく他の地域にも展開できる。
JTBが持つ地域とのつながりと、カウンセラーとしての伴走力を生かして、地域課題の解決に貢献していきたいです。

――最後に、お二人それぞれの個人的な目標も教えていただけますか。

岩崎: 私は、会員様と一生のお付き合いができる関係を築きたいです。
「この人だから任せたい」と思っていただけるような信頼関係を大切にして、成婚後も「子供が生まれました」「家族で旅行に行きたいです」と報告いただけるような、人生の節目に寄り添える存在でありたいと思っています。

宇野: 私はツアー担当として、参加された方が「楽しかった」と笑顔で帰れるような、満足度の高い婚活ツアーを作り続けたいです。
普段は旅の添乗員ですが、「ふたり紬 by JTB」では「人生という旅の添乗員」として、お一人お一人の大切な旅路に寄り添っていけたらと思っています。

文:大西マリコ
写真:大童鉄平
編集:花沢亜衣

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