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相手を思って選べば、もっと気持ちは伝わる。
いま旅行や体験が「感動」を届けられるギフトへ。

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もし旅行を贈るとしたら、どのような方法が思い浮かびますか。まず一般的なのは「旅行券」。また、相手に希望場所や日程を確認して贈り手が予約と支払いをする方法や、複数の旅行プランのなかから贈られた側が好きなプランを選ぶ「カタログギフト」という手もあります。

JTBでも旅行のギフト(ギフトトラベル)を販売していますが、そのどれでもない新しい旅行の贈り方を生み出しました。名前は「してね」。SNSやメールなどから手軽に贈れることで注目を集める「ソーシャルギフト」を利用したJTBの新サービスです。開発に携わった社員3名に話を聞いてみました。

大阪第三事業部 営業推進課長 大橋 幸千人

1996年JTBの前身である日本交通公社へ入社。国内旅行の販促や仕入に携わった時期も挟みつつ、主には法人部門を渡り歩き、前職のギフトトラベルセンター長のときに「してね」を立ち上げる。プライベートでは両親を敬老の日にラグジュアリーホテルへ招待したり、家族間のコミュニケーション強化のために旅行をサプライズでプレゼントしたりして、妻、双子の娘との絆をもっと深めたいと願う今日この頃。

大阪第三事業部 営業開発プロデューサー 金村 義隆

1999年JTB入社。提携販売業務や、本社の広報室、営業政策業務を経験し、4年前から現事業部でギフトトラベルに専念。現在もギフトトラベルセンターで営業開発プロデューサーを務める。「プレゼントをもらったり贈ったりということはほとんどなく、最近は自分へのご褒美ばかり」と言うものの、先日6万円もする硬式野球グローブを子どもにプレゼントし、自身としても休日は子どもの野球チームの運営サポートを楽しんでいる。

大阪第三事業部 営業第五課(ギフトトラベルセンター) 辰巳 昂平

2014年JTB入社。法人営業中央支店(現、大阪第三事業部)に配属され、企業を対象に社員旅行などの企画運営をサポート。2020年からは現部門に所属し、現在は営業開発グループのグループリーダーを務める。心に残るギフトは、子どもの頃に父親に連れていってもらった、家族旅行。 そして最近、同じ部署の後輩へ結婚のお祝いとして皆で贈ったインスタントカメラ。皆で記念撮影をし、いい思い出になったそう。

気軽に贈れることから、注目される「ソーシャルギフト」。

―― JTBではギフトトラベルを、いつ頃から取り扱っているのでしょう。

大橋:「旅行を贈る」手段として、カタログギフトへの掲載を15年ほど前に発案し、初めて提案したのがJTBです。これがギフトトラベルの走りとなります。法人需要で販売が伸びたことから、その後ギフト事業各社がJTBの旅行商品をカタログに取り入れ、以降カタログギフトは「モノ」だけでなく「コト」も商品として扱うようになりました。今ではカタログギフトを通じてJTBを利用される方が年間10万人を超えています。

旅行会社でギフトトラベルを提供しているのはJTBだけです。特に、これまで培ってきた全国の旅館・ホテルの「客室を販売させていただく権利」をもっているため、お客様のニーズに適った宿を迅速に探し出せることが特長です。
もし他の事業者が宿泊商品を扱うことができる旅行業免許を取得しても、すぐに同じことはできないと思います。

―― 最近は、どのような傾向が見られますか。

金村:ギフト全体では、2023年は10兆6,670億円(※1)の市場規模があると予測されています。
近年は、日常で何かのお礼にカジュアルギフト(パーソナルギフト)を贈ることが増加しています。そのような中、コロナ禍で気軽に人と会えない状況が続き、気持ちを伝える手段として、よりギフトを通じたコミュニケーションが支持されるようになったことが追い風となり、ギフト市場は拡大しています。

そして最近はパーソナルギフトの中でeギフト(ソーシャルギフト)が注目されており、利用される方が増えています。住所を知らない相手にもSNSやメールなどを介して手軽に贈れるだけでなく、受け取った相手のリアクションもわかることから、今後も順調に拡大するとみられています。(※2)

※ 1 出典:株式会社矢野経済研究所「ギフト市場に関する調査(2022年)」(2023年1月20日発表) 注.ギフト市場規模は小売金額ベースにて算出
※ 2 出典:株式会社矢野経済研究所「商品券・ギフト券/eギフト市場に関する調査(2021年)」(2021年7月27日発表)

JTBだからできる、「想い」が伝わるギフトトラベル。

―― 「してね」がカタログギフトと異なる点は何でしょう。

辰巳:カタログギフトや旅行券は、贈る側にとっては選ぶ苦労が少なく、贈られる側にとっては選ぶ楽しみがあり、好きなものがもらえる良さがあります。しかし「想い」の部分では物足りなさがあります。それは、贈る側の「あなたのことを考えて、これを選びました」という想いが感じられない点です。そして実は贈る側からも、内容を指定したいとのご要望が以前よりありました。
これをギフトトラベルで解決すべく商品化したのが「してね」です。贈る側が「1つのプラン」に決めてプレゼントする仕組みですので、相手の趣味や嗜好などを大切にしながら選ぶこととなり、贈る側の気持ちが贈られる側に、より伝わるのではと考えています。この「1つのプラン」を選ぶ方式は「ありそうで、なかった」ものです。「してね」というネーミングも、「ワクワクしてね」「リフレッシュしてね」「長生きしてね」「仲直りしてね」といった、贈る相手への想いを表現したものです。

―― 「してね」にはどんな商品があるのでしょうか。

大橋:市場リサーチをした結果、定年退職、還暦や古希、節目の結婚記念日、結婚式など、人生の重要なシーンにおいては贈る側がこだわりをもって、いわば少し背伸びをして贈りものを選ばれる傾向にあることが確認できました。テレビなどで見た、みんなが憧れるような場所へ、招待したいと考えられている方が多いです。

そのようなニーズにお応えできるよう、各事業パートナーにご協力いただき厳選した商品がたくさんあります。大きく分けて「宿泊・食事・体験」の3カテゴリーで、例えば「宿泊」なら、ある有名ホテルへ泊まってアフタヌーンティーを楽しむプランや、湖のほとりにある人気のグランピング施設にオールインクルーシブ(※)で泊まるといったプランなどがあります。また「食事」であれば5つ星クラスのラグジュアリーホテルでのランチやディナーのプラン、「体験」であればエステプランやダイビングなどといったメニューがあります。特に食事のプランではホテルのレストランを中心に、お祝いや記念日に最適な商品を数多くラインナップしています。

※ 宿泊施設内での飲食やアクティビティ利用などの料金が、宿泊料金に含まれている形態。追加料金の心配がない。

「してね」で取り扱った商品の例(現在は販売を終了しているものもございます。詳しくは公式サイトでご確認ください)

大阪エクセルホテル東急 ROOM MINAMI 御堂筋の夜景を眺められるビューバス付客室

辰巳:どれも魅力的ですが、私が個人でも利用してみたいと思ったのは、ラグジュアリーホテルで夜景を見ながらジャグジーに入れるプランですね。大阪の御堂筋が毎年冬の時期、大規模なイルミネーションを行っているのですが、それを眼下に眺めながらお酒なども楽しめるんです。

全国の魅力あるホテルや旅館に加え、あまり通常のギフトトラベルでは設定がないハイクラスなラグジュアリーホテルも、「してね」ではお選びいただけます。さまざまな魅力あるホテルにご協力をいただけたのは、JTBがこれまでに宿泊施設と築いてきた信頼関係があるからです。お客様にほかのギフトトラベル事業者にはない商品を、ご提供できることも「してね」の魅力の一つです。

コロナ禍での、宿泊事業者への恩返しの気持ちが原点。

―― 「してね」は、どのようにして生まれたのでしょう。

大橋:以前より私たち3人だけでなく他の部門メンバーも交え、マーケットニーズに応えられるサービスの開発を検討していました。そこに新型コロナの流行が起き、観光業界全体が大きな打撃を受けました。事業パートナーの旅館やホテルの方々が非常に困っており、状況を何とかしたいと考えました。そこから、まずは「ありがとうギフト」という商品を開発。カタログギフトに掲載し「3密を回避して、お部屋で食事や露天風呂を楽しみませんか」とアピールしたところ、大変好評でした。この経験が「してね」につながっていきます。

その後、新型コロナが落ち着きを見せはじめ、もっと若い世代にも「ありがとうギフト」を気軽に利用してもらえないだろうかという話になりました。そこで目を付けたのがSNSです。SNS上でカジュアルにギフトを贈ることが定着する中で、より簡単に旅行や体験を贈り合う文化が創れたらおもしろいと考え、3人で話し合って社内の新規事業公募制度を利用して事業を提案し、最終候補に残り今回の事業化に至りました。このように、実は「してね」は、社会貢献と、事業パートナーの皆様への、これまでの恩返しになればと思ったことからスタートしています。

―― 現在までの利用状況はいかがでしょう。

金村:スタートしたばかりですが、すでに販売は好調です。ここまでの平均利用単価は5万円と、高い水準にあります。意外と企業の福利厚生や社員へのインセンティブで活用いただけるケースも多いんですね。たとえば社内イベントでは、今までなら家電や旅行券を景品にしていましたが、「有名な〇〇ホテルに泊まれる!」と具体的なホテル名を挙げてプレゼントする方がインパクトは大きく、イベントも盛り上がる。そんな気づきに、私たちの期待も膨らんでいます。

贈り合うことで生まれる交流。親しい関係がより深まる。

―― 「してね」で「交流」というものは生まれていますか。

辰巳:「してね」なら、より気軽に旅行を贈り合って、家族や仲間内でのコミュニケーションをさらに深めてもらえるのではないでしょうか。贈られたお客様は、受け取ったあと、実際に利用する日まで「当日は何を着て行こう」「他にどんな観光をしよう」などのワクワク感が持続し、ほとんどがペアプランのため、一緒に行かれる方との交流も生まれます。さらには、贈ったお客様と贈られたお客様の間でも、贈って終わりではなく、「〇月に行ってくるね」などのコミュニケーションも持続します。

実際、「してね」を結婚記念日のために購入した社員がいますが、メッセージも添えられた「旅の贈りもの」がサプライズで届いたことに奥様はとても感動され、夫婦の会話がふくらんだそうです。

金村:また、贈られたお客様はその旅行を何かの記念日やお祝いごとで利用するわけですが、何の記念で利用されるのかを私たちは事前にお客様が利用される施設へお伝えするんです。すると、たとえばホテルに着いたときに「〇〇記念日おめでとうございます」といった歓迎がされ、贈られたお客様とホテルスタッフとのふれあいや交流が生まれます。そして、これに感動したお客様が贈った方へ現地から電話を入れたり、お土産話を持ち帰ったりされます。さらには、贈られたお客様が良い思い出になったため、他の方に「してね」を贈る側になるといったことも起き、関係や絆がさらに生まれているようです。

「してね」を、拡大するソーシャルギフトのメジャーサービスへ。

―― これからの展望を聞かせてください。

辰巳:「してね」は、まだまだ知られていないのが現状です。何か旅行や体験を贈ろうとしたとき、今も多くの方のファーストチョイスが旅行券や商品券ですので、まずは「してね」を先に思い出してもらえるよう認知度を高めたい。「してね」はソーシャルギフトなので、SNSを活用してより多くのお客様に知っていただきたいと考えています。

大橋:そして、商品ラインナップもさらに充実させたいと考えています。JTBには47都道府県すべてに拠点があり、各地の特色を生かした旅行商品を提供できるはずです。まずは体験プランを重点的に増やし、一年以内には各都道府県ならではの、その地域でしか手に入らないような「逸品」もラインアップしたい。そのためには、アンテナを張って、お客様によろこんでいただけるような新しいホテルや魅力ある食事など、旬の情報をいち早くキャッチしていかなければなりません。

金村:SNSを利用したソーシャルギフトは、きっと主流になっていくでしょう。この市場で「してね」をメジャーなサービスとして展開させたいと思っています。そして、インターネット自体が世界とつながっているものですので、ゆくゆくは「してね」をグローバルでも展開し、海外のお客様に利用していただけたらと考えています。また逆に、「してね」で海外旅行を扱える可能性もあると思っています。もちろん自分へ贈るために利用していただいてもいい。「してね」はあくまで仕組みですので、その活用の可能性をどんどん広げていきたいです。

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