Sustainable Voyage Project「ロス旅缶」
社会課題となっている食品ロスを削減するために、JTBが廃棄食材を使用し、味も見た目にもこだわった缶詰の販売を開始しました。
長期的には廃棄食材を削減し、社会課題解決につながる事業に発展させていきたいと考えています。
社会課題
食品ロスは持続可能な社会の形成において大きな課題となっています。日本では、収穫されながら出荷されない野菜は年間177万トン※、およそ東京ドーム一つ分にあたる食品が毎年廃棄されているといわれています。
廃棄対象となった食品は、焼却や埋め立てにより処理され、その過程でCO2やメタンガスなどの温室効果ガス(GHG)が排出されます。
※ 農林水産省、令和3年産野菜41品目の収穫量および出荷量
ロス旅缶とは
ロス旅缶は、食品ロスを解決するためにJTBが開発した商品です。JTBが規格外野菜を提携農家から買い取り、シェフによるレシピで美味しく加工された缶詰として提供しています。
KPIと実績
nextender
JTBグループは100年以上、お客様の喜びを追求し続けてきました。昨今の複雑な課題解決には従来の枠組みを超えた共創が必要です。これに応えるため開始したのが、イノベーション創発プロジェクト『nextender®』です。nextenderは社会のさまざまな共創パートナーとJTBグループ全社員が取り組むプロジェクトで、ロス旅缶もnextenderの『未来創造部会』から生まれた企画のひとつです。
ロス旅缶の特徴
ロス旅缶は、贈り物や災害備蓄品、アウトドア食として活用され、食品ロスの削減につながります。また、ロス旅缶をテーマにした絵本やキャラクターを活用して、子ども向けの教育活動も行い、次世代に持続可能な消費行動の重要性を伝えています。
ロス旅缶ジャーニー
ロス旅缶の特徴
ロス旅缶 共創パートナー
ロス旅缶は、その可能性や価値に共感した下表の企業・団体の支援を受けています。共創パートナーと共に2 回リリースを配信しており、リーチ数は128,828に達しました。
また2023年度は、6件のイベントに出展し、約25,800名にアプローチしました。今後更に共感の輪を広げていき、事業を通じた社会課題解決につなげたいと考えています。
株式会社ファーマーズ・フォレスト
次世代のアグリカルチャーとエコツーリズムを目指す地域商社。「ものづくり」「ひとづくり」「まちづくり」に挑戦し、ローカルブランドを総合的にプロデュースしています。
サステナブル・ブランド
CANNATUREL(カンナチュール)
日本全国の生産者とつながり、添加物を使用しない缶詰を製造・販売する企業。美味しく賞味期限の長い加工食品を世に届けています。
東京ドームホテル
都心最大級のエンターテインメントエリアに位置するホテル。「楽しさ」や「遊び心」を盛り込んだホテルを目指すと同時に、豊かな社会の実現への貢献にも取り組んでいます。
リフレかやの里
農家レストランと宿泊サービスを備えた施設。農産加工とパンケーキ製造で、地域と密接につながる施設です。
ホテル日航つくば
筑波山を臨む都市、つくばの中心に位置するホテル。SDGs推進活動に賛同し、使用済み歯ブラシのリサイクル活動など、複数の取り組みを実践しています。
eat for
「食べることが、社会貢献に」という想いで活動している農家支援キッチンカー。自然災害や出荷先の変動により、行き場を失った食材を購入し、料理として販売しています。
担当者メッセージ
農作業で目の当たりにした規格外野菜の廃棄が企画のきっかけに
私は東京都清瀬市の農家に生まれ、小さいころから農作業は身近なものでした。成人してからコロナ禍で休業している間、実家の農作業を手伝い、規格外の野菜が多く廃棄されている現実を目の当たりにし、強い問題意識を持ちました。その課題意識がこの度のロス旅缶の企画につながっています。
ロス旅缶は、食品を提供してくださる農家さん、レシピを考えてくださるホテルのシェフ、出展先のイベント運営スタッフ、協賛パートナー企業など、たくさんの方々の支えによって実現しています。関わってくださったすべての方に感謝申し上げます。また、ロス旅缶を手に取ってくださった方が、食品ロスという社会課題に対して、小さくてもいいのでアクションを取るきっかけになれば、嬉しく思います。
JTBビジネスソリューション事業本部 第三事業部 小糸 美鈴
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