地域の魅力創出
JTBグループの「サステナビリティ基本方針(4)地域社会におけるサステナビリティの推進」に基づき、私たちはサステナブルな地域社会の発展に向け、最大限貢献してまいります。
お客様・各事業パートナーと共に、その土地の慣習や倫理観、人々の暮らしを尊重しつつ、コミュニティの発展を支援します。また、人々の交流を通した地域経営や人財育成のソリューションを提供し、持続可能で豊かな地域づくりに寄与します。
- 地域の支援
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地産地消の取り組みの紹介や地域の雇用創出に貢献します。
- 地域コミュニティの支援
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地域の経済的効果だけでなく環境・文化・社会の観点も考慮した観光地開発に取り組むとともに、先住民の権利にも配慮します。
- エリア開発
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JTBグループでは、交流創造事業の一環としてエリアソリューション事業を行っています。
「地域・エリアを1つのテーマパークのように"つなげ、価値を高める"」を目指すべき姿として掲げ、人流・交流を創造するためにエリア内の既存コンテンツを有機的につなぎ、開発・投資により、新たな価値を生み出すことでエリアのバリューアップに貢献します。各取り組みの目標と実績
指標 2023年度 実績 2024年度 目標 2028年度 目標 やんばるジップライン事業と「やんばるエリア」の生物多様性を学ぶ機会の提供 10,726人 8,500人 12,000人 Fukukitaru事業による備瀬地区のフクギ並木の維持・保全 112件 90件 200件 取り組み事例1:〈周遊コンテンツ〉やんばるジップライン
沖縄本島の北部、やんばるの森を舞台にした自然に溶け込むジップライン事業を運営しています。亜熱帯の豊かな自然が息づく場所で、空中散策を楽しんでいただくとともにガイドによる希少な植生に関する説明を実施し、生物多様性に関する学びの機会を提供しています。2023年度の参加者実績は10,726人でした。取り組み事例2:〈エリアの維持・保全〉Fukukitaru
沖縄県本部町の「フクギ並木」で有名な備瀬地区の持続性とフクギの保全を目的に、フクギの苗木を販売するプロジェクトを推進しています。2023年度の販売実績は112個でした。 - オーバーツーリズム対策
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JTBグループでは、観光地に観光客が数多く訪れることにより、地域社会や環境、景観などにダメージを与えるオーバーツーリズム対策を行っています。
取り組み事例1:〈訪問客数の分散〉やまなし観光MaaS※
山梨県は首都圏から近く、景勝地やワイナリーなど観光資源の多い県ですが、それぞれの観光資源が離れた場所にあり、観光地をつなぐ交通網が整備されていませんでした。また観光客の7割がマイカーを利用するため、渋滞の一因にもなっていました。さらに、ワイナリー巡りに自動車で行くと運転者はその場でお酒を楽しむことができないという問題もありました。
そのような課題を解決し、観光客に1つでも多くの観光資源に触れてもらいたいと、山梨県甲府市と峡東3市(山梨市・笛吹市・甲州市)にて、やまなし観光MaaSの実証事業の実施に至りました。県内の周遊を促進するため、交通・観光事業者との連携により複数の交通手段・観光施設をつなぎ、スマートフォンでルート検索・予約・決済が可能となる環境を整備し、「やまなし観光MaaS」の実証事業を実施いたしました。※ MaaS:Mobility as a Serviceの略で、ICT(情報通信技術)を活用して、複数の公共交通やその他の移動サービスを統合し、検索・予約・決済などを
ワンストップで行う仕組み取り組み事例2:〈MaaSソフトウェアの開発〉Tourism Platform Gateway®(TPG)
JTBは、観光型MaaSを実現するためのソフトウェアを開発しました。このソフトウェアの活用で観光客の回遊性を高め、地域の消費向上につなげます。取り組み事例3:〈チケット販売形式の改善〉PaaSket(パースケット)
チケット販売プラットフォーム「チケットHUB®」で販売されたQRコード形式のチケットを着券認証する、スマートフォン(Android)アプリです。もぎり、電子もぎり、番号入力、電子スタンプなど複数の着券オペレーションが、QRコードの読み込みに統一され、入場時の人流滞留を防ぎます。 - 持続可能なまちづくり(地域交創プロジェクト)
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JTBグループは主体的に地域の多様な関係者と連携し、交流の力により地域課題の解決を通じて、持続可能な地域づくりに貢献しています。
取り組み事例1:カイフジヤマロード構想
JTBでは、観光客の回遊促進に向け、「カイフジヤマロード構想」を掲げ、富士河口湖駅周辺のオーバーツーリズム解消とともに笛吹市をはじめとした県内他エリアの観光による地域活性化を推進し、持続的な観光まちづくりへの貢献を進めています。
2023年11月に河口湖 駅 前に観 光 交 流 拠 点「Tourist Base KAWAGUCHIKO」を開業し、訪日外国人の受け入れを進めるとともに、2024年4月には山梨県笛吹市にある富士山の絶景スポット「FUJIYAMAツインテラス」に新たな交流拠点「Lily Bell Hütte」を開業しこれら拠点をつなぐオプショナルツアーを実施することにより、新たな人流を創出し、山梨県全体の地域づくりに、地域の皆さまと共に取り組んでいます。
取り組み事例2:SICSサステナブルラウンジ
JTBでは高松市と「中央卸売市場を中心とする地域活性化に向けた包括連携協定」を締結しており、その活動の一環として、観光交流拠点「SICSサステナブルラウンジ」を2024年5月に開設しています。
「サステナブルな交流拠点」をテーマに、1階は漁獲量や規格外等の理由で市場に流通しづらい未利用魚や野菜などを活用する飲食店「クセモノズ」、2階は地域と旅行者を結ぶ交流スペースとなっており、地域で活躍する共創パートナーと連携しながら運営をしています。市場のフードロスの減少に貢献するとともに、交流スペースを活用し、高松市中央卸売市場や瀬戸内の魅力を発信しています。
- 地方創生プロジェクト
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世界に誇る観光資源を活用し地域活性化に寄与することを目的に、現在島根県隠岐諸島と沖縄県北部エリア(やんばる地区)に多様な経歴の人財を出向派遣しています。
地域側の立場に立って、地域の観光関係者の皆さまと力を合わせ、来訪者への情報発信や観光コンテンツ開発、高付加価値なサービス提供、ワンストップサービス構築などの受け入れ環境整備を通じ来訪者増や滞在時間を伸ばすことで地域消費増となるような取り組みを実施しています。 - 地球いきいきプロジェクト
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※2012年から2023年までののべ参加人数。1982年からののべ参加人数は
13万人以上お客様や地域住民とJTBグループの社員が一丸となって取り組むプロジェクトです。観光地での清掃活動をはじめ、自然環境の保全活動、歴史や文化の学習体験など、地域の特色を活かしたプログラムを展開しています。開催プログラム数436件、JTB社員参加人数7,205人、のべ参加人数20,347人※を記録するプロジェクトです。環境美化や、人と人との交流を通じて、そこに関わるすべての方々と共に「地域を元気に、人を笑顔に。」していきたいと考えています。
地球いきいきプロジェクト取り組み事例1:JTBハワイ・地球いきいきプロジェクト2023・マウナルアベイ
ハワイを何十年先も地元民に愛される場所にするため、海にとって有害な藻を除去する活動を行いました(2023年6月17日実施、参加人数:社員21名、お客様73名 計94名)。取り組み事例2:世界自然遺産 やんばるの森保護活動㏌東村
世界自然遺産やんばるの森を守るため、生態系を脅かす外来植物について学び、駆除活動を行いました(2023年11月19日実施、参加人数:社員21名、お客様31名 計52名)。取り組み事例3:京丹波松茸復活プロジェクト
地域の名物である松茸を再び蘇らせるため山の整備活動をし、生物多様性の保全や森林の重要性を学びました(2023年10月14日実施、参加人数:社員11名、お客様14名 計25名)。
文化・自然資源の保全への貢献
JTBグループの「サステナビリティ基本方針(4)地域社会におけるサステナビリティの推進」に基づき、私たちはサステナブルな地域社会の発展に向け、最大限貢献してまいります。
お客様・各事業パートナーと共に、その土地の慣習や倫理観、人々の暮らしを尊重しつつ、コミュニティの発展を支援します。また、地産地消を推奨し、地域に根差した有形無形の文化や、地域に継承される知識・技術を大切にし、その価値を毀損せず、価値を高めることを目指します。
- 文化・自然資源の保全
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適切に管理された博物館等での鑑賞や指定されたエリアでの見学など、現地のルールに従って訪問します。
- ステークホルダーとの協働
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お客様に対する現地の法令やルール、鑑賞・体験にあたっての留意点の説明、ガイドやツアーオペレーター等の適切な選定、社員に対しての教育研修を行います。
- 文化・自然維持のための対話
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JTBグループでは先住民族への理解や自然維持のために、地域コミュニティとコミュニケーションできる機会をお客様に提供しています。
取り組み事例1:〈先住民族への理解〉アイヌ文化を体験するプラン
JTBは北海道ツアーのオプションとして、先住民族アイヌの歴史や生活、伝統文化を五感で感じるプランを提供しています。アイヌガイドの講話を聞き、歓迎の儀式への参加、アイヌ料理、アイヌ文様の木彫りを体験できます。取り組み事例2:〈先住民族への理解〉ウルル(エアーズロック)観光によるアボリジニ文化理解
JTBは先住民アボリジニにとっての聖地、ウルル(エアーズロック)のふもとをめぐるツアーを提供しています。日本語ガイドが先住民の伝承物語を紹介しながら散策します。 - 杜の賑い
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「地域に埋もれた祭りや芸能を発掘し、旅の中でお楽しみいただく」をコンセプトに、郷土の伝統芸能を一堂に集めたJTBグループのオリジナルイベントです。
単なる観光商品ではなく、地元自治体、観光関係機関との連携などから発展的に規模が拡大し、近年では、地域における伝統文化の保護育成、若者たちの創作芸能への芸術支援や、地域活性化事業としての色彩を濃くしながら、全国各地で開催されているステージイベントです。 -
取り組み事例
2024年1月に「第137回 杜の賑い沖縄」が沖縄コンベンションセンターにて開催されました。演目は、これまでの沖縄の伝統芸能や民俗芸能をもとに構成された成熟した舞台および、新たな沖縄の息吹として創作演舞も加わり、約700名の演者が一堂に会して華やかなステージを披露しました。
この舞台を通して、「杜の賑い沖縄」は歴史や伝統を感じさせながらも、現代の沖縄の魅力を5,400名の観客に体感していただくことができました。 - JTB旅行文化講演会
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JTB創立70周年を記念し、1983年から開催されている講演会です。第1回の斎藤茂太氏を筆頭に、各界を代表する著名人を講師に招き、「旅」にまつわる話題や、専門家ならではのユニークな講演を行っています。コロナ禍において、リアルでの開催が困難な時期にはオンラインという手法を導入し、旅という文化を伝え続けています。
取り組み事例
2023年度は、キャスターである草野仁氏を講師にお迎えし、「いつもチャレンジ精神で」を演題に、オンライン開催をしました。50年以上にわたるキャスターとしてのキャリアや舞台裏のエピソードを交えながら、常にチャレンジ精神を持って新たな挑戦を続けることの重要性をお話しいただきました。
JTB旅行文化講演会
- ガバナンス・推進体制
- 重要課題(マテリアリティ)
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・心豊かなくらし
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・人々をとりまく環境
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・パートナーシップ
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