気候変動への対応
JTBグループの「サステナビリティ方針(3)地球上の自然資源と生物多様性の保全」に基づき、地球上の資源に配慮して、気候変動対策・環境保護・生物多様性保全に取り組み、限りある自然資源を次世代に引き継ぎ、企業活動を通して使用される水やエネルギーの利用量を削減するとともに、より環境負荷の低いエネルギー源の利用を進めてまいります。
- JTBグループ環境宣言
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私たちは、かけがえのない地球環境を慈しみ、地球環境保全への最大限の配慮に努めることを基本理念として、ツーリズムに関わる企業活動を誠実に推進することにより持続可能な循環型社会の実現を目指します。
JTBグループでは下記のリスクを認識し、緩和と適応に取り組んでいます。気候変動によるリスク
気温上昇、海面上昇、災害リスク上昇によるもの〈観光資源の毀損〉
- ・ビーチリゾートの劣化、都市型観光の危険性増大(高潮など)、サンゴ礁の白化、スノーリゾートの縮小 など
〈事業活動全般〉
- ・オフィスの災害リスク増大、猛暑による生産性の低下
〈その他〉
- ・食糧供給の不安定化、特産品の不作
〈対応〉
- ・新しい観光地への誘導
- ・オールシーズン化(スノーリゾートのグリーンシーズンの活用など)
- ・近場旅行や分散旅行の推進
- ・災害リスクを踏まえた安全な旅程、保険の充実化、行程の見直し など
- ・気候変動に対する啓発を行う体験プログラムの開発・提供
社会の変化によるリスク
飛行機の利用自粛や旅行先・スタイルの変化、企業のブランドリスク、燃料の値上がりや供給の不安定化、炭素税などの負担増大〈対応〉
- ・事業パートナーと連携した省エネ化(燃費向上・機材更新)、代替燃料の利用推進
- 指標と目標
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JTBグループは、事業活動における環境負荷を段階的に削減し、2050年度までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を目指します。
JTBグループの脱炭素目標
〈中期目標〉
2030年度までに自社が排出するCO2排出量の実質ゼロ達成(スコープ1、スコープ2)単位 2023年度実績 2024年度目標 2028年度目標 CO2排出量
(スコープ1,2)t-CO2 18,569 17,700 6,128 CO2排出量
(スコープ1,2,3)t-CO2 2,388,108 2,867,700 3,490,088 〈長期目標〉
2050年度までに事業活動全体でカーボンニュートラル達成(スコープ1、スコープ2 に加え、自社のサプライチェーンからの排出であるスコープ3を含む)※スコープ3の目標は環境省のガイドラインに従って設定。募集型・受注型企画旅行商品に関する排出を対象としており、手配型旅行商品に係る排出は含まないものの、削減対策は共通して推進する。
※2019年度実績は、JTBグループ最新数値に修正した数値 -
スコープ / カテゴリ 2023年度実績 排出量(t-CO2) 2019年度比 スコープ1-3合計値 2,388,108 52.4% スコープ1, 2 18,569 50.1% スコープ3 購入した製品/サービス
2,369,539 52.4% 資本財
燃料・エネルギー関連の活動
上流の輸送・流通
事業において発生した廃棄物
出張
従業員の通勤/在宅勤務
上流リース資産
下流の輸送・流通
販売した製品の加工
販売した製品の使用
販売した製品の使用後処理
下流のリース資産
フランチャイズ
投資
- スコープ1・2の取り組み
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スコープ1・2におけるCO2排出の大部分を占めるエネルギーの削減と質の転換を図ります。
取り組み事例1:エネルギー利用量の削減
2030年度に向けオフィスのLED照明切り替えや空調省エネシート導入による電気使用量10%削減を目指します。オフィス・ITの省エネ
オフィスの温度設定や、クールビズ・ウォームビズを推進しています。またモバイルPCは待機時間の設定をしています。経済産業省資源エネルギー庁により、2022年度実績における省エネ法定期報告書に基づく省エネ優良事業者(Sクラス)として認定されました。
※社内啓発活動の一例取り組み事例2:エネルギーの質の転換
2030年度に向け、JTBグループのオフィスや個所で調達しているエネルギーの化石燃料から再生可能エネルギーなどへの切り替え100%を目指します。 - スコープ3の取り組み
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スコープ3におけるCO2削減を実現するために、お客様に対する新たなサービスを拡大させています。
各取り組みの目標と実績
指標 2023年度 実績 2024年度 目標 2028年度 目標 使用フォークリフトのバッテリーフォークリフト使用率 100% 100% 100% 取り組み事例1:〈 CO2削減貢献サービスの拡大 〉CO2ゼロシリーズ
CO2をオフセットする、CO2ゼロ旅行®、CO2ゼロMICE®を拡大させています。取り組み事例2:〈 CO2削減貢献サービスの拡大 〉CO2可視化
ビジネストラベルの分野でもCO2排出量の可視化のサービスを拡大させています。取り組み事例3:〈 物流における取り組み 〉バッテリーフォークリフトの活用
出版の流通マネジメント会社であるPULSでは、クリーンエネルギーを増やす取り組みとして使用フォークリフトにおける「バッテリーフォークリフト」使用率100%を維持しています。
2023年度CO2排出量
生物多様性の保全への対応
JTBグループの「サステナビリティ方針 (3)地球上の自然資源と生物多様性の保全」に基づき、地球上の資源に配慮して、気候変動対策・環境保護・生物多様性保全に取り組み、限りある自然資源を次世代に引き継いでまいります。生物多様性保全にむけ、動植物の違法な取引禁止や動物福祉の考え方も踏まえ、国際的、または事業活動を行う地域で保護されている動植物に影響のある事業に関わりません。
JTBグループは、気候変動対策にとどまらず、交流による地球環境への影響やリスクを把握し、企業活動を通じて生物多様性の回復に取り組むネイチャーポジティブ経営を目指します。
- 生物への影響
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外来種増加による現地固有種の個体数減少
ホテルや空港などの建設による生物の生息域の減少
乱獲や食料減少による個体数の減少 など - 住処(環境)への影響
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ガソリン・GHGによる大気汚染・温暖化
廃棄物の不法投棄による陸地の荒廃
紙の原料となる木材使用による森林減少
マイクロプラスチックや未処理下水等の流出による海洋汚染
海洋輸送時の船に付着した外来種による生態系破壊 など - TNFD アダプター
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「交流の拡大」と「環境負荷削減」、「事業成長」と「サステナビリティへの貢献」を同時に実現させていくため、企業活動における生物多様性の保全と回復について、科学的根拠に基づく調査と目標設定をする必要があります。JTBはTNFDのフレームワークに従った評価を実施し、2025年中に情報開示を行います。
- ・野生動植物の保護
採取や持ち出し等が禁止されている動植物に関する国際ルール、および旅行先の現地法令を遵守します。 - ・外来種侵入の予防
自然公園等の立ち入りや、検疫に関するルールを遵守します。 - ・動物福祉
動物を使った体験が含まれるツアーを実施する際は、現地の法令に基づき実施します。
- ・野生動植物の保護
資源・廃棄物・水への対応
JTBグループの「サステナビリティ方針(3)地球上の自然資源と生物多様性の保全」に基づき、私たちは地球上の資源に配慮して、気候変動対策・環境保護・生物多様性保全に取り組み、限りある自然資源を次世代に引き継いでまいります。事業の運営にあたっては、気候変動を緩和するためのあらゆる策を講じ、紙資源やプラスチックなどの使い捨て消費財の利用削減を図るとともに、サステナブルな製品やサービスの調達を推進してまいります。
また、リサイクルやプロセスの見直しなどを通して、廃棄物や排水・排ガスの排出を削減するとともに、有害物質の除去に努めます。排出物は、事業活動を行う国や地域の基準に沿って適切に処理します。資源、電気、廃棄物、紙の利用を減らし、紙のリユース・リサイクルの社内啓発を行っています。
- 廃棄物削減の取り組み
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各取り組みの目標と実績
指標 2023年度 実績 2024年度 目標 2028年度 目標 アメニティリサイクル施設の増加 3施設 20施設 50施設 指標 2023年度 実績 2024年度 目標 2028年度 目標 電子チケット流通プラットフォームの拡大による紙チケットの削減 9,544,470枚 14,730,000枚 25,830,000枚 決済事業新システムへの移行による紙伝票(ロール紙)の削減 27,878本 47,554本 51,473本 取り組み事例1:宿泊施設アメニティ 3R
旅行者の環境配慮への関心は高く、宿泊施設の取り組みも重視されていますが、宿泊施設の歯ブラシやヘアブラシ等のアメニティグッズのリサイクルに関しては、1企業のみではなく、業界全体としてリサイクルへの取り組みに向けて協会を設立した経緯があります。そこで、アメニティ全般を取り扱うJTB商事は、2022年に宿泊施設業界や製品の販売や製造に関わる企業と協力して社会全体で仕組みをつくる「一般社団法人アメニティ・リサイ
クル協会」と共に、リサイクルの推進を行っています。2023年、同協会は東京都との「ホテルアメニティの3R※推進に関する連携協定」の締結を機に、使用済みのアメニティを回収・再利用して同じ種類の製品を製造する「水平リサイクル(マテリアルリサイクル)」を目指す取り組みを開始。マテリアルリサイクル推進のため、原料の統一化を図り、できる限り価格を抑えること、法律を遵守した資源回収方法の確立、安心安全な循環型アメニティの製品化、宿泊施設の手間を減らした回収手順を整備し、2023年10月から宿泊施設への本格的な提供を開始しました。
JTB商事も、本取り組みから作るオリジナル商品「WAVEシリーズ」の販売等を通じて、アメニティの廃棄物ゼロミッションに貢献します。
※ 3R:リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再生)取り組み事例2:デジタル化による事業パートナーの紙削減の支援
デジタルプラットフォームサービス:QRコードを活用したグッドフェローズJTBの電子チケット流通プラットフォームTicketHUB®や、旅ナカコンテンツの予約在庫の一元管理を実現するJTB BÓKUN 等の電子化サービスにより紙資源の削減を進めています。
決済:JTBビジネスイノベーターズは、決済端末の切り替えによる紙伝票の削減や、申込書の電子化による紙資源利用廃止に取り組んでいます。取り組み事例3:社内啓発活動
資源、電気、廃棄物、紙の利用を減らし、紙のリユース・リサイクルを啓発するリーフレットをPDFで配布しています。 - 水資源への対応
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JTBグループは水資源の問題に地域ごとに取り組んでいます。
取り組み事例:フィリピンでの給水事業の支援
交流は豊かな地球環境によって育まれた、地域の魅力や資源によって成り立っています。そのためJTBは地域支援のために、フィリピン南部ミンダナオ島のタグム市において、コンテナ型純水製造給水事業を支援し、安全な飲料水を地域の皆さまにお届けしています。2023年1月~12月で34,296リットルの水を提供しました。
- ガバナンス・推進体制
- 重要課題(マテリアリティ)
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・心豊かなくらし
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・人々をとりまく環境
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・パートナーシップ
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