

第1回 クリエイティブ賞
最優秀作品


作品名
トラディミッション
〜地球の伝統を守る〜
受賞者名
トラディミッション
○トラディミッションとは?
世界中の人々が、各国の伝統遊び(スポーツ)を共に行うワールドスポーツイベント。
世界中から参加者を募ることで、地球規模で“伝統”を守っていくことを一番の目的としている。
○イベント概要
・毎年決まった時期に開催。日程は5日間程。
・開催地は世界各地。年毎に変わる。
・参加者はツアー形式で自国から参加。
・数十カ国の伝統スポーツ大会が行われ、参加種目はランダムで割り振られる。(練習時間あり)
例)羽子板(日本)、カバディ(インド)、クッブ(スウェーデン)、イストップ(トルコ)、バタタケンチ(ブラジル)
・参加資格は特になし。年齢等を加味して試合を組む。
○誰・何のために
一番の目的は地球規模で“伝統”を守ること。各地の特徴が詰まった伝統スポーツを体験することで、参加者にとって自国他国問わず文化への尊重が高まることを期待している。
また、参加者にも利点がある。絆が深まりやすいスポーツを通じて、老若男女国籍を問わないさまざまな人と楽しく交流することができる。さらに、伝統スポーツであれば、比較的誰でも挑戦しやすいため、フラットに試合ができる。
○きっかけ
羽子板といった伝承遊びに必要な道具は幼少期、駄菓子屋などで目にする機会があり手に入りやすく、また身近なものとして存在していた。しかし近頃では目にする機会や接触機会は減少している。
さらに知人との会話にて伝承遊びについて話題が上がった際には、伝承遊びを知らないという意見が年代が下がるにつれて多く、伝承遊びの認識の薄れというものを大いに感じた。また私自身がニュージーランドへ留学に行った際、ホストファミリーに日本の伝統や遊びについて質問されても答えられなかったという経験から、自国の文化について答えることができなかったことにとても恥ずかしさを覚えたことがきっかけである。
○背景
伝承遊びは遊びの中で子供と大人が関わり相談し合うことによって知恵を絞り出す、といった過程を含めて「遊び」としてより楽しめるものである。
しかし現代社会において⼦供を取り巻く社会環境の変化は、直接体験し楽しさを感じる機会や遊び場の減少、さらに家族の基本的機能の低下、地域コミュニティの希薄化がもたらす⼈間関係の複雑さといった課題があげられる。今後国を越えた⼈々の交流が期待されている中で伝承遊びを経験することは、現代社会におけるこのような課題を克服する⼀つの⼿⽴てであると考える。
私たちが提案する「トラディミッション」には、スポーツと各国の伝統ある遊びを組み合わせることで、世界の伝統を世界で守ることができるというだけではなく、その楽しさを交流の中で共有し合うことができるという“互いを認め合う人間関係”の構築が期待できる。
さらに伝統遊びを通じて、参加者は様々な年代や出身の相手と関わることができ、異文化を知れるだけではなく、“異文化を持つ人と深くつながる時間”を過ごすことができ相互理解にもつながる。

審査員講評
現代のグローバル社会においては、多様な文化価値が再確認されています。スポーツを通じて「伝統を守る」にとどまらず、「地球の多様性を守る」への視点をプラスするとより魅力的なアイデアになりそうです。
トラディショナルに限らず、ローカルスポーツなどまだ知らない新たなスポーツを知ることができる機会として非常に魅力的です。競技の将来性も高く、いずれエキスパートが誕生し観客が熱狂する姿が想像できます。
受賞者コメント
この度は「クリエイティブ賞 最優秀作品」を頂戴し、大変光栄に感じております。現代社会における希薄化を問題視し、未来の私たちに何ができるのか、出会う機会のない人々が共に世界を1つにする行動を起こせないか考えることにワクワクすると同時に、交流は多くの可能性を秘めていると感じました。考えたという過程にとどめることなく実行に移し、出会いを創造するため貢献してまいりたいと思います。ありがとうございました。