私たちJTBは、「デジタル」の側面からも事業パートナーの皆様のご要望や課題解決に応えます。人手不足で悩む宿泊事業者の声を受けて開発した独自のDXソリューションでは、業務の効率化や生産性、おもてなし品質の向上をサポート。地域のさまざまな企業や自治体との連携も視野に、地域社会全体の交流創造を推進しています。
宿泊事業者の「人手不足」に寄り添うDX
導入するさまざまなデジタルシステムをつなぐ宿泊業界を悩ませる「人手不足」。デジタルの活用による業務効率化は喫緊で求められる対策です。しかし、宿泊事業者の多くが導入しているPMS（宿泊予約や販売価格などを管理するシステム）と、セルフチェックインシステムや自動精算機といった個別の便利なデジタルシステムを連携するには多大なコストが必要。両者を連携できないことにより、データの有効活用ができないことも課題となっていました。
宿泊業界"初"のソリューションで、データの有効活用を可能にそうした宿泊現場の課題を基に、私たちは宿泊事業者向けのデジタル化支援システムを独自に開発。システム同士を相互に連携させる技術仕様を共通化することで、連携に必要だったコスト負担を低減し、宿泊事業者がデジタルシステムを活用しやすくしました。例えばルームオーダーでは、毎日手書きの伝票を起こしてPMSに手作業で入力していたのが、PMSとオーダーシステムをつなぐことにより、作業のペーパーレス化と自動入力を同時に実現し生産性を向上。さらに、さまざまなシステムの連携によって、より高度なデータ活用・分析も可能にします。このようなデジタル化支援システムの提供は、宿泊業界では"初めて"です。
言語の壁を越えて「おもてなし」品質を高めるDX
国内外の宿泊客が手軽にさまざまな情報にアクセスデジタルで高度な「おもてなし」を実現するのが、事業パートナーと共同開発した宿泊施設向けコミュニケーションツールです。宿泊客自身のスマートフォンで二次元バーコードを読み込むと、施設案内やルームサービス、クーポン、周辺の観光案内といったさまざまな情報にアクセスすることができます。109言語対応のため、施設側から海外宿泊客に母国語で情報を提供したり、自動翻訳されるチャットでやり取りしたりできるのも特徴です。
宿泊客の体験価値を高める"共創"ソリューションこのツールは、宿泊事業者の業務効率化とペーパーレスにも寄与します。チェックイン／アウト時の案内業務の負荷を軽減できるほか、内線電話などで行っていた問い合わせ対応の減少にも効果を発揮します。また、宿泊客がどの館内案内をどの言語で見ているか確認できるダッシュボード機能があるため、「どの国の人がどんなサービスに困っているのか」といったデータを取得でき、それを受けて改善したサービスを提供することも可能です。いずれも"言語の壁"がないため、通訳や翻訳機を使う必要もありません。事業パートナーとの共創で生まれたソリューションが、宿泊事業者の「おもてなし」品質向上に貢献しています。
2つのDXソリューションで生まれる相乗効果
一定時間に負荷が集中するチェックアウト業務を効率化2つのDXソリューションの組み合わせは、大きな相乗効果を生み出します。代表例が宿泊のチェックアウト業務です。チェックアウトは一定時間に集中するため、スタッフの業務に偏りが生じがち。ルームオーダーのような未精算の請求料金を確定させるには、伝票の確認とPMSへの入力もチェックアウト時間前に済ませておく必要があるなど、業務の負荷も大きくなっています。そこで、双方を連携させ、チェックアウト業務の効率化を図りました。
宿泊客の利便性が向上、スタッフのモチベーションアップにもその結果、宿泊客はリアルタイムで未精算額を確認できるように。オンライン決済も可能になったため、部屋を出ずに精算を終了できます。決済が完了すれば、精算済みの情報は自動的にPMSへ登録されるので、スタッフの入力業務も軽減。あるケースでは、チェックアウト業務にかかっていた時間は従来と比べて「84％」削減されました。宿泊客はチェックアウトで待つことがなくなり利便性が向上。宿泊施設のスタッフはルーティンワークから解放されることでモチベーションアップにつながり、宿泊客への「おもてなし」により磨きをかけられることも期待できます。
DXで生まれる新たな「つながり」
「旅マエ・旅ナカ・旅アト」の顧客体験を変革DXソリューションがつながるからこそ、「旅マエ・旅ナカ・旅アト」のすべてで真価を発揮します。「旅マエ」では、宿泊予約の完了後に利用案内をメール送信。お客様は、宿泊前から旅館・ホテル内の情報にアクセスしたり、不明点をチャットボットで問い合わせたりすることができます（※1）。これは施設スタッフの問い合わせ対応の負担軽減になるほか、チェックインに必要な情報を事前入力してもらえば、チェックイン時間の短縮にもつながります。
旅行者×企業×地域の交流創造にDXで伴走「旅ナカ」では、チェックインからチェックアウトまでフロントに並ぶことなく、部屋でくつろいだまま完結でき、シームレスかつストレスのない宿泊体験を提供します。そして、従来は接点がなくなってしまいやすかった「旅アト」では、旅行者のスマートフォンで周辺の観光チケットなどを購入（※2）できるようにすることで、地域とのつながりも創出。旅の体験に基づいたコンテンツや各種情報の配信、コミュニティイベントの開催などによって、持続的な交流の創造につなげることが可能です。宿泊事業者など企業の生産性向上のみならず、地域全体の価値創造に貢献するDXパートナーとして、私たちはサポートを続けてまいります。
（※1）2023年4月現在、開発検討中
（※2）2023年度より沖縄地区から順次開始予定
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