JTBグループ 2026年3月期 第2四半期(中間期)連結決算概要
株式会社JTB
株式会社JTB(代表取締役 社長執行役員 山北 栄二郎)は、2026年3月期第2四半期の連結決算を取りまとめました。
1. 全体概況
当年度は、新中期経営計画「「新」交流創造ビジョン」のフェーズ3「成長・飛躍」の初年度として、「未来から現在(いま)を創る~ビジネスモデル変革の加速~」をテーマに掲げ、ビジネスモデルの抜本的変革と経営基盤強化、事業の持続的拡大を推進しました。
上期のツーリズム産業は力強い回復基調にあり、観光庁の公表によると、4月から8月までの総取扱額は対前年103.6%と伸長しました。特に国内市場では大阪・関西万博の開催による需要喚起が進み、訪日外国人客数は1月から9月で過去最速の3,000万人超えとなり、インバウンド需要が市場を力強く牽引しています。このような市況下、JTBグループでは旅行全般で前年を越え、特に訪日旅行、グローバル旅行が大きく牽引しました。
旅行以外ではMeetings&Events、ビジネストラベルも計画を大きく上回る伸びを示しました。中長期的な成長の実現に向けては、グローバル事業展開とビジネスモデル変革の加速を目指し、ツーリズム業界におけるB2Bメディア最大手企業であるNorthstar Travel Group社の株式譲受に関する投資判断を行いました。
また、将来の競争力強化に向けて、人財への戦略的投資(賃金改善、要員増強)や基幹システム刷新といった取り組みを積極的に推進しました。その結果、計画・前年比をともに上回り、グループ連結で増収増益を達成しました。
➤グローバル領域では、欧州を中心としたGlobal DMC事業が伸長し、前年を大きく上回る成果を残しました。
➤大阪・関西万博におけるグループ横断での「万博営業推進プロジェクト」の推進により、各領域における業務の完遂と事業利益の最大化を実現しました。
➤中長期の成長に向け「Northstar Travel Group社」株式譲受に関する投資判断を行いました。

2.事業別ハイライト
【ツーリズム事業】
* 法人領域: 「教育」「企業」マーケットでの課題解決型提案が奏功し、前年実績を大きく上回る水準を達成しました。2026年3月開催のWorld Baseball Classic公式ホスピタリティ&トラベルプログラムの企画・運営・販売権利を獲得し、スポーツ・エンタテイメントビジネスの強化を推進しました。
* 個人領域:お客様の声を起点に、チャネル横断での顧客対応環境整備やアプリ・デジタル機能拡充で顧客体験(CX)の向上を図るとともに、プレミアム会員特典強化で顧客関係(CRM)を深めました。F1層・Z世代の開拓を目指した海外旅行専門店のオープンや、「大阪・関西万博」「JUNGLIA OKINAWA」など話題性のあるトピックスを活用した体験価値の高い商品を展開しました。
* 訪日インバウンド領域:訪日インバウンド推進体制を構築し、地域や顧客特性に応じたビジネス機会創出への取り組みを強化しました。
【エリアソリューション事業】
*観光DX領域: アクティビティ商品の在庫・予約の一元管理が可能なJTB BÓKUNにおいて、活況なインバンド需要を的確に捉えて単月流通額が最高記録を更新し、利用が拡大しました。また、オーバーツーリズム解消に向けた手ぶら観光の実現や、新たに開発したAIレコメンドを活用し、大阪地域を対象とした周遊促進に向けたデジタルプロモーションの準備など、社会課題解決と地域DXソリューションを推進しました。
*観光地整備・運営支援領域: ふるさと納税のポイント制度変更に伴う利用者の関心の高まりを的確に捉え、当初計画を大幅に上回る成果を達成しました。出版では大阪・関西万博公式ガイドブックの販売が好調に推移、また、アリババジャパンとの協業による多言語地域情報ポータルサイト「RURUBU&All WAY JAPAN」を展開し、海外からの誘客や地域経済の活性化に取り組みました。商事ではインバウンドを含む宿泊市場拡大に伴い、消耗品販売が好調に推移しました。
*エリア開発領域: 訪日外国人旅行者向けに新たなナイトタイムエンターテイメント「OSAKA VARIETY ACT SHOW」を道頓堀中座で開始し、エリアの滞在時間・消費額向上に貢献しました。
【ビジネスソリューション事業】
* ABM戦略による事業拡大: 企業活動の本格的な回復・成長を受け、ABM戦略(※1)を軸としたMeetings & Events、プロモーション、企業系BPOの各領域で前年を上回る実績を達成しました。「未来創造部会(※2)」による新規事業開発活動を継続し、取扱領域の拡大に貢献しました。
*Meetings&Events領域:コロナ禍以降最大の市場回復率の中、「お客様の声」を起点とした戦略的PDCAサイクルを実装し受注率を高めました。またJTBネットワークと技術を融合したマーケティングで競争力を高め、料金適正化により収益性も改善しました。
*ビジネストラベル領域:ビジネストラベル事業は前期実績を上回り、新システム「ビズバンス出張予約」への移行を順調に進めました。これにより、顧客基盤を拡大するとともに、業務効率化とオンライン予約促進で生産性を向上、高品質サービス提供を強化しました。
【グローバル領域】
* グローバルDMC(※3)事業の多角的成長: 欧州ではアジア発の需要を取り込み、高収益を維持しDMC事業を拡大しました。シートインコーチ事業(コース組み合わせ自由のバスツアー)もEuropamundo社がツアー数拡大と低価格帯商品提供を開始し、売上・売上総利益が前年を上回るなど、好調に推移しました。
* グローバルビジネスソリューション事業の基盤強化: MICE領域ではで前年並みの成果を維持しつつ、アジアパシフィック地域での複数の新規案件を受注。ビジネストラベルではSpotnana社・Goodwings社との連携や次世代出張管理プラットフォーム「Teal」により、顧客満足度向上を実現しました。
(※1)Account Based Marketingの略で、企業を対象とし戦略的にアプローチをしていく、BtoBマーケティングの手法
(※2)ビジネスソリューション領域において、今後企業課題となるテーマを選定し、未来から逆算した思考で事業創造を行う社内活動。
(※3)Destination Management Companyの略称。地方や地域の観光資源を活かした旅行プランの企画・運営を行う会社。
3.2026年3月期(2025年度)の通期見通し
下期においては、当年度計画の営業利益120億円達成を目指すとともに、中長期の成長を可能とするビジネスモデル変革の加速を図ります。具体的には、海外旅行の取扱拡大に向けた顧客・商品・販売戦略の連動推進に加え、持続的成長を目指した事業ポートフォリオ変革の策定・実行を進めます。
また、DX、DEIB(多様性、公平性、包括性、帰属性)、サステナビリティ戦略を柱とした事業基盤の構築を加速させます。同時に、経費の適正化を含む経営効率の改善にも注力し、収益性の向上と強固な財務体質の確立を目指します。これらの取り組みを通じてお客様への新たな価値提供と社会貢献を果たしてまいります。
■2026年3月期第2四半期の決算概要の詳細については、以下URLよりご参照ください。
URL:決算情報|企業情報|JTBグループサイト (jtbcorp.jp)

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