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JTBグループ 2024年3月期 連結決算概要

 株式会社JTB(代表取締役 社長執行役員 山北栄二郎)は、20243月期の連結決算を取りまとめました。

 

1JTBグループ20243月期 連結決算について

1)全体概要

 国内旅行は、人流の回復を捉えたことに加え、全国旅行支援施策の延長により売上が大幅に増加、海外旅行は円安やインフレ、不安定な国際情勢などの影響により十分な回復には至っていないものの、価格競争力、プロモーションの強化により、前年を大きく超える取り扱いとなりました。訪日旅行は仕入体制の強化により、計画を上回る成果をあげました。第3国間のグローバル旅行では、アジア市場からヨーロッパへの旅行が好調で、SIC(※1)が販売の拡大に寄与しました。旅行以外の領域では、新型コロナウイルス対策関連の受注は減少したものの、蓄積したノウハウや営業接点を生かした自治体の経済対策、観光支援事業の事務局業務などのBPOの取り扱いを拡大しました。M&E(※2)では復調したリアル開催イベント需要を捉えるとともに、ふるさと納税では、制度改正前の需要ならびに年末需要を最大限取り込み、寄付額を伸ばしました。加えて241月のMLB™と国際パートナーシップ契約を締結し、トラベル&ホスピタリティ事業において日本及びアジア地区における独占的な企画造成・販売権を獲得し、開幕戦となった3月のソウルシリーズでは、大きな反響を得ました。

 コーポレート部門の人材面では、社内制度の拡充や高度専門職人材の獲得などによる人材基盤の整備に取り組み、DEIBの考え方について浸透を図りました。またグループにおけるDX/BPRの推進や生成AIの導入を進め、ブランド・マーケティング面ではリブランディングの浸透・マーケティング体制の構築・サステナビリティ経営の実装に向け、基盤を構築しました。 財務面では、有利子負債256億円の返済、優先株式319億円の全額早期償還を実施しました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高 1810 億円(前期比1,030億円の増収)、営業利益は249 億円(前期比87億円の減益)、経常利益は289億円(前期比108 億円の減益)、当期純利益は183 億円(前期比117 億円の減益)となりました。売上高が1兆円を超えるのは4期(2019年度)ぶりとなります。

  

 ■当社グループの概況

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■部門別概況(金額はすべて売上高)※グローバル旅行:日本発着以外の旅行 ※旅行以外:MICE、地域交流・BPO、商事、出版事業など

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■会社数、従業員数

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2)事業別概況

①ツーリズム事業

 国内旅行では、「日本の旬(※3)」(上期:北海道、下期:アドベンチャーツーリズム)や「CO2ゼロ旅行🄬」シリーズを加重販売し、多彩な商品展開により、お客様の体験価値を高め、新たなニーズの発掘を図りました。海外旅行では、重要方面のハワイにおいて28回目のホノルルフェスティバルと5年ぶりにレインボー駅伝を復活開催させました。お客様体験価値(CX)向上に向け、OMO(※4)の推進に加え、JTBアプリの機能強化を図り、累計ダウンロードが200万件を超えました。訪日旅行においては、提携海外OTAの販売ネットワークと当社の仕入体制強化により、計画を上回る成果を上げました。特に伸長が期待されるアジア圏からの訪日インバウンドにおいてTrip.com Groupと合弁会社「㈱JTB Inbound Trip」を設立し、体制の強化を図りました。一般団体では周年旅行や報奨旅行など企業団体需要の回復を捉えるとともに、地元企業との共創を通じた価値提供を行いました。少子化課題に直面する教育旅行では、修学旅行需要の積み上げに加え、J'sGROW(※5)など教育ソリューション領域拡大にも取り組みました。地域課題に正対するため観光交流拠点「Tourist Base Kawaguchiko」を開業するなど観光地経営に資する取り組みを進めました。スポーツ領域では、ラグビーワールドカップ2023フランス大会のホスピタリティプログラム販売に加えて、MLB™と国際パートナーシップ契約をトラベル&ホスピタリティ事業において締結、前述の通り、20243月に開催されたMLBワールドツアー開幕戦ソウルシリーズにおいては、非常に大きな反響とJTBならではの価値提供を実現しました。

 

②エリアソリューション事業

 観光DXにおいては、(株)グッドフェローズJTBが提供するチケット流通プラットフォームにおける販売流通額がマーケットの回復を受け、過去最高を更新しました。また、アクティビティ商品の在庫・予約一元管理が可能なJTB BÓKUNの販売流通額も訪日外国人向けの体験事業者の利用が増え、計画を超える結果となりました。観光事業者向けソリューション分野においては、「Tourism Platform Gateway™(TPG)」(※6)の実装案件の導入数が過去最高となりました。また、人手不足が課題である宿泊事業者からのニーズの高まりもあり、DX・生産性向上に向けたソリューションとして「Kotozna In-room(※7)や、「JTBデータコネクトHUB(※8)の導入施設数・客室数が大幅に増加しました。ふるさと納税では有力な自治体への新規獲得営業の推進により、寄付額が前期より大幅に増加しました。出版では「るるぶ情報版」の50周年を迎え、海外版の新刊発行や人気テレビ番組、アニメとのコラボレーションを通じて新たな読者層を獲得、商事では宿泊施設における客室稼働の良化に伴う需要の増加と商品供給体制の整備により消耗品販売が好調に推移しました。エリア開発においては、前期末に出資・参画を決定した地域創生ソリューション株式会社や多様な協業パートナーとの関係性の構築を通じて、開発候補案件の拡充に注力しました。

 

③ビジネスソリューション事業

 重要ソリューションであるMeetingsEvents、旅行、ビジネストラベルにおいて前期を大きく超える実績を残し、コロナ禍以降、事業の中核となっていた行政系BPO事業に依存しない事業ポートフォリオの回復・構築を達成しました。中でもMeetingsEventsでは、顧客エンゲージメント醸成に効果的なCvent(※9)機能の拡充や、ROI(投資収益率)を可視化するツールの導入など、デジタルソリューションを活用したコンサルティング営業スタイルを加速させ、バリューチェーンにおける取り扱い領域の拡大を推進しました。ビジネストラベルにおいては、人流の影響を受けにくい経費清算など、新たな収益モデルの販売やオペレーションの強化により、事業ポートフォリオの多様化に取り組みました。

 

④グローバル領域

 グループトラベルにおいては、欧州でのコンテンツ強化などによりSITMICEなど収益率の高いツアーを獲得、堅調に伸長している台湾・韓国市場の欧州行き需要を確実に捉えました。またDPS(※10)SIC・訪日インバウンドを成長3事業として強化を図り売上拡大につなげました。SICでは好調な中南米市場を含むグローバル市場全体の伸びによりEuropamundo社が過去最高の実績を達成。DPSでは、JTBホームページでの販売拡大を目的としたWebコンテンツの改善と露出強化を図り、欧州発着の日本マーケット向けの「ランドクルーズ」は2019年を上回る販売となりました。訪日インバウンドでは、G7などの大型イベントを獲得し販売拡大に取り組みました。Meetings & Eventsでは、欧州とアジアパシフィック地域を中心にグローバルMICE需要が回復し、リアルイベントや訪日インセンティブの需要を獲得し、2019年を上回る実績を達成しました。さらに、北米市場では新規顧客の獲得による展示会ビジネスの拡大やSMM(※11)ビジネスの拡大に向けたデジタルマーケティングに取り組みました。ビジネストラベルではCO2排出量の削減に向け、外部パートナーとの連携強化を図りました。

 

※1:Seat In Coachの略称。コース組み合わせ自由型のバスツアー。「ランドクルーズ」はSICの中のJTBにおける商品名で当社の登録商標。

※2:Meetings&Events

※3:「日本の魅力の再発見」をテーマに、1998年よりJTBグループで実施している国内観光地活性化を目的としたキャンペーンで、半期ごと 

に対象方面を選定している、当社の登録商標。

※4:Online Merges with Offlineの略。 顧客体験の最大化を目指しオンライン(Web)とオフライン(店舗やコールセンターなど)の垣根を超えて購買意欲を創り出そうとするマーケティングの考え方。

※5:学校行事や探究における様々な教育活動が、生徒のコンピテンシー変容にどのような影響をもたらしたかを可視化する「教育活動効果測定システム」。

※6:自治体、DMO、都市開発に関わる民間企業や交通事業者などが、地域を訪れる世界からの旅行者や地域住民に対して、地域の魅力あるアク

ティビティ、拝観・入場、共通周遊券や企画乗車券などを一元的に検索・予約・決済・認証ができ、得られたデータをマーケティングに利活用できるソフトウェア提供型サービス。

※7:宿泊事業者向けの情報発信&コミュニケーションツール。

※8:宿泊事業者向けのデジタル化支援システム。スマートチェックイン・アウトやレベニューマネジメント、POSシステム、自動精算機などの複数の

マイクロサービスと宿泊施設の管理システムをつなぐためのシステム。

※9:ミーティング・イベントの計画、プロモーション、実施に至るまでの各種機能を同一プラットフォーム上で実行管理できるイベントマネジメントシステム。

※10:Destination Products & Servicesの略称。着地型商品とも呼ばれ、旅行者を受け入れる地域で作られる旅行商品。旅行先で参加するオプショナルツアーのようなもの。

※11:Strategic Meetings Managementの略称。ビジネスイベントが目標達成に最大限効果を発揮するために、実施におけるプロセスやデータの可視化、収集、分析をもとにお客様独自の最適なイベント管理プログラムを構築する考え方。

  

220253月期(2024年度)の通期見通し

 2024年度通期見通しは営業利益、最終利益ともに黒字を見込んでいます。
現中期経営計画フェーズ3「成長・飛躍」(20252028年度)を見据え、「未来から現在(いま)を創る」をテーマとし、経営の根幹となる長期ビジョンを策定し、バックキャストでの経営を推進してまいります。各事業においては既存ビジネスにとどまらないビジネスモデルの変革による収益性の向上・事業領域の拡大を図ります。また、海外旅行回復に向けた取り組み、企業エンゲージメント向上、地域との共生を推進し、2024年度は売上高において11,620億円の達成と、営業利益116億円の最終利益の黒字化をめざします。

 

■2024年3月期の決算概要の詳細については、以下URLよりご参照ください。

URL:決算情報|企業情報|JTBグループサイト (jtbcorp.jp)

■報道関係の方からのお問合せ先
JTB広報室 TEL:03-5796-5833

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