西陣織柄のリ・デザインNFT商品を2月20日より販売開始
~「Bank of Craft」からの新たな提案~
株式会社J&J事業創造
株式会社JTBと株式会社ジェーシービーの合弁会社である株式会社J&J事業創造(東京都港区、代表取締役社長:森 保幸、以下J&J事業創造)は、「伝統の技」×「現代の技・アイデア」で未来の伝統工芸の形を創造するプロジェクト「Bank of Craft」の一環として、京都・西陣織柄のリ・デザインを活用したNFT※1商品を、本日2月20日から「JINNAN HOUSE STORE」で販売を開始しました。本NFT商品はリ・デザインのデジタルデータのほかに、京都・西陣織の工芸事業者がそのリ・デザイン柄で購入後にテーブルランナー※2を織ってくれる権利がセットになったもので、テーブルランナーは後日購入者に届けられます。販売数は限定4個です(NFTマーケットプレイス「OpenSea」にも掲載)。
今回の取り組みは昨年12月にスタートした、現代のクリエイターが伝統工芸の文脈や歴史からインスピレーションを受け、それぞれの解釈で考案したデザイン柄=リ・デザインを活用した4つのコラボレーションのひとつです。本コラボレーションはデジタルコラボレーションと称し、西陣織の織元である京都西陣おおば、株式会社安田、今河織物株式会社の3社の後継者が西陣の新たな文化を発信するために立ち上げたグループ「N180(ニシジンワンエイティ―)」と、クリエイターのMasahiko Kajima氏がコラボ。Masahiko Kajima氏が考案した西陣織柄をリ・デザインした6種類のデジタルデータをNFTアートとして発売するとともに、今河織物の今河宗一郎氏がテーブルランナーを織りあげます。
※1:NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)はブロックチェーンを基盤にして作成された代替不可能なデジタルデータのこと。NFTマーケットプレイスと呼ばれるインターネット上のプラットフォームで売買が行われている。
※2:デジタルデータとは織物の特性上、色見などが異なります。
<リ・デザインのポイント(Masahiko Kajima氏)>
織物と対極にあるデジタル的な要素を織物にも表現できないかという着想から、西陣織の縦織や丸い糸の束を円と線で表現したタイポデザインを制作しました。当プロジェクト名である「Bank of Craft」と西陣織の職人チーム「N180」をマテリアルとし、ランダムにレイアウトした幾何学的なグラフィックとなっています。
Masahiko Kajima氏が西陣織柄から考案した6種類のリ・デザインデジタルデータ(左)と組み合わせデザイン例(右)
<テーブルランナーを織るポイント(今河織物の今河宗一郎氏)>
今回の話をいただいた際、デジタルデータと織物それぞれの特性を引き出すコラボレーションが果たして成り立つのか、正直不安でした。デジタルからアナログである西陣織に変換する試みには様々な制約が伴います。Kajima氏に織物の構造を説明させていただき、後日「そのままの再現ではなく、リ・デザインされたNFTアートと織物が生まれる」というテーマと共に提案いただいたことで、これは私にとって難しいだけでなく、同時にワクワクする挑戦になりました。織物の厚みは1mmにも満たないですが、その薄さの中で複数本の糸が複雑に重なり合い、色や柄が表現されます。デジタルと織物では表現できる細かさが異なるため、通常とは異なる工夫が必要でした。平面で表現されるデジタルに対し、織物では厚みや素材の変化を利用することによる表現も試みました。
テーブルランナーのイメージ(実際の商品とは異なる場合がございます)
織物を考案する過程(写真左はコンピュータで織物プログラム(紋紙)を制作、写真右は糸の色選び)
<商品概要>
販売場所:JINNAN HOUSE STORE
販売期間:2024年2月20日~
販売数:4個限定
テーブルランナーお届け時期:購入者に別途ご連絡いたします。
【協力】N180
【監修・製造】今河織物株式会社
【デザイン】Masahiko Kajima氏
リ・デザインは現代クリエイターが"伝統"を学ぶことから始まる
今回実施した4つのコラボレーションでは、現代クリエイターが伝統工芸柄を自身の解釈によってリ・デザインしていることが重要なポイントとなっています。リ・デザインは単に伝統工芸の柄を新たなデザインに作り変えることではありません。実際に伝統工芸事業者や職人の方の話を聞いたり、仕事を見学したり、伝統工芸が作られている地域を知るなどして交流し、伝統を受け継いできた人の誇りや想い、伝統に裏打ちされた高度かつ確かな技術、伝統があるゆえの美意識など脈々と受け継がれてきた "伝統"を多方面から理解します。そしてそこからインスピレーションを得ることで、伝統を活かしながら、若い方々や海外の方々にも広く支持される新しい伝統工芸のデザインや商品を、伝統工芸事業者とともに生み出します。
「N180」の皆さんから西陣織を学ぶMasahiko Kajima氏(左の写真は右側、右の写真は左端)
その他の3つのコラボレーション
(1)企業コラボレーション:福岡「博多織」×株式会社伊藤園×Masatoo Hirano氏
1928年創業の博多織メーカー・株式会社鴛海織物工場と、緑茶飲料の世界No.1ブランド「お~いお茶」を生産販売する株式会社伊藤園、そしてクリエイターのMasatoo Hirano氏がコラボ。福岡空港の国際線旅客ターミナルビルに設置されている株式会社伊藤園の自動販売機1台に、Masatoo Hirano氏がリ・デザインした博多織柄をラッピングし、海外からの旅行者にも広くアピール。
(2)SDGsコラボレーション:群馬「桐生織」×廃棄ビニール傘から生まれたブランドPLASTICITY(株式会社モンドデザイン)×Emi Arihisa氏
1877年から桐生織の生産を開始した森秀織物株式会社と、廃棄ビニール傘を再利用するアップサイクルブランド「PLASTICITY」、そしてクリエイターのEmi Arihisa氏がコラボ。Emi Arihisa氏が桐生織から着想して制作したリ・デザインを活用し、廃棄されたビニール傘を再利用したマルチショルダーケースを販売。
(3)地域コラボレーション:静岡「駿河和染」×茶屋すずわ(静岡のお茶問屋)×Hal Shibata氏
静岡ならではの天然染料を使ったお茶染めに、製造工程で出る商品にならない茶葉を使い環境にも配慮した技法を考案したお茶染め Washizu.(鷲巣染物店の5代目)と、170年こだわりのお茶を作り続けてきた茶屋すずわ(静岡のお茶問屋)、そしてクリエイターのHal Shibata氏がコラボ。Hal Shibata氏が駿河湾や富士山から考案した新しい駿河和染のデザインで、お茶染め Washizu.が茶染・型染による茶巾袋を制作し、茶屋すずわがブレンドした煎茶、和紅茶、和烏龍茶を詰めたお茶パックを販売。
伝統工芸産業の収益性を高め伝統工芸の継承・発展を図る「Bank of Craft」
近年、若者の伝統工芸離れなどによる需要の減少や後継者不足など伝統工芸の継承・発展が社会的な課題となっています。伝統工芸品の生産額は1998年に約2,800億円でしたが、2020年には3分の1の約870億円、従事者数は11万5,000人から半数の5万4,000人まで減少しています(出典:一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会)。こうした中、J&J事業創造が株式会社ピハナコンサルティング(東京都港区、代表取締役:岡本幸樹)と2023年7月に立ち上げた「Bank of Craft」は、伝統工芸品を工芸品というモノの価値に留めず、現代のデジタルテクノロジーやクリエイターの感性などを融合して伝統工芸の価値を再構築し、伝統工芸産業への新たな収益機会の創出と伝統工芸の継承・発展を図るプロジェクトです。
「Bank of Craft」は、これまでにも企業・地方自治体との協業やイベントなど様々な活動を実施しており、そうした活動を通じて伝統工芸事業者への支援モデルの確立を目指しています。今回のコラボレーションも支援モデルの確立を目指す活動の一環として実施するもので、伝統工芸事業に携わる方の関わり方によって、商品開発に関するデザイン提供や監修・コーディネート費、または商品製造費が伝統工芸事業者に支払われます。
J&J事業創造について
株式会社JTBと株式会社ジェーシービー(JCB)が共同出資し設立した合弁の事業開発会社。両社の経営資源を生かした企画開発及び推進等、先鋭的な事業開発に取り組んでいる。
会社名 :株式会社J&J事業創造
所在地 :東京都港区西新橋1-6-21 NBF虎ノ門ビル7階
代表者 :森 保幸
サイト :J&Jグループサイト
事業内容:「訪日インバウンド領域」「会員サービス領域」「決済サービス領域」「人財サービス領域」「地域活性化領域」を主要ドメインに、グループ内外パートナーと連携した事業開発
株式会社J&J事業創造 開発本部 03-3500-1691
Mail: contact_jjbd@jjbd.jp(代表) 担当:荒川・山崎
平日:09:45~18:00 土日祝日休み