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JTBグループ 2023年3月期 連結決算概要

株式会社JTB(代表取締役 社長執行役員 山北栄二郎)は、20233月期 連結決算を取りまとめました。

 

1JTBグループ20233月期(2022年度) 連結決算について

1)全体概要

 当連結会計年度における当社を取り巻く市況は、上期においては新型コロナウイルス感染症第7波による影響を大きく受けることとなりましたが、下期には徐々に収束が見られ、国内人流が大幅に回復しました。また渡航制限の解除を受けた訪日旅行も、特に第4四半期(20231月~3月)には大きな伸びを示しました。海外旅行については復調の兆しは見られるものの、円安や燃料高騰の影響などから緩やかな回復に留まりました。

 当社グループにおいては、10月に開始された「全国旅行支援」に後押しされた国内旅行需要の回復、水際対策緩和による急速な訪日旅行(インバウンド)の回復、そして第3国間のグローバル旅行の復調を確実にとらえたことにより、旅行やイベントの取り扱いが大幅に増加しました。またそれらに付随する出版、商事など旅行以外の事業においても順調な回復を見せました。さらに当社の主要な顧客である、個人・企業・地域に対する商品・サービスを拡充し、未来につながる事業の強化を図り、収益の拡大に貢献しました。また、2020年度から構造改革を断行してきた結果、企業体力と財務基盤の大幅な改善が図られました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は9,779億77百万円(前期比3,95654百万円の増収)、営業利益は336億36百万円(前期比38516百万円の増益)、経常利益39736百万円(前期比35870百万円の増益)、当期純利益は29958百万円(前期比1497百万円の増益)となりました。

 

■当社グループの概況

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■部門別概況(金額はすべて売上高)

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※グローバル旅行:日本発着以外の旅行、旅行以外:MICE、地域交流・BPO、商事、出版事業など

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2)事業別概況

①ツーリズム事業

 ツーリズム事業では新たな価値創出と生産性向上の両立に向け、商品・サービスとその提供プロセスの見直し・磨き上げを行いました。

 個人のお客様に対してはOMO1を推進するとともに、アドベンチャーツーリズムや自然保護・脱炭素などのサステナビリティ推進商品など、多彩なコンテンツでお客様の体験価値を高めるサービスを強化しました。「日本の旬※2」(上期:四国、下期:東京横浜)や東海道新幹線貸切車両パッケージ、テーマパークとの共創といった企画性の高い旅行商品により地域活性化に貢献し、計画を上回る実績を残しました。法人においては、教育旅行の取り扱いがコロナ禍前を上回る堅調な回復を見せました。また団体旅行需要回復の兆しを捉え、4年ぶりとなるホノルルフェスティバルへの協賛や、「杜の賑い・沖縄」への送客などを通じた、交流人口の拡大に努めました。

 

②エリアソリューション事業

 エリアソリューション事業においては、「観光地デジタル化支援」「観光地整備・運営支援」「旅ナカコンテンツ提供」の3つの区分にて事業を推進しました。

 「観光地デジタル化支援」では、グッドフェローズJTBが提供するチケット流通プラットフォームにおける販売流通額の拡大や、アクティビティ商品の在庫・予約の一元管理が可能な「JTB BÓKUN」の導入事業者を拡大しました。また、宿泊施設でのDX・生産性向上に向けたソリューションとして「Kotozna In-room」や、「JTBデータコネクトHUB」の推進を図り、導入施設を拡大しました。「Tourism Platform Gateway(TPG) 3」では、共通券の作成による地域の周遊促進を図るとともに、インバウンド需要の回復を見据えた多言語対応などの開発を進めました。 

 「観光地整備・運営支援」では個人版ふるさと納税の自治体への新規獲得営業を推進し、契約の拡大に繋げました。返礼品であるJTB旅行クーポンの認知拡大により、クーポン発行額は前年比150%超で推移しました。グループ会社の商事部門では、(一般社団法人)アメニティ・リサイクル協会に加入し、宿泊施設のアメニティグッズをサステナブルな素材にリサイクルするスキームを構築するなど、業界課題に対応しました。

 「旅ナカコンテンツ提供」では「ALL-JAPAN観光立国ファンド」を運営する地域創生ソリューション株式会社への出資・参画を行い、地域共創型の開発を加速させる足掛かりとしました。

 

③ビジネスソリューション事業

 ビジネスソリューション事業は、M&E(ミーティング&イベント)領域のマーケット課題解決に資するデジタルソリューションを活用した取り組みと人材育成が功を奏し、厳しいマーケット環境ながら前期を大きく超える実績となりました。具体的にはCvent4を活用したイベント管理のDXを進め、市場調査やアウターセミナーの実施に加えて、営業およびオペレーションの双方でM&Eデジタル人材の強化を図りました。

 EVP領域5においては、20233月期から義務付けられた「人的資本の情報開示」に向け、人材強化とブランディングに関する施策コンテンツの拡充を図り、組織向けのHRテックである「WILL CANVAS6」については、課題やニーズを掴むことで大手企業による導入が進みました。ビジネストラベル領域においては、コロナ禍における行動制限の緩和とともに、海外を中心としたマーケットの回復が一定程度見られました。

 

④グローバル領域

 M&Eにおいては、グローバルMICE需要が回復し、上期はリアルイベントが、下期はインセンティブ(報奨)と訪日需要がけん引し、前期比を大幅に超える実績となりました。DPS(デスティネーションプロダクト&サービス)7においては、日本マーケット向けのヨーロッパ周遊バス商品「ランドクルーズ」の販売を再開し、SIC(シートインコーチ)8では、ヨーロッパムンド社が中南米市場を中心に取り扱いを伸ばしました。ビジネストラベルでは、24時間体制でのグローバルオペレーションセンターの体制強化により、先んじて需要が回復した市場を中心に、売上が顕著に伸長しました。

 訪日旅行(インバウンド)においては、国内スポーツイベントなどMICE需要の獲得に努めました。急激に市場が回復する中、訪日外国人観光客向けパッケージ旅行「サンライズツアー」では、「せとうちシーニックルート」など新ルートの開発と運行を行い、特定の観光地への集中を避けるオーバーツーリズムの解消につながる取り組みを強化しました。

 

3)経営基盤の取り組み

 人材面では、2年ぶりの新卒採用活動を再開するとともに、社員のキャリア開発を目的とするグループ人財交流共通制度9の拡充、デジタル・財務などの専門人材の採用・育成を推進し、人的基盤の整備と再成長に向けた人材価値の向上に取り組みました。

 また経営理念・経営方針の実現に向けて、サステナビリティを経営に実装するための基盤となる戦略・体系の整理や方針策定を進め、当社グループにおけるサステナビリティ方針の策定、および当社における脱炭素目標の設定を行いました。社会課題と自社の関係性から、当社グループにおける優先取り組み課題(マテリアリティ:心豊かなくらし、人々を取り巻く環境、パートナーシップ)を特定し、「サステナブルな交流を創るソリューション構築」「環境負荷の削減」「サステナビリティ基盤の更なる向上」「ステークホルダーとの相互理解」を主要なテーマとし、脱炭素に資するソリューション事例の創出に取り組みました。10月にはこうした活動をまとめた「JTBサステナビリティレポート2022」を公表しました。

 ONE JTBとしてのブランド価値向上に向けては、ブランドマネジメントの基盤整備に着手し、当社およびJTB  グループのコーポレートブランド表示システムを35年振りに改定し、20234月からのリブランディングに向けてガイドラインやツール開発を進めました。

 

1:Online Merges with Offlineの略。 顧客体験の最大化を目指しオンライン(Web)とオフライン(店舗やコールセンターなど)の垣根を超えて購買意欲を創り出そうとするマーケティングの考え方。
2: 「日本の魅力の再発見」をテーマに、1998年よりJTBグループで実施している国内観光地活性化を目的としたキャンペーンで、半期ごとに対象方面を選定している、当社の登録商標。
3:自治体、DMO、都市開発に関わる民間企業や交通事業者などが、地域を訪れる世界からの旅行者や地域住民に対して、地域の魅力あるアクティビティ、拝観・入場、共通周遊券や企画乗車券などを一元的に検索・予約・決済・認証ができ、得られたデータをマーケティングに利活用できるソフトウェア提供型サービス。
4:ミーティング・イベントの計画、プロモーション、実施に至るまでの各種機能を同一プラットフォーム上で実行管理できるイベントマネジメントシステム。
5Employee Value Propositionの略称。社員が共感できる、その企業で働く価値の提案。
6:組織や社員のアンケートデータ取得・分析に基づく課題の可視化やレコメンド機能などをそなえたシステム。
7Destination Products & Servicesの略称。着地型商品とも呼ばれ、旅行者を受け入れる地域で作られる旅行商品。旅行先で参加するオプショナルツアーのようなもの。
8Seat In Coachの略称。コース組み合わせ自由型のバスツアー。「ランドクルーズ」はSICの中のJTBにおける商品名で当社の登録商標。
9JTBグループでは、"人材"は「企業や組織の成長を支える財産となる大切なリソース」であるという意思を込め、"人財"と表記。

 

220243月期(2023年度)の通期見通し

 2023年度通期見通しは営業利益、最終利益ともに黒字を見込んでいます。

中期経営計画フェーズ2「回復・成長」を着実なものとし、フェーズ3における「成長・飛躍」の礎を築く重要な1年と位置づけます。

 旅行領域においては、人流の回復状況を捉え、適切な経営資源投入により需要を獲得していきます。当社グループでは2023年度の旅行市場における人流の回復を2019年度比で国内旅行市場は96%、海外旅行市場は52%、訪日旅行市場は92%と想定しています。この市況想定のもと、回復基調にある国内旅行需要を確実に捉えるとともに、日本発の海外旅行や訪日旅行、第3国間のグローバル旅行といった国際人流の需要回復を取り込むことで増収を計画しています。旅行以外の領域においては、企業・地域・行政の課題に対応する商品・サービスの開発を加速していきます。

2023年度は売上高において22年度比113%、売上総利益において100%と想定し、結果、2023年度営業利益134億円の達成と最終利益の黒字化をめざします。

 

■2023年3月期の決算概要の詳細については、以下URLよりご参照ください。

URL:https://www.jtbcorp.jp/jp/company/accounts/

■報道関係の方からのお問合せ先
JTB広報室 TEL:03-5796-5833

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