「新型コロナウイルス感染拡大による、
暮らしや心の変化と旅行に関する意識調査(2021 年8 月)」
株式会社JTB
■今後1 年間の国内旅行意向は34.5%、2021 年以内に行きたいのは23.6% 今後1 年間の国内旅行意欲が最も高いのは、男女20 代30 代と、男性60 歳以上のシニア層 夏は30 代40 代の家族旅行、秋以降は20 代、60 代の国内旅行 海外旅行については、男女60 歳以上の1割強がコロナを機に引退意向 消費意欲は持ち直しの動き ■コロナ終息を待ったうえでの旅行から、自己防衛のうえでの自発的旅行へ より強まる、域内・近場志向 良いプランや宿泊施設、混雑のない観光地を求める傾向、「理由がなくても行きたい」人も コロナ禍の旅行で重視する点は、緊急事態宣言等の発令、小規模旅行、旅行先の感染対策と歓迎意思 ■緊急事態宣言が発令の場合、「中止する」28.1%、「旅行の予定には影響しない」34.1% 「旅行の変更を検討」が37.8%、うち最も多いのは「出発日の変更・延期」「行先の変更」 団体ツアーから個人旅行に変更する人も ■居住地域以外の大都市圏や海外からの旅行者に対する歓迎意識は低い ただし旅行者がワクチン接種済みの場合、歓迎意識は向上、自身の旅行意向がある場合は歓迎意識も高い ■ワクチン接種後の積極的な旅行や外出希望は8.6% 接種後もしばらく旅行等を控える人は27.4%と慎重な対応 一方、コロナ禍でも旅行をする人は、ワクチン接種後の旅行も積極的 |
株式会社JTB総合研究所(東京都品川区 代表取締役社長執行役員 野澤肇)は、「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化および旅行に関する意識調査(2021 年8 月)」の調査結果をまとめました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下新型コロナ)が世界的流行となり1年半以上が経過しました。当社は感染拡大が始まった2020 年2 月から定点で意識調査を実施し、感染状況や緊急事態宣言などの発出に揺れ動く人々の心理と行動、旅行消費について追ってきました。本レポートは前回(未発表)から4か月ぶり9回目になりますが、その間、4 月末から4都府県に3回目の緊急事態宣言が発出され、また高齢者からワクチン接種が始まるなどの動きがありました。なお、調査を実施した7 月後半は東京都と沖縄県に緊急事態宣言が、大阪府・神奈川県・千葉県・埼玉県に対してはまん延防止等重点措置が適用となっていました。
当社は変化の著しい現代社会における生活者の価値観や行動、旅行に関する調査研究を多様な視点で継続的に行っています。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査会社が保有しているパネルに対して、インターネットでの予備調査を実施、対象者を抽出後に本調査を実施
【調査結果】
<予備調査から市場全体をみる>
予備調査(全国 20 歳以上の男女対象)では市場全体からみた生活者の意識や旅行意向について俯瞰しました。なお、参考までに、過去の調査から、1年間に国内旅行(出張を除く)を1回もしない人は、コロナ禍以前では例年 37 %前後 、 海外旅行(出張を除く)を1回もしない人は 83 %前後になると試算しています。例年6割以上が旅行をするにも関わらず、 新型コロナの感染拡大により、 2020 年は約 6 割が国内旅行をしなかったと試算しています。
1.今後約1年間 (2022年6月まで)の国内旅行意向は、34.5% 、2021 年内に行きたいのは 23.6%
今後1年間の国内旅行意欲が最も高いのは男女20 代・30代と、男性60歳以上のシニア層
海外旅行は、2021年内は5.0%、2022年は6.6 %。男女60歳以上の1割以上が海外旅行から引退意向
最初に今後の旅行の予定について聞きました。2021 年7 月~2022 年6 月までの1 年以内に旅行を予定、検討している人の割合は、全体では34.5%で、そのうち「2021 年に行きたい」と回答した人は23.6%でした。年代別でみると今後1 年間の意欲が最も高いのは、男女20代30代と、男性60歳以上のシニア層となりました。シニア層は昨年の感染拡大以降、しばらくは特に女性に旅行意欲が落ち込んでいましたが、GoToトラベルキャンペーンがあった10月~12月に旅行実施率が上昇し、その後旅行意欲は回復傾向でした。ワクチン接種が進む中、シニアの旅行意欲は維持されていることがうかがえます(図1)。
海外旅行については、2021年または2022年に予定、検討している人は全体で11.6%となりました。特に若い年代の意向が強く、男性20代27.2%、男性30代19.5%、女性20代20.0%という結果でした。今すぐには実現できなくとも状況が許すようになれば、海外旅行に行きたい意欲は一定数あるといえます。一方で、「以前はこの旅行をしていたが、今後はしないと思う」と考える人はシニア層で高く、男性60歳以上11.3%、女性12.8%と、コロナ禍を機に海外旅行から卒業する傾向は継続しています(図2)。
(図1)今後予定・検討している国内旅行の時期 (単数回答 N=6,482)
(図2)今後予定・検討している海外旅行の時期 (単数回答 N=6,482)
2.景況感 について 、全体的に不安感は昨年秋頃から減少傾向だが「家計に余裕がない」が39.2%と高維持
「普段の生活費も、趣味や旅行も費用を節約している(16.7%)」は昨年夏から下降し続け、過去最低に
景気については政府による2021年7月の月例経済報告で、「新型コロナの影響により、依然として厳しい状況にあるなか 、 持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とあり、輸出のゆるやかな増加、設備投資や生産で持ち直す一方で、個人消費についてはサービス支出を中心に弱い動きとなっているとされています。しかしながら日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」から、「暮らし向き(ゆとり)状況」の推移をみてみると、「ゆとりがなくなってきた」は20年秋以降から減少傾向にあり、生活のゆとり意識は緩やかながら改善傾向と言えます。
当社のアンケート調査で 景況感について聞いたところ 、全体的には不安感は昨年6~9月の調査から減少傾向ですが、「家計に余裕はない(39.2%9.2%)」と「将来が不安なので貯金や資産運用を増やしている(26.3%6.3%)」は依然
高維持となっています。「普段の生活費も、趣味や旅行も費用を節約している(16.7%」は昨年夏から下降し続け過去最低になり、一方で 「普段の生活は切り詰めるが、趣味や旅行など自分の好きなお金を惜しまない(9.5%)」が前回の3月調査より1.7ポイント増えるなど、消費意欲に関しては持ち直しの動きがみられます(図3 )。
(図3)景況感について(複数回答N=6,482)
<本調査から具体的な旅行意向を知る>
以下の本調査では、2021年7月~2022年6月までに国内旅行をする予定・検討の人を対象に、今後どんな旅行をしたいか具体的に聞 きました。
3.来年6月までの国内旅行の実施時期は、今年7~8月は39.0、9~10月が32.8%
男女子育て世代は8月までに集中、男女20代、男女60代、女性50代は、今年 9月~12月までが高い
より強まっている「域内・近場志向」。新型コロナの感染状況を反映
現在予定・検討している国内旅行の実施時期については、2021年以内の実施が全体の87.5%を占めました。7~8月が 39.0%、9~10月が32.8%、11~12月が15.7%となりました。性年代別に見ると、7~8月は子育て世代である男女30 代・40代の意向が高く、9~10月は男女20代と男性60歳以上、11~12月は女性 50代・60歳以上が高い結果となりました。秋以降は20代の若者とシニア層の旅行が中心となりそうです(図4 )。
旅行の行先については、政府の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置 の発令などもあり、 前回 3 月の調査と比
べて、 旅行者自身が 居住している地域周辺の旅行が多い傾向 となり、「域内・近場志向」がより強まっていることが分かります(図5)。
(図4)今後1年間(2021年7月~2022年6月)に予定・検討している国内旅行の時期(単数回答 N=964)
(図5)今後1年間(2021年7月~2022年6月)に予定・検討している国内旅行の行き先(単数回答 N=964)
4.緊急事態宣言が発令された場合の旅行は、「中止する」は28.1%、「旅行の予定には影響しない」34.1%
「旅行の変更を検討」が37.8%で、うち最も多いのは「出発日の変更・延期」「行き先の変更」
新規感染者数の増加に伴い、自分が住んでいる場所や旅行の行先に緊急事態宣言が発令された場合、予定している旅行をどうするのか聞きました。「旅行は中止する」が28.1%、「旅行の変更(出発時期・行き先・同行者など)を検討する」が37.8%となり、合計65.9%の人が何かしら対処を考えると回答しています。一方で「特に気にしない・旅行の予定には影響しない」は34.1%でした。「旅行の変更を検討する」と答えた人に対して、どの
ような変更を検討するか聞いたところ、上位から「出発日の変更・延期(56.9%)」「感染拡大に応じた行き先の変更(38.5%)」「旅行先での訪問場所の変更(29.7%)」「宿泊先の変更(20.1%)」となりました(図6)。
年代別にみてみると、「特に気にしない・旅行の予定には影響しない」と答えた人は30代が最も多い46.6%、次いで20代が42.4%となっています。一方で「旅行は中止する」と答えた人は、60歳以上が最も多い42.5%、次いで50代が36.0%となっており、年齢層が高いほど中止する傾向にあります(図7)。なお性別による違いはほとんどみられませんでした。
(図6)緊急事態宣言の発令による旅行への影響 (単数回答/複数回答 N=964)
(図7)緊急事態宣言の発令による旅行への影響(年代別) (単数回答 N=964)
5.新型コロナの終息宣言や治療法を待つより、自己防衛しながら旅行する気持ちに変化
「良いプランや宿泊施設がとれれば」、「観光地が混雑していなければ」と旅行先の環境への関心が増加傾向に
コロナ禍の旅行は「緊急事態宣言の発令」は最重視、「少人数での旅行」「家族だけの旅行」も高い割合
続いて、今後どんな状況であれば旅行に行きたいかを聞きました。回答率の高い順から「良いプランや宿泊施設がとれれば(34.5%)」、「新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になれば(32.3%)」、「観光地が混雑
していなければ(30.7%)」という結果でした。昨年初めて緊急事態宣言が発出され解除された5月~6月までは「新型コロナウイルスの終息宣言が出たら」「新型コロンアウイルスの治療法が見つかれば」「新型コロナウイ
ルスの国内感染者がいなくなれば」と新型コロナそのものに関心が集まり、感染が落ち着くのを期待して待つ心理がうかがえました。しかしながらコロナ禍が長引くことが明白になるにつれ、旅行先や商品やサービスの提供
状況、自分の旅行ができる環境へと関心が移っていく様子がみえてきました。「新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になれば」は感染拡大を繰り返すうちに再び高くなり、今回の調査で32.3%に上がりましたが、旅行先の情報を調べ、自己防衛しながら旅行する気持ちに変化していく状況には、変わりがないといえそうです(図8)。
コロナ禍での旅行で重視することは、「旅行先に緊急事態宣言が発令されていないこと(36.3%)」など緊急事態宣言は最重要視する結果となりました。(図9)
(図8)今後どんな状況なら旅行に行きたいと思うか(20年2月~21年7月調査比較)(複数回答 N=964)
(図9)コロナ禍での旅行で重視すること (単数回答 N=964)
6.コロナ禍前より機会を増やしたいものは上位から、「オンライン会議」「自然を楽しむ旅行」「一人旅」
コロナ禍前より機会を減らしたいものは上位から「ビジネス会食」「ビジネス出張」「展示会・大規模会議」
1年半以上に渡るコロナ禍は、私たちの生活スタイルや旅行に大きな変化をもたらしました。ビジネスシーンでは、リアルに人と会う代わりにオンライン会議が当たり前になり、会食や出張、MICE の機会は大幅に減りました。今後、このまま減少していいと思うものもあれば、やっぱり復活、あるいはもっと機会が増えたらいいと思うものもあると考えられます。本調査では、旅行/ビジネスに関連する項目毎に、2021 年は機会を増やしたいのか減らしたいのか聞きました。
機会を増やすものとしては、「オンライン会議 (44.6%) 」、「自然を楽しむ旅行 (27.5%) 」、「一人旅 (25.2%) 」が上位となりました。機会を減らすものとしては「ビジネス会食(会社の飲み会・接待など)(46.7%) 」、「ビジネスの展示会や大規模会議 (39.5%) 」、「ビジネス出張 (38.4%) 」が多くなりました。旅行に関しては、「大都市を楽しむ旅行」を減らしたいと考えている人も36.5 %と多く、新型コロナの影響が依然大きいことがわかります。オンライン会議については、コロナ禍前はツールがあっても広がり方は大きくはありませんでしたが、使用せざるを得ない状況になった結果、利便性や合理性が評価され、必要不可欠な存在になったといえるでしょう(図10) 。
(図10)コロナ禍前と比較した2021年の機会(単数回答 N 964)
<まとめ、予備調査から生活や消費に対する意識をみる>
前章まで新型コロナと旅行に関する意識についてみてきましたが、以降はコロナ禍で自由に外出や旅行を制限される生活が1年半以上も続き、人々の日常生活における意識はどうなっているのかみていきます。
7.旅行者が地元に来ることについて、特に大都市圏や海外からの旅行者に対しての歓迎意識は低い傾向
ただし旅行者がワクチン接種済みの場合は上昇する
調査対象者に居住者の立場で、自分の居住している地域に旅行者が来ることについての考えを、旅行者の居住地別に聞きました。「自分が住んでいる都道府県内からの旅行者」については、「歓迎したい(19.7%)」と「来てほしいが不安はある(31.7%)」の合算値は 51.4%になり、同じ都道府県内の居住者でも、受け入れに比較的前向きと捉えられるのは全体の約半数でした。「自分が住んでいない大都市圏からの旅行者」は「歓迎したい」と「来てほしいが不安はある」の合算値は 33.3%でしたが、旅行者がワクチンを接種していることが前提であれば45.8%と12.6ポイント高い結果になりました。「海外からの旅行者」については 「歓迎したい」と「来てほしいが不安はある」の合算値は 22.5%でしたが、ワクチン接種済みの証明書を保持している場合は35.9%と13.4ポイント上がりました。旅行者がワクチンを接種していることで、安心する居住者が一定数いることがうかがえます。
また回答者自身が2022年6月までに国内旅行したいという意向がある人とない人では、旅行者の受け入れ意識に違いがあることが分かりました。旅行意向がある人の方がすべての項目に、歓迎の意向が高い傾向にあり、旅行者の受け入れを自分事として理解していると考えられます(図 11 )。
(図11) 旅行者を受け入れることについて (単数回答 N 6,482)
8.「ワクチン接種後、積極的に旅行や外出を望む人」は全体で8.6 %、「接種後もしばらく控えたい」は 27.4%
コロナ禍での旅行経験者は、店舗でのショッピングや対面のコミュニケーションの良さを再認識の傾向
「地域の商品の購入や、画像・映像の閲覧により、実際に行ってみたくなる」は 9.7 %、旅行実施者は 14.2%
最後に、コロナ禍での日常生活における行動や、人とのコミュニケーション、消費に対する意識について、該当する項目を複数回答で選択してもらいました。なお、コロナ禍で旅行経験のある人とない人との違いを知るため、 2020年1月~ 2021年6月までのコロナ禍での旅行実施者と未実施者に分けて集計しました。両者の差が5ポイント以上開いた項目について以下の通りまとめました(図 12 )。
・ワクチン接種 「ワクチン接種が完了しても、しばらく会食や外出・旅行は控えたい、控えている」と回答した人は全体で27.4%でしたが、コロナ禍での旅行実施者は 22.7%、未実施者は30.3%と差が開きました。また「ワクチン接種が完了次第、積極的に会食や外出・旅行をしたい・している」は全体で8.6%と高くはないものの 、旅行実施者は14.7% 、 未実施者 4.9 %と差はさらに開いています。性年代別の図は省略しましたが、より積極的なのは、旅行実施者の男性20代(17.5%)、男性60歳以上(18.7%)でした。
・オンラインショッピングと店舗でのショッピング「オンラインショッピングができるので、現物を見たり店舗に行かなくてもよいと思うようになった(全体11.4%)」は旅行実施の有無で違いは大きくはありませんでした。一方 「オンラインショッピングではなく店舗に行って買い物をしたい・している(全体14.1% 旅行実施者17.7%、未実施者12.0%)」は旅行実施者の方が 5.7 ポイント高い結果となりました。 こちらは旅行実施者の女性が高い傾向で、特に女性40代で25.3%と高い結果となりました。
・オンラインと対面のコミュニケーション 「コロナ禍でオンラインのコミュニケーションを経験し、対面の方がよい場面があることも分かってきた(全体 9.9%、旅行実施者 13.6%、未実施者 7.6%)」は旅行実施者の方が6 ポイント高い結果となりました 。 旅行実施者でも男女 60 歳以上は低く、コロナ禍でもオンラインのコミュニケーションが増えていないためと考えられます。
・地域の物産の購入や画像の閲覧 「地域の物産を買ったり、画像や映像を見たりすることで実際に行ってみたいと思うことがある(全体9.7 %、旅行実施者 14.2 %、未実施者 7.0 %)」は旅行実施者と未実施者で7 ポイント差がありました。 年代による違いはなく、女性の方が全体的に高い結果となりました。
全体を通してみると、コロナ禍での旅行経験者の方が、ほとんどの項目で回答率の高い傾向となりましたが、選択肢の中には、「コロナ禍前と比べて、本当にやり取りしたい人とだけやり取りするようになった(全体12.5%、旅行実施者15.1%、未実施者11.0%)」「コロナ禍前と比べて、趣味などを楽しむことができなくなった・面倒に感じるようになった(全体12.7%、旅行実施者15.2%、未実施者11.1%)」など億劫になるような項目も複数ありました。「自分の周囲の目が気になり、外食やお出かけを控えている・控えるようになった(全体14.0%、旅行実施者16.7%、未実施者12.4%)」が旅行実施者で高くなっていることから、コロナ禍で旅行経験があるとしても、普段よりは控えていることが大きなストレスになって表れていると推察できます。ちなみに、億劫になっていると感じているのは女性に多い結果となっています。逆に全体数は少ないですが、趣味を楽しんだり、人との付き合いを楽しんだりしようとしているのは、旅行実施者のうち男性の若い年代に多い結果となりました。パンデミックが1年半以上続き、新型コロナ終息への期待は日に日に低くなる一方で、旅行者は自らを感染から守りながら、旅行をしたいという気持ちが強くなっていったことが一連の調査から見えてきました。その一方で、コロナ禍の生活の中で、なんとなく億劫さを感じ、生活を楽しめない姿も浮き彫りになってきました。これまで旅行を楽しんでいた人ほど、今の制限の多い生活へのストレスがさらに強いのかもしれません。昨年の感染拡大の初期は、デジタルの利便性や合理性を前向きに受け止める傾向が見られましたが、今回の調査では、やや店舗でのショッピングや対面でのコミュニケーションも、一定程度見直す人がいると考えられます。ただし過去と全く同じように戻るとは考えにくく、コロナ禍前との違いもさらに深掘りしていきたいと思います。
(図12)生活や消費に対する意識 (複数回答 N=6,482)
<お問い合わせ先>
(株)JTB 総合研究所 企画調査部
03‐6260‐1211
contact@tourism.jp
<調査分析および執筆>
岡野、中尾、牧野、波潟
www.tourism.jp