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「コロナ禍の生活におけるインターネットやSNSからの
"情報"に対する意識と旅行」に関する意識調査

・コロナ禍の経験による考え方の変化は、
 「対面や直接のコミュニケーションは大切だ(28.4%)」、「国内旅行したいという意識が高まった(26.7%)」、「買い物はネットショッピング等で済ますことが増えた(22.9%)」 

・旅マエ、旅ナカの情報収集で活用されるのは、
 「旅行会社やOTAサイトの旅行情報」、「旅行口コミサイト」、「観光協会のサイト」が高い
 「SNS・ブログ」は具体的に行動するための情報収集先としての参考度は高くはない

・直近の旅行での投稿は全体の26.0%が経験。「女性」、「若い年代」の経験率が高い傾向
 2020年の旅行者の方が投稿の経験率は高い
 20年の投稿での配慮は「旅行時期や旅行先を分からないようにした」が前年より高い        



 株式会社JTBは、「コロナ禍の生活におけるインターネットやSNSからの"情報"に対する意識と旅行」に関する意識調査を実施しました。

 誰もが手軽にインターネットで情報を取得できるようになり20年以上が経ちました。現在ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も広がり、個人が自らメディア媒体となり自由に情報発信ができると同時に、著名人から一般生活者まで様々な人からの情報を得ることも可能になりました。SNSは行動や消費に影響を与え、ツーリズムにおいても観光情報発信の手段として切り離せない存在です。一方で新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の世界的流行という未曽有の事態に、情報のあり方は人々の意識や行動にこれまでとは違う影響を与えているかもしれません。

 本調査は、インターネットやSNSなどからの情報取得や発信についての意識を調べ、コロナ禍を経た日常生活や旅行への影響をまとめたものです。



【旅行動向アンケート 調査方法】
調査方法: インターネットアンケート調査
調査実施期間: 2021年31日~4日(調査時は一都三県が緊急事態宣言中)
調査対象:<事前調査>全国18歳以上69歳までの男女10,000
    :<本調査> 事前調査回答者のうち、2019年以降2021年2月までの旅行経験者(国内、海外問わず)
     かつスマートフォンを保持している人 2,025名





<コロナ禍における意識の変化と旅行実施状況>

 この1年、私たちは新型コロナの感染拡大により外出や旅行・移動を制限されるという、過去にはなかった生活を強いられてきました。移動できない日常生活の不便さを解消するために、デジタルツールの活用がさらに加速していきました。事前調査では、人々の意識の変化や情報通信機器の保有状況、そして過去2年間の旅行経験を調査しました。



1.「コロナ禍を経験し考え方に変化があった」と感じているのは「女性」、「若い年代」に高い傾向
全体では「対面や直接のコミュニケーションは大切だ(28.4%)」、「国内旅行したいという意識が高まった(26.7%)」、「買い物はネットショッピングなどで済ますことが増えた(22.9%)」 

  「コロナ禍で考え方に変化があった」と回答したうち、どのような変化があったのかを見てみると、全体では上位から「対面や直接のコミュニケーションは大切だ(28.4%)」、「国内旅行したいという意識が高まった(26.7%)」、「買い物はネットショッピングなどで済ますことが増えた(22.9%)」という結果になりました。性年代別では「女性」、「若い年代」に変化があったと感じる傾向が高く、一方で「男性」、「シニア層」ほど「考え方に変化はない」の割合が高い結果となりました。特に働く世代および子育て世代にあてはまる女性は非正規雇用者が男性より多く、雇用の影響を受けている人が多いこと、またテレワークや自宅学習で家族の在宅時間が増え、家事の負担や日用品支出の増加など、生活の変化を具体的に実感する機会が多いことも背景にあると思われます。

 男女の若い年代に共通して高かったのが「働き方」や「暮らし」に係わる意識変化で、いずれも外出自粛による生活の不便さをデジタルツールが補完しています。「買い物はネットショッピングで済ますことが増えた」は女性29歳以下および30代で他より大幅に高くなり、働き方に関しては、男女とも若い年代ほど「テレワーク、テレビ会議で済ませられる仕事は多い」、「働く場所にこだわらなくてもよい」が高い傾向でした。旅行に関しては「外出自粛が長引き、国内旅行をしたいという意識が以前より高まった」、「外出自粛や渡航制限が長引き、海外旅行をしたいという意識が以前より高まった」のいずれも若い年代が高い結果でしたが、6069歳のシニア層も次いで高くなりました。一方で国内海外とも「旅行に対する関心が薄れた」が高いのもシニア層でした。若い年代はデジタルによる合理性や利便性を享受しながら新しいリアルの価値を認識しているのかもしれません(図表1)。

     

2.最も利用されている情報通信機器はどの年代も「スマートフォン(全体86.8%)」
スマホは若い年代ほど利用率が高く、パソコンは年代があがるほど高い

 私用で使う最も利用率の高い情報通信機器は「スマートフォン(86.8%)」となり、次に続く「ノートパソコン(55.6%)」と31.2ポイントの差がありました。スマートフォンは年代が上るほど利用率は下がりますが、他機器の年代差ほど大きくありませんでした。「デスクトップパソコン(23.3%)」、「ノートパソコン(55.6%)」共に、男性が女性より利用率が高く、また年代の上昇とともに利用率が上りました。「タブレット(24.1%)」は、やや男性の方が利用率は高いものの、男女とも年代による差はありませんでした(図表2)。
                 

3.最も利用されているSNSは「LINE(73.8%)」、「YouTube42.3%)」、「Twitter(40.3%)」、「Instagram(36.9%)」だが女性29歳以下は8割利用と性年代別の差が大きい

 個人でアカウントを登録し利用しているSNSを聞いたところ、全体で最も多いのは「LINE73.8%)」で、次の「YouTube(42.3%)」と31.5ポイント差がありました。詳細をみると、「YouTube」は男性、若い年代での利用率が高く、男性29歳以下が69.7%、男性3058.3%、女性29歳以下が59.5%でした。「Twitter(40.3%)」は男女29歳以下の利用率が高く、「Instagram36.9%)」は若い女性の利用率が高く、女性29歳以下で80.8%、女性30代で61.0%でした。また「niconico(9.5%)」は若い男性の利用率が高く、男性29歳以下は24.3%でした(図表3)。

4.2020年に旅行をした人は42.9%、2021年1~2月の旅行経験者は10.7%

 2019年以降の旅行経験(国内海外問わず、帰省を含め、出張は除く1泊以上の旅行)は、2019年は全体で58.6%、2020年に旅行した人は42.9%でした。20年1~3月は新型コロナの感染拡大が徐々に進んでいましたが、まだ行動制限がなく、27.5%が旅行をしていました。感染が再拡大し、11都府県で2度目の緊急事態宣言が発出された21年1~2月の旅行者は10.7%でした。また「2019年旅行をしたが、2020年以降は旅行していない人」は20.0%でした(図表4)。

 コロナ禍での旅行経験の高い人は男女29歳以下の若い年代でした。2019年まで旅行に出かけていた60代は感染拡大が落ち着き、GoToトラベルキャンペーンが全国展開となった10~12月に実施率が高くなりました。2021年は全体的に実施率が低くなり、特に女性60代が旅行を控えていることが分かります。

<直近の国内旅行行動と旅行に係る情報について>

 コロナ禍での旅行はこれまでの様々なデータから、「新常態の安近短」として、感染防止の安全安心が確保でき、車で移動が可能な近隣エリアに、近しい関係の人と、短期間で、日頃のストレスから手軽にリフレッシュできる旅行が志向されたことが分かっています。本調査では2019年以降2021年2月まで旅行を実施した2,025名のうち、国内旅行を実施した2,001名を対象に、直近の国内旅行と旅行情報について聞きました。



5.直近の旅行が20年と19年との比較では20年の「同行者」は、「夫婦・パートナーのみ」が前年より4.4ポイント「一人」が3.9ポイント高い
「予約・購入先」は、「オンライン専門の宿泊予約サイト」が19年より6.1ポイント高い47.9%
「旅行先を選ぶきっかけとなる情報」は、共に「オンライン専門の宿泊予約サイト(OTA)」「友人知人のおすすめ」「旅行会社のサイト」から。20年はOTA、宿泊、交通サイトからの予約・購入がより高い

 コロナ禍の2020年の旅行は「新常態の安近短」の他にも19年と比較して違いが見られます。本調査対象者のうち国内旅行経験者に直近の旅行について聞いたところ、「同行者」については、最も割合が高いのは19年、20年とも「夫婦・パートナーのみ」ですが、20年は33.1%と前年から4.4ポイント高い結果となりました。また「一人」も20年は17.1%と3.9ポイント高くなっています。一方で「友人・知人」については、20年は9.4%と前年より3.8ポイント低くなりました。近しい関係でも家族連れは同行者が増えたり三世代のように高齢者がいたりするケースは、コロナ禍では敬遠されたようでポイントが低い結果となりました(図表5)。

 直近の旅行の行先を決めるきっかけになった情報について聞いたところ、全体では「オンライン専門の宿泊予約サイト(OTA)(28.6%)」、「友人知人からのおすすめ・体験談など(18.4%)」、「旅行会社のサイト(10.2%)」が多い結果となりました。直近の旅行を2020年にした人は、19年よりOTA、宿泊・交通の直販サイトの利用率が高くなりました。旅行会社のサイトは同率でしたが、パンフレットは減少する結果となりました(図表6)。

6.旅行商品購入後、旅マエで情報収集するのは「宿泊施設」「観光名所」「飲食店」の順
旅ナカで情報収集されるのも、「宿泊施設」「観光名所」「飲食店」の順
「観光名所」で最も見られる情報源は旅マエ・旅ナカともに「観光協会のサイト」

  次に、旅行の行き先が決まり、予約や購入とは別に旅行中の行動を決めるための情報収集について聞きました。

 「旅マエ」でよく情報収集する項目は上位から「宿泊施設(設備・アクセス・周辺観光など)(76.9%)」、「飲食店(63.7%)」、「観光名所(69.2%)」でした。宿泊施設情報の収集先で多いのは「旅行会社、オンライン専門の宿泊予約サイト(OTA)の観光情報(45.8%)」「旅行口コミサイト(23.2%)」「観光協会のサイト(12.7%)となりました。観光名所の情報収集先は「観光協会のサイト(26.1%)」、「旅行会社、オンライン専門の宿泊予約サイトの観光情報(22.4%)」、「旅行口コミサイト(20.4%)」でした。

 「旅ナカ」でよく情報収集する項目は旅マエと同じく「宿泊施設(設備・アクセス・周辺観光など)(63.4%)」、「飲食店(63.0%)」、「観光名所(61.7%)」でした。「観光名所」の収集先で多かったのが「観光協会などのサイト(20.9%)」、「旅行会社、オンライン専門の宿泊予約サイトの観光情報(16.6%)」、「旅行口コミサイト(15.5%)」でした。観光名所に関しては「旅行ガイドブック・旅行雑誌(12.9%)」や旅先で入手する「観光案内所のパンフレット(11.8%)」の紙媒体も比較的高い結果となりました。

 「観光協会のサイト」は「旅行会社やオンライン専用の宿泊予約サイトの観光情報」や「旅行口コミサイト」に続き、旅マエも旅ナカも比較的参照され、旅先の地元の情報として信頼度が高いことがうかがえます。特に「お祭り・イベント・行事(14.3%)」は最も高い割合でした。ここ数年でインバウンドの増加とともにウェブサイトもスマホ対応や見せ方を工夫した成果が表れていると言えそうです。一方でSNSやブログは全体的に割合が低く、具体的な行動を決定する決め手の情報発信にはなっていないようです(図表7)。

 続いて直近の旅行での現地のアクティビティ・体験ツアーの経験の有無について、項目別に申し込み時期とともに聞きました。経験率の高かった項目は上位から「温泉・スパ・リラクゼーション(36.6%)」、「美術館・博物館・テーマパーク・工場見学(33.7%)」、「観光列車・クルーズ・ロープウエイ(18.2%)」、「スポーツ観戦・ライブ・お祭り・イベント(15.4%)」となりました。上位2つについては経験者のうち旅マエでの申し込みが半数となっていますが、「美術館・博物館・テーマパーク・工場見学」は当日も12.7%と比較的高い結果となりました(図表8)。

7.旅行のSNSの投稿は全体の26.0%が経験あり。男女とも若い年代ほど経験が多い
直近の旅行が2019年と2020年以降では20年以降の方が投稿した割合が高い
投稿内容は「観光名所」「料理・メニュー」が同数(45.6%)、若い女性は思い出や交流

 旅行での体験をSNSに投稿した経験を聞いたところ、経験があるのは全体の26.0%でした。サンプル数は少なくなりますが、性年代別では女性29歳以下の経験率が最も高く、「女性」、「若い年代」が投稿する割合が高いといえます(図表9)。2019年と20年の投稿経験率では20年の方が高い結果となりました(図表10)。20年は旅行者数の減少で全体の投稿数自体は減少したと考えられますが、一方で、旅行した人は若い年代の割合が高いことから、直近の旅行における20年の投稿経験率が高くなったと考えられます。

 投稿内容は性年代別で分析するとサンプル数が小さくなるため、参考値になりますが、「観光名所(45.6%)」「料理・メニュ45.6%)」「自然や街(34.6%)」の順で割合が高くなりました。女性29歳以下は「観光名所」の31.9%より「同行者との思い出づくりや旅先での交流」の方が38.5%と高い傾向となりました(図表11)。

 直近の旅行でSNSに投稿した人に配慮したことを聞いたところ、「投稿時に特に配慮をしたことがない」と回答した人は全体で28.8%でした。一方、配慮したことは「同行者について個人が特定されないようにした(26.5%)、「位置情報を紐づけないようにした(23.3%)」、「旅行に行った時期が具体的にわかるような内容を避けた(19.4%)」が上位でした。直近の旅行が2019年と20年とで配慮の違いをみてみると、「投稿時に特に配慮したことがない」が20年の方が高くなりましたが、「旅行に行った時期が具体的にわかるような内容を避けた」が20年は20.7%と前年より4.2ポイント高く、「旅行先が具体的にわかる内容を避けた」が17.1%と前年と比較し1.3ポイント高くなりました。コロナ禍で旅行しにくい環境の中での配慮はあったのかもしれません(図表12)。

<日常生活における情報についての考え方>

本調査の対象の旅行者は日常生活において、ニュースや生活情報にどのように触れているのか、またSNSについてどのような意識を持っているのかを聞きました。



8.ニュースの取得手段は「無料のインターネットニュース」、「テレビ」、「紙の新聞定期購読」
インターネットによる情報取得は「Yahooニュース」、「YouTube」、「LINEニュース」から
若い年代には「急上昇ワードやアクセスランキング」「友人知人などによるSNS投稿」も高い

 2019年以降に旅行をした人に、日頃からどんな情報にどのように接しているか聞きました。最初にニュース全般を自らどのような手段で取得しているか聞いたところ、上位から「無料のインターネットニュース(87.7%)」、「テレビ放送(リアルタイム視聴)(64.2%)」、「紙の新聞の定期購読(31.5%)」と続きました。「動画配信プラットフォームでのコンテンツ」は男性の支持が高く29歳男性は30.4%でした。「紙の新聞の定期購読」、「テレビ放送」は年齢が高くなると利用率が上る結果でした。「有料のインターネットニュース」は全体で4.1%と低いものの、男性29歳以下、30代が平均より高い傾向でした(図表13)。

 次にインターネット上に掲載されているニュースや情報について、どんなところから知る機会が多いか聞きました。その結果、上位から「Yahooニュース(71.1%)」、「YouTube37.7%)」、「LINEニュース(35.9%)」と続きました。SNSからは、「友人知人などによるSNSの投稿(11.2%)」、「通信社、新聞社など報道機関の公式SNS10.5%)」、「企業の公式SNS(8.8%)」となりました。SNSより、ニュースサイトにより知る機会が多いことがわかりました。男女29歳以下の若い年代については、「急上昇ワードやアクセスランキング(男性27.3% 女性33.3%)」、「友人知人などによるSNS(男性19.0% 女性24.5%)」とやや高い傾向でした。トレンドになっているか、知っている人からの発信かが影響していると考えられます(図表14)。

9.情報の発信元別による参考度(大いに参考にする、参考にするの合算)は上位から 
  「TVのニュース・報道番組(73.1%)」、「通信社・新聞社の記事」、「TVのワイドショー」

 情報に対する参考度について発信元別に聞いたところ、「大いに参考にする、参考にする」の合計が最も高かったのが、「テレビのニュース番組・報道番組(73.1%)」、「(紙媒体・ネットを含む)通信社、新聞社など報道機関の記事(61.0%)」、「テレビのワイドショー(41.7%)」、「企業の公式SNSの投稿内容(31.0%)」、「(紙媒体・ネットを含む)週刊誌、雑誌の報道記事(29.4%)」の順でした。SNSの投稿については企業や報道機関の公式SNSでも参考にするのは全体では3割程度、友人知人による投稿も2割程度と従来からあるメディア媒体に比べるとかなり少ない傾向でした(図表15)。

 主要メディアを性年代別でみると「テレビのニュース番組・報道番組」、「(紙媒体・ネットを含む)通信社、新聞社など報道機関の記事」は男女とも年齢層が上がるほど高くなる傾向でした。SNSは若い年代ほど参考にする割合が高くなっていますが、SNSの利用率とも関係していると考えられます。特に「企業のSNSの投稿内容(41.1%)」や「通信社、新聞社など報道機関の公式SNSの投稿内容(37.3%)」は男性29歳以下が高くなりました。また「有名人・著名人・インフルエンサーなどによるSNSなどへの投稿内容(42.7%)」は女性29歳以下が最も高い結果となり、若い年代は発信元が明らかなSNSの投稿内容を参考にする割合も高い様子がうかがえます(図表16)。

0SNSを利用する上で経験したことは上位から 
「見るだけで投稿しなくなった(24.4%)」、「SNSで知った情報で行きたいと思った場所に行った(17.2%)」、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(16.2%)」

 SNSに関する経験や行動の変化については、割合の高い順に「SNSは見るだけで投稿はしなくなってきた(24.4%)」、「SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所にでかけた(17.2%)」、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(16.2%)」のという結果となりました。同じ聞き方をした過去の結果と比較してみると、「見るだけで投稿しなくなった」は2018年から減少傾向にあり、また2020年は「SNSで知った情報で行きたいと思った場所に行った」や「人と会う」などが減少しており、コロナ禍で例年ほどリアルな行動につながらなかったといえそうです(図表17)。

1.全体の66.2%がSNSで何かフォロー・登録をしている、具体的には、
「芸能人・タレント・有名人・投稿内容に興味を惹かれた人(24.2%)」、「旅行・観光(20.6%)」
旅行・観光・交通機関関連でフォローするのは航空会社、日系大手OTA、大手旅行会社が多い

 SNSでフォロー・登録は全体の66.2%が何かしら行い、女性、若い年代ほど割合が高くなりました。内容は「芸能人・タレント・有名人・投稿内容に興味を惹かれた人(24.2%)」、「友人・知人(23.6%)」、「飲食店(20.7%)」、「旅行・観光(20.6%)」、「料理・レシピ(19.2%)」の順となりました。「友人・知人」は特に男女29歳以下に高く、今の若い年代の傾向といえそうです。男性40代以下は「スポーツ・アウトドア」が多く、女性30代以下は「芸能人・タレント・有名人」、「ファッション」、「友人・知人」、「料理・レシピ」が高い結果となりました(図表18)。旅行・観光・交通機関関連のSNSでフォローしているのは表のとおりとなり、大手航空会社2社と日系大手OTA2社が上位を占めました(図表19)。

 本調査の結果をみると、旅行関連のSNSやブログは、旅行先の決定や旅マエ・旅ナカにおける購買行動や具体的に行動するための情報手段としては、現在は必ずしも機能的に働いているとはいえないようです。旅マエ、旅ナカの情報収集で活用されるのは、 「旅行会社やOTAサイトの旅行情報」、「旅行口コミサイト」、「観光協会のサイト」が高いことが分かりました。これらの3サイトは、宿泊施設情報や周辺観光、飲食、観光名所、祭り・イベント、お土産に至るまで内容がバランスよく、合理的に記載されている点が支持されていると考えられます。特にここ数年のインバウンドを中心とした観光振興により、観光協会のウェブサイトが改善されており、結果として日本人観光客にも、過去の調査と比べて支持されている結果になったことは注目するべきポイントです。

 情報全体をみると、SNSの投稿内容の参考度は、たとえ通信・新聞社など報道機関の公式アカウントからの発信でも公式ホームページサイトに比べると低い結果でした。上の年代の接点が少なく、どちらかというと即時性と拡散において機能を発揮しているのかもしれません。旅行・観光関係の旅マエ・旅ナカの情報収集もSNSの参照度も高くありませんでした。しかし登録やフォローしているSNSの中では、旅行・観光は全体の中で高い傾向です。ランキングをみると、各エリアの観光局・観光協会をフォローする人も一定程度いることが分かりました。フォローはゆるいながらもポジティブなファン行動で、認知や好感度向上に大きな影響力を持ちます。また行動や消費と切り離せない、インバウンドを含めた若い年代の利用率が高いSNSの今後の動きは注目です。彼らの発信とともに観光振興を進めることも重要になりそうです。

<報道関係の方からのお問い合わせ先>

JTB広報室 03-5796-5833(東京) 06-6260-5108(大阪)

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