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2019年度 連結決算概要

 

新型コロナウイルスの影響を大きく受けながらも

内外の交流需要の着実な獲得と経営改革の効果により黒字を確保

 

◆連結決算概要

 当会計年度における日本経済は、上期においては世界経済が減速する中でも好調な内需が支え、穏やかな基調となりました。旅行事業を取り巻く市場環境としても、日本人出国者数が暦年で史上初の2,000万人を記録する等、海外旅行が堅調に推移し、また訪日旅行では、前年に比べてやや伸率は鈍化したものの全体的には引き続き安定拡大を続け、訪日外国人旅行者数は同じく約3,188万人と過去最高の実績となりました(日本政府観光局発表)。しかしながら、秋以降、東日本を中心に記録的な被害をもたらした大型台風や消費増税の影響により景気は弱含みとなり、年度終盤には世界各地で感染拡大した新型コロナウイルスの影響が世界経済全体に深刻な打撃を与えています。

 当社グループにおいては、ゴールデンウィークの10連休、「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」に代表される複数の国際的な大型イベント、旺盛な企業活動に支えられた法人事業が牽引し、好調に推移しました。安定的な経済情勢も個人・法人それぞれの需要を後押しして、好調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の発生以降は、海外旅行においてツアーが全方面催行中止となり、国内旅行においても外出自粛の影響を強く受け、また各種イベントも中止や延期となるなど、結果として売上高が前期に比べ減少することとなりました。一方で、経営改革の進捗により、計画していた営業経費の削減が進んだこともあり、営業利益、経常利益および当期純利益も黒字を確保することができました。

 

 当社グループの2019年度連結決算概要は、次のとおりです。

  売上高        12,886億円  (  前期比  5.8% )

  営業利益          14億円  (    同     78.0% )

  経常利益          25億円  (    同     15.5% )

  当期純利益         16億円

 

 ※部門別概況 (金額はすべて売上高)

  国内旅行         4,545億円  (  前期比   10.2% )

  海外旅行         4,401億円  (    同     6.2% )

  訪日旅行          684億円  (    同     11.5% )

  グローバル旅行      1,106億円  (    同     4.2% ) :日本以外の第三国間における旅行事業

また、当社グループの概況は次のとおりです。

  連結対象会社数  : 国内33社、海外118社、持分法適用会社23社  計174社(20193月末より6社減)

  従業員数        : 27,212名(20193月末より1,298名減)

 

◆主な事業別の概況

1.個人事業

 個人事業においては、ゴールデンウィークの10連休効果があり、また海外の主要方面であるハワイ・欧州方面が堅調に推移しましたが、台風および新型コロナウイルスの影響により、減収・減益となりました。

 当期は、より多くのお客様にご利用いただく取り組みとして商品と販売の改革を引き続き推進する一方、オンライン販売ではAgoda社との提携により「るるぶトラベル」「JAPANiCAN.com」両サイトのリニューアルを行いました。

 商品改革では、お客様の体験価値を高めるための取り組みや多様な販促展開を行いました。その結果、海外旅行では欧州の添乗員付き商品や、チャーター便を増強したハワイ商品で顕著な効果がありました。一方、国内旅行では、マーケットの二極化に正対するための商品展開や目的型商品を強化しましたが、市場規模に見合う成果には至りませんでした。

 販売改革では、店舗での来店予約制の定着や、担当者制の取り組みを強化したことにより、顧客接点での質を向上させ、購入額の高いお客様の総数は前年を上回りました。一方で、事業全体におけるお客様総数や売上高は伸び悩み、今後の課題と捉えております。また、Web販売においては、お客様・事業パートナー様からのご意見もいただき、サイトにおける諸課題改善を進め、オンラインでの販売拡大を実現させてまいります。

 

2.法人事業

 法人事業においては、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたものの、企業の堅調な需要や大型イベント関連の取り扱いにくわえ、ソリューション営業の拡大等により、売上高、営業利益ともほぼ前年並みを確保いたしました。

 前期に引き続き「旅行」「コミュニケーション」「地域交流」「総務系ソリューション」の戦略ドメイン別の事業推進を強化すると共に、市場環境に応じた選択と集中を推進しました。また、マーケティングオートメーションの導入や法人Webサイトのリニューアル等、マーケティグ機能の高度化にも重点的に取り組みました。前期に定めた重点投資領域では、イベントやMICEにおけるデジタル化、企業の従業員の持続的成長を支援する組織活性化サービス等、新たなビジネスモデル創出に取り組んでおります。今後、新型コロナウイルスの影響により法人の動向も大きく変化する中で、市場変化とお客様のニーズを十分に捉えたソリューションを更に強化していきます。

 スポーツビジネスでは「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」において、観戦パッケージ商品やスポーツホスピタリティの販売を順調に伸ばすとともに、宿泊・輸送業務の円滑な運営等によって大会成功へ大きく貢献しました。1年後に延期となった「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に向けては、公式 観戦ツアーやスポンサー企業のアクティベーション等について次年度に向けた準備を進めています。

 

3.グローバル事業

 グローバル事業においては、構造改革による経費削減効果や、訪日大型イベントによる需要の拡大が図られたものの、為替の影響等もあり前期並みの水準となりました。

 観光・旅行事業が大きく変容する市場環境下、当期は、「グローバルDMC 事業」と「グローバルビジネスソリューション(GBS)事業」の2 つの事業軸を重点戦略ドメインとし、各地域の事業戦略と連携を図りながら事業の強化を推進しました。

 グローバルDMC事業では、Meetings & Events (M&E)事業における顧客接点の強化を目的に、本年度よりオンライン戦略(デジタルツールの積極的活用)とオフライン戦略(専門トレードショーへの共同出展)を推進し、世界最大級のM&E専門トレードショーであるIMEX(ラスベガス)にグローバルDMCネットワークとして初出展しました。シートインコーチ事業については、多言語化と設定コースの拡充を行い、販売地域の拡大を図っております。また、多様化する日本人個人旅行者のニーズを捉えるため、「JTBならではの価値」として「ランドクルーズ」を4月よりヨーロッパ12ヶ国の路線ルートで運行開始いたしました。訪日インバウンド事業においては、大型国際イベントを当社グループの万全の連携で取り組みました。

 GBS事業では、当期は「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」等、M&E部門における大型スポーツイベントの取扱いが好調に推移しました。また、アジアパシフィック地域においてM&Eクラウドソーシングの トップカンパニーとパートナーシップ契約を締結し、事業領域の拡大および大手グローバル企業の営業強化に着手いたしました。

  

◆2020年度通期見通し

 新型コロナウイルス感染拡大に起因する、世界的規模での経済活動の抑制が現在もなお進行中であり、当社グループにおいても過去に類例を見ない困難な事態下での新年度スタートとなっておりますが、それらすべての影響については従来の基準で合理的に推し量って算出することが極めて困難であることから、2020年度の業績見通しについては未定としております。

 

◆足許の急激な販売減を前提とした緊急施策と事態緩和後に向けて

 緊急事態宣言発出後、5月末までの全店舗の臨時休業(一部店舗は電話対応のみ実施、法人事業店舗は除く)、外出自粛や海外渡航制限による急激な販売減少という厳しい状況となっておりますが、現下の状況への緊急 対策として、一時的な「緊急コスト削減」および中長期視点に立った「構造課題への抜本的改革」を早期に実行してまいります。これらは経営の最優先課題と位置づけ、短期集中的に取り組みます。

 緊急事態宣言解除から外出自粛緩和後の段階では、感染防止、安全・安心へ最大限配慮した取り組みを第一義に、政府の緊急経済対策を主軸とした、旅行や人々の交流を含めた需要喚起について、関係諸機関と全面的に 協力しながら着実に進めてまいります。

 

◆ニューノーマルの中で「新」交流時代を切り拓く

 新型コロナウイルスは、人々の世界観、行動心理に大きな影響を及ぼしており、ニューノーマルにおいては、安全衛生への関心が高まり、デジタルを活用した情報収集、予約、コミュニケーションがさらに加速していくものと考えられます。そうした変化を敏感に感じ取り、お客様の喜びを自らの喜びとする人財の力を最大の強みに、デジタルを基盤とした人間中心の社会の中核を担う企業グループとして、新しい交流を創造し持続可能な社会への貢献を果たしていきます。

 

 2019年度の決算概要の詳細については、以下のURLよりご参照ください。

 URL : https://www.jtbcorp.jp/jp/company/accounts/

 

 

■報道関係の方からのお問い合わせ先
 JTB広報室 03-5796-5833

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