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2018年度 連結決算概要

経営改革のさらなる推進に向けた特別損失・営業外損失の計上により増収減益

◆連結決算概要

 旅行事業を取り巻く市場環境は、一部に停滞も見られ始めた企業業績の影響や需要喚起に結びつく大型イベントも少なかったことから、法人需要については前年並みの水準、個人需要については海外旅行が比較的堅調だったものの、国内旅行は度重なる自然災害の影響を大きく受けたこともあり、総じてやや低調に推移しました。一方で訪日外国人旅行者数は、リピーターの増加にも支えられて累計で約3,119万人(2018年1月~12月)と過去最高を記録するなど、世界的にはツーリズムの隆盛がますます勢いを増しています。

 このような環境のもと、当社グループでは、2018年4月より「新たな価値提供に向けた経営改革」を始動、「個人」「法人」というお客様を軸とした事業単位の組織再編を行い、「交流創造事業」を新たな事業ドメインに掲げて各事業を推進いたしました。中長期的な視野で臨む経営改革の初年度である2018年度は、市場環境に応じた選択と集中の効果が法人事業で顕在化しつつあり、個人事業での製販一体の商品・販売改革による効果、グローバル事業でのM&Aによる販売拡大など、経営改革を実施した効果が表れた部分もあった一方で、全体として当年度では十分な成果を得るには至りませんでした。コストの圧縮や成長領域への経営資源の最適配置もまだ道半ばであり、改革を今後さらに加速して進めていく必要を認識しております。このような認識のもと、ダイナミック化に対応したシステム開発への切り替えに伴う損失や、一部の海外事業会社ののれんを当期にて先んじて減損処理し、今期決算では多額の特別損失・営業外損失を計上した結果、増収減益となりました。

 

当社グループの2018年度連結決算概要は、次のとおりです。

      売上高        1兆3,674億円     (前期比  3.4% 増)

      営業利益         63億円  ( 同  23.2% 増)

      経常利益         30億円  ( 同  67.9% 減)

     当期純損失          151億円

 ※部門別概況 (金額はすべて売上高)

   国内旅行         5,063億円  (前期比  6.1% 減)

   海外旅行         4,694億円  ( 同   2.2% 増)

   訪日旅行          614億円  ( 同   2.4% 減)

   グローバル事業      1,154億円  ( 同  41.0% 増)

  

また、当社グループの概況は次のとおりです。

 連結対象会社数:国内34社、海外124社、持分法適用会社22社 計180社(2018年3月末より26社減)

 従業員数:28,510名(2018年3月末より643名減)

 

◆主な事業別の概況

1.個人事業

 個人事業は、製販一体のマーチャンダイジングを進め「商品改革」「販売改革」をスタートした1年となりましたが、度重なる自然災害による断続的な販売機会の逸失や、デジタル化や市場のダイナミック化への対応のスピードが十分ではなかったこともあり、売上高は前期を下回りました。一方で、商品改革による売上原価や事業コストの圧縮、為替差益の押し上げ効果もあり、営業利益は前年を上回る結果となりました。

2.法人事業

 法人事業は、自然災害の影響はあったものの、「旅行」「コミュニケーション」「地域交流」「総務系ソリューション」の戦略ドメイン別の各事業を強力に進めると共に、市場環境に応じた選択と集中を推進した結果、MICEをはじめとするコミュニケーション事業の堅調な推移もあり、当期は売上高、営業利益ともに前期を上回る結果となりました。また、スポーツビジネスにおいても「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」や「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に向けた投資や組織体制の強化を進めました。

3.グローバル事業

 グローバル事業は、M&Aによる事業規模拡大の効果として販売が拡大しました。一方で、オンライン・トラベル・エージェント(OTA)の隆盛、個人旅行型のスタイルに対応した異業種からの参入等、観光・旅行事業の変化のスピードがさらに速まる環境の中にあって、改革途上にある欧州で一時的な経費の先行が収益を押し下げたこともあり、当期売上高は前期を上回ったものの、営業利益については前期を下回る結果となりました。

  

2019年度通期見通し

 2019年度については、「令和」への改元に伴うゴールデンウィークの10連休に始まり、「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」や「G20大阪サミット」などのグローバルイベントの開催により、日本人の国内・海外旅行の需要拡大、訪日外国人旅行者数の続伸が想定されます。

 一方で、世界経済を取り巻く情勢や、外交・治安の急変によるリスクへの懸念が高まる動きを見せていることから、景気や企業業績の先行きを不安視する論調も日に日に高まりつつあります。

 このような環境のもと、経営改革2年目となる2019年度は、引き続き経営資源の最適化の推進と重点領域への投資を進めることにより、減収・増益を見込んでおります。

 

 2019年度の業績見通しは以下のとおりです。          

 

2019年度    売上高   1兆3,500億円       (前期比   1.3%減)

         営業利益        90億円        (  同   42.9%増)

         経常利益       100億円       (  同  233.3%増)

         当期純利益       54億円

 

 ◆「第三の創業」完成へ向けて

 当社グループは、持続的な成長を実現するために、新しい“JTBならではの価値”と新たなビジネスモデルを構築すべく、2018年4月に実施した経営体制の変革だけではなく、組織風土の改革、お客様の体験価値の向上、デジタルテクノロジーを活用した新たなビジネスへの挑戦に取組みながら、成長領域に対する経営資源のシフトを進めております。

 一方、取り巻く市場環境の著しい変化への対応はまだまだ十分ではないことから、ソリューションビジネスへの転換、既存事業の基盤強化などについての取組みをさらに加速させ、具体化してまいります。

 ソリューションビジネスへの転換に向けては、重点的に投資を進める領域を定めて、投資のPDCAサイクルを加速し、新規事業の開発・深耕を拡大・充実させるとともに、新しいビジネスで活用するためのデータ基盤の整理・構築を推し進めてまいります。

 具体的には、法人顧客の価値向上を目指す「ビジネスソリューション領域」(※1)と、地域の価値向上を目指す「デスティネーションエコシステム領域」(※2)の2つを重点投資領域と定め、当社グループの最大の強みである「法人顧客とのネットワーク」を最大限に活かしながら、既存の旅行業モデルを中心とした企業体から、ソリューションビジネスを中心として新たなマーケットを創造する企業体への進化を目指します。

 既存事業の基盤強化についても、選択と集中を徹底し、経営資源の最適配置を進めるとともに、効率化と機能強化を目的とした業務のデジタル化に向けた取組みを強化してまいります。

 これらの経営戦略をひとつずつ着実に進めることで、「第三の創業」、すなわち“JTBならでは”のソリューションビジネスをご提供できる状態の完成を目指し、チャレンジしてまいります。

 

 2018年度の決算概要の詳細については、以下のURLからご参照ください。

  URL:https://www.jtbcorp.jp/jp/company/accounts/

 

 ※1 企業を中心とした法人顧客の価値向上を目指すビジネス領域。データ分析を基に、JTBが「お客様にとっての成果をお約束する」ことを実現していく領域のこと。

 ※2 地域の価値向上を目指すビジネス領域。従来の地域交流事業をさらに進化させ、特定の地域におけるJTBに対する期待に真剣にお応えしていく領域のこと。

 

<本件のお問い合わせ先>  JTB広報室  TEL:03-5796-5833

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