JTB総合研究所アメリカ人旅行者の日本旅行に関する志向調査 その1
株式会社JTB総合研究所
旅行スタイル×ニューロマーケティング(画像に対する脳科学的アプローチ)
アメリカ人旅行者の日本旅行に関する志向調査
〇3 年以内に訪日観光旅行を考えている人のうち、訪日経験者の割合は 31.6%
・訪日旅行経験者は次回は、より日本人の生活文化に近い体験を志向
・東海岸の居住者は古都や神社仏閣など歴史的な文化、西海岸は美術館や観光列車など現代的な文化を好む
〇旅行の情報源としては"人"の影響力が大きい
・"旅マエ"では「友人知人や情報サイトのクチコミ」など"一般個人"の意見が影響
・"旅ナカ"では、「ホテルのコンシェルジュ」や「観光案内所」などプロに聞く
〇好ましく思う画像は意識下と無意識下で異なり、男女差や地域差もみられる
・意識下では"見慣れぬ風景"、無意識下では"異文化"を感じる画像に魅かれる
・男性は食や風景"単体"の画像、女性は"人の様子"が含まれた画像をより好む
・欧米系は日本らしい「水田」などの自然風景、アジア系は鮮やかな画像を好む
(株)JTB総合研究所(東京都港区 代表取締役社長 野澤肇)は、「アメリカ人旅行者の日本旅行に関する志向調査」を実施しました。当社は、生活者のライフスタイルや価値観が消費行動や旅行に与える影響に関する調査分析を継続的に行っています。
近年、アジアの訪日旅行者数が大きく拡大し注目を集めていますが、アメリカからの訪日旅行者は 2011 年以降、堅
調に増加を続け、2018 年には 153 万人と 5 番目に大きな市場です。また、アジアの旅行者に比べて旅行日数が長く、宿泊単価などの消費単価も平均を上回ることから、地域への経済波及効果という点でもインバウンド市場の中では無視できない存在といえます。
一方旅行者は必ずしも合理的な判断で行動するわけではありません。感性に訴えかけることも重要です。そこで初の試みとして、アンケート調査と画像に対する脳科学的なアプローチを組み合わせ、アメリカ人旅行者の訪日旅行への志向や今後のポイントを探りました。なお、本調査では佐賀県の協力を得て、佐賀県の主な観光資源の画像を使用しています。
【調査概要】
- インターネットアンケート調査(実施期間)2019 年 1 月 28 日~2 月 14 日/(調査対象者)アメリカに居住し、海外旅行をしたことがある男女 512 名(カナダ、メキシコのみの海外旅行経験者は除く)/(調査手法)インターネットアンケート調査
- ニューロマーケティング (実施期間)2018 年 12 月 15 日~12 月 16 日/(調査対象者)首都圏に居住する男女24 名(日、韓、中、台湾、米、英、仏)/(調査手法)視線、脳波、主観評価、事後アンケートの取得
*調査対象者は、訪日外国人旅行者と近い反応を得るため、来日してから数年以内の在日外国人としています。
【ニューロマーケティングとは】
ニューロマーケティングとは、言語化されない無意識下の人々の心理や行動を分析し、マーケティングに応用しようとするものです。アンケート調査は人の意識を「言葉」によってとらえる方法ですが、人は例えば何かを購入しようとする際、何を買うか決めた後で理由を後付けする、「考える前に感じる」とも言われます。ニューロマーケティングは、人が自分自身の感情を言語化する前の潜在的な意識にアプローチし、以下のようなメリットがあります。
・自分自身でも気づいていない潜在的な「感情(反応)」を引き出すことができる
・「感情」を定量的、かつ、客観的に測ることができる
ただし、ニューロマーケティングだけでは、その反応が起こった時に生じる気持ちやその後の感情の変化、将来の意向などの深掘りはできないため、アンケート調査などと組み合わせて結果を解釈しました。
調査に使用した画像: *調査対象者には地名などの情報提供は行わず、画像のみを提示しています。
(株)JTB総合研究所
調査分析担当:早野陽子
広報担当:早野・三ツ橋・波潟
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