事例紹介

お客さまと地域の皆様、そしてJTBグループの社員が共に活動していく「JTB地球いきいきプロジェクト」。1982年より「観光地クリーンアップキャンペーン」を全国で実施してきました。2012年の創立100周年を機に、現在の『JTB地球いきいきプロジェクト』に名前を変更。自治体、NPO、大学、一般企業をはじめとする地域の皆様、お客様、そしてJTBグループ社員が一丸となって各地域で様々な活動を通して、元気な未来を創造しています。
このプロジェクトは観光地の清掃活動はもとより、自然環境や生物多様性の保全活動、歴史や文化の学習体験など、地域の特色を活かした多彩なプログラムへと発展してきました。今では国内だけにとどまらず、世界中で数多くの交流を生み出しています。今回は2018年10月31日に福島県いわき市で開催された「コットン収穫のお手伝いと復興支援2018」をご紹介します。

01 震災復興を実感するプログラム

〜コットン収穫のお手伝いと復興支援2018〜
オーガニックコットンの収穫体験&いわき市の震災跡地を巡る一日。

3.11の東日本大震災は、福島県いわき市にも甚大な被害をもたらしました。なかでも風評被害による農業への影響は深刻で、耕作放棄地の増加や農業そのものを断念する農家が後を断ちません。JTBでは農業の復興やコミュニティ再生を目的に、コットンの収穫体験を通じて被災地の復旧・復興に願いを込めたふくしまオーガニックコットンプロジェクトを支援してきました。「希望の綿」とも言われているコットンの収穫や震災を体験した語り部の話を聞きながら被災跡地を見学して、復興支援活動を応援していくプログラムです。

今回ご協力いただいたNPO法人ザ・ピープルの甘南備かほる副理事長と農家の方々参加者の皆様。

02 ふくしまオーガニックコットンプロジェクト

コットン収穫を通じて、復興への希望を紡ぐ
生産者と参加者、そしてJTBグループ社員が一緒に収穫をお手伝い。

ふくしまオーガニックコットンプロジェクトが始められたのは2012年。震災の翌年からスタートして今年で6年目を迎えました。震災時の風評被害で使われなくなった農地に、新しく有機栽培で綿を育て、製品化するまでを通して地元のNPO団体が取り組んでいるプロジェクトです。私たちJTBでは、グループ社員やお客さまも共に参加して一緒に収穫体験することで、被災地をボランティア活動で応援しています。当日は初めて参加される方の他に、今年で2回目、3回目と、複数回参加されている方も大勢いて、その数は総勢118人!秋晴れの綿畑で収穫を楽しみました。摘み取った綿実は綿毛と綿種(わただね)とを分ける機械を使って、その場で綿繰り体験も行いました。収穫したコットンを計ったところ、11.7kgにも!収穫を終えた後の記念撮影では、皆表情が満足げに輝いていました。

オーガニックコットンの収穫体験

03 震災跡地見学

語り部の体験談を交え、震災跡地を巡る
薄磯海岸の砂浜に、それぞれの想いをメッセージに残して。

収穫の後は昼食をはさみ、いわき市の中でも特に震災の被害が大きかった北部地域(永崎、中之作、豊間、薄磯・塩屋埼灯台)を、小名浜出身の語り部 小野さん、薄磯出身の語り部 大河内さんと共に視察していきます。被害のあった当時の様子を体験談として語るお二人のお話しに、皆一様に真剣に聴き入っていました。震災から月日が経ち、防災緑地や災害復興住宅が整備されていますが、それでも表面上では計り知れない被災地の姿に想いを馳せる貴重な機会となりました。視察も終盤を迎えた頃、薄磯海岸の砂浜に皆で降り立ち、小野さんを囲んでのお話しは尽きることなく続いていきます。最後に「ぜひ、この砂浜の砂に触れていってほしい」という小野さんの言葉に、皆がそれぞれの想いを込めて砂を掴んでいきます。参加者の何人かが砂浜にメッセージを書き残していた姿がとても印象的でした。

震災跡地に足を運び、参加者それぞれの想いがありました。

04 担当者の声

参加者同士のコミュニケーションが自然に生まれる場

今年で6回目を数えるこのプログラム。コットン収穫体験を通じて、震災復興へのお手伝いができました。初めて参加した方だけでなく、毎年この収穫プログラムを楽しみにしているお客様も多くいらしてくださり、プログラムを企画した担当としてとても喜ばしく思っています。社員と参加者が一体となり地域の方々と交流を深めるといった「JTB地球いきいきプロジェクト」本来の目的に沿った活動ができたと思います。
年を追うごとに風化してしまいかねない震災の記憶を、語り部さんから直接伺えたこの機会は、参加された皆さまにも貴重な経験となったことでしょう。この活動がこれからも続けられ、多くの方に参加していただけること、継続的に復興へ貢献していけることを願っています。

(株)JTB 北千住店 堀越佳彦 ※いわき市での活動時に撮影

05 協力団体の声

毎年多くの方が収穫にいらしてくださり感謝。

今年も綿花の収穫の時期がやってきました。綿摘みに初めて参加される方も、リピーターで何度も収穫に来てくださる方も、とにかく大勢の方がいらしてくださり、とても感謝しています。綿花の収穫はすべて手摘みで、大変な作業ですので大助かり。この活動を始めて6年目になりますが、コットン収穫を通じて多くの人たちと交流できるのが喜びになっています。収穫だけでなくて、綿繰り体験もあったので、楽しんでいただけたのではないでしょうか。遠いところからいわき市に足を運んでいただきありがとうございました。

NPO法人 ザ・ピープル 副理事長 甘南備(かんなび)かほる

06 参加者の声

●今回の参加で3回目です。このプログラムがきっかけで、被災地の福島を応援することができました。これからもこうした機会があれば毎年参加したいと思っています。
●コットンの収穫は初めての体験でしたが、意外と簡単で時間も忘れて熱中してしまいました。楽しみながら震災復興のボランティアができて良かったです。
●被災された語り部のお話に心が打たれると同時に、実際に現地を訪れ、復興してきた歩みを見てとれました。お別れの時、薄磯海岸で私たちにいつまでも手を振っていた語り部の小野さんの姿が、心に残って忘れられません。

JTB地球いきいきプロジェクトは「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」が推奨する連携事業にも認定されています。 JTBグループは、これからも一丸となってCSR活動を通じて更なる交流創造事業を推進していきます。

※社名・肩書きは取材当時のものです。