CAREER & CULTURE
CROSS TALK
座談会|育児休職制度取得者
交流を創造するためにまず大切なのは、交流をつくる「人」の輝きを創造すること。
その取り組みのひとつとして、さまざまなライフステージを支える制度や環境を整えています。
子育て中の社員が、その実体験を語ります。
座談会|育児休職制度取得者
交流を創造するためにまず大切なのは、交流をつくる「人」の輝きを創造すること。
その取り組みのひとつとして、さまざまなライフステージを支える制度や環境を整えています。
子育て中の社員が、その実体験を語ります。
高橋 智洋 Tomohiro Takahashi
株式会社JTB
エスコート商品販売事業部
海外旅行第一部
グループリーダー
2015年入社
社会学部 メディア社会学科 卒
- 仕事内容
- 募集型企画旅行「旅物語」の海外旅行商品の造成・仕入業務。担当方面はアジア、海外クルーズ。
- 利用した制度
- 2023.5-6:産後パパ育休制度(出生時育児休業)
原口 遥子 Yoko Haraguchi
株式会社JTB
ビジネスソリューション事業本部第八事業部
営業推進課
2009年入社
社会学部 社会学科 卒
- 仕事内容
- 営業推進課の海外手配担当として、海外出張などのFIT手配およびお客様の海外個人旅行手配、クルーズ旅行などの手配を行う。
- 利用した制度
- 2019.9-2021.3:産前産後休暇・育児休職制度 2021.4-:育児短時間勤務制度
パパの幸せな寝不足。
出産と育児にあたって、お二人が利用した制度を教えてください。
高橋
「産後パパ育休制度」を取得しました。いわゆる「育児休職制度」とは別の制度です。男性社員が育児休職制度を取得することも可能ですが、私には少しハードルが高かったんです。私が入社した2015年頃、男性がライフイベントを理由に会社を休むのは、JTBグループに限らずあまり一般的ではなかったと記憶しています。当時の感覚が残っていたのかもしれませんね。けれど、ちょうど妻の妊娠がわかったタイミングと前後して「産後パパ育休制度」が始まった。これを使わない手はない、と。
原口
私の周囲でも、「産後パパ育休制度」を取得する社員を見かけるようになりましたね。数日で復帰する人が多いようですが、高橋さんは?
高橋
最短だと1日からでも取れますが、私は上限の28日間。妻からは「それでも短いんじゃない?」と言われましたけど(笑)。でも、選んで正解でした。原口さんはよくご存知だと思いますが、1か月のうちにも赤ちゃんはどんどん成長していくんです。そばにいて見守れたのはすごくよかった。
休業中はどう過ごしましたか?
高橋
妻と交替しながら、3時間おきにミルクをあげていました。ずっと寝不足です(笑)。ありがたかったのは、休業中でもある程度は出社できること。週に1度、会社に顔を出すようにしていました。28日間、丸ごと仕事を離れるとなると引き継ぎなどの準備にも苦労したはずですが、そこまでの負担を感じずに済みました。
原口
私は「産前産後休暇」「育児休職制度」を合わせて1年半。今は育児短時間勤務で復帰しています。
復帰時に部署も異動されていますね。
原口
はい。私はもともと、旅行商品の店頭販売に興味があってJTBに入社しました。仕事そのものは面白かったのですが、シフト制の勤務でもあり、育児をしながら続けるのは難しい。そこで、自分から復帰後の異動を希望したんです。休暇前に上司と復帰先について話し合い、休んでいる間にも、意向が変わっていないか人事から確認の連絡がありました。最終的には配属先の希望をいくつか出し、それを汲んでもらった形です。
復帰にあたって、利用した制度はありますか?
原口
「慣らし保育休暇」を取得しました。多くの保育園には、入園したばかりの子どもを短時間の保育から少しずつ慣らしていく期間が設けられています。その間に取れる休暇です。それから短時間勤務。9:15から16:15までの勤務を今も続けています。あとは看護休暇ですね。子どもが体調を崩したときは、看護休暇を取ったり、在宅勤務に切り替えたりすることで対応しています。
「取得率100%へ」。会社の宣言が、一人の勇気に。
周囲の理解やサポートはどうでしたか?
原口
すごく支えられていると思います。正直なところ、復帰してしばらくはどうしても後ろめたい気持ちがありました。業務が片付いていなくても時間が来たら切り上げなければならないし、子どもが急に熱を出したら休まなければならない。でも、部署のメンバーは快く受け入れてくれました。上長から「仕事の代わりはいるけれど、母親の代わりはいないんだから」と言ってもらえたことが印象に残っていますね。男性の上長からの言葉だったので、なおさら心強くて。
後ろめたさも解消されていったのですね。
原口
周囲がちゃんと受けとめてくれることがわかったので、短時間勤務の中で「今日はここまでできます」「ここからは明日やります」と前もって伝えられるようになりました。そうなってからは、後ろめたく思うこともなくなっていきましたね。
高橋
私の部署は、女性の上長を含めて育休から復帰した社員が多くいます。実体験として育児の大変さを知っていることもあり、すごく理解があります。そもそも私は、部署内での「産後パパ育休制度」取得第1号。手続きのうえでは上長も初めてのことが多くて戸惑ったはずですが、しっかり後押ししてもらえました。会社が「『産後パパ育休制度』の取得率100%をめざす」とはっきり発信してくれたのも大きかったと思います。
原口
私も子どもが生まれる男性社員には必ず念を押していますね。「絶対に取ったほうがいいよ」と。
高橋
私自身、後に続く人が取りやすくなるきっかけになったらいいなと思っていました。私が取得したことは部内報にも載っているので、それを見た男性社員にいい影響があれば嬉しいです。
原口
私は女性が多い部署にいたこともあって、育休を経て復帰しているロールモデルがたくさんいました。そのことが、いざ自分が取得する際のハードルをかなり下げてくれたと思いますし、上司を見て「こんなふうになりたい」というイメージも描きやすかった。男性は、むしろこれから高橋さんのようなロールモデルが増えていくのかもしれませんね。
制度に対して「もっとこうあってほしい」と思う部分はありますか?
原口
欲を言えば、さらにフレキシブルであってほしい(笑)。在宅勤務にはかなり助けられているんですが、たとえば「子どもを寝かしつける間は仕事を中断して、その後に再開する」といった中抜けがしづらいんです。制度的には可能ですが、まだ活用事例が少なくて。
高橋
実は、私の部署では現在、短時間勤務中の女性に在宅勤務を運用しています。時短の分、少しでも時間を有効に使ったり、育児に力を入れたりしやすくするための配慮ですが、今となっては男性を区別する理由はないのではないかと思っています。そういう部分が改善されていくといいですね。基本的には、JTBグループは先進的な働き方を次々に取り入れて、社員に提案してくれるいい会社だと思っています。
仕事より家族。変わる意識に、環境が応えてくれる。
育児を経験したことで、仕事や働き方に変化はありましたか?
原口
私はずっと、電車などの乗り物に興味がなかったんです。JTBグループにいるのにも関わらず(笑)。でも、子どもは乗り物が大好き。そのおかげで私も関心を持つようになりました。それから、プライベートでの旅行先の選び方が変わりましたね。小さな子どもでも楽しめたり、歓迎してくれたりする旅先を真っ先に調べるようになった。そういう観光地や宿泊施設が、今はびっくりするくらい充実しているんですよ。こうした目線を業務にも持ち込むことで、周囲にアドバイスできる内容の幅が広がったと思います。
高橋
業務の優先順位をしっかりつけて、効率的に進められるようになりました。というのも、「夜のミルクとお風呂は自分のミッション」と決めているから(笑)。そのために、基本的には残業をしない。しても、最大2時間までに抑える。どうしても難しいときは、出勤時間を前倒しにする「早出残業」という手も使っています。
家族との時間が最優先なんですね。
高橋
そうですね。実は、勤務条件の変更を検討してもいいかなと思っています。今は勤務地の制限がない「全国転勤あり」ですが、勤務地を居住地周辺に限定することもできます(※)。勤務条件やキャリアにも変化が起きることなので、じっくり考えてみたいですが。
※居住地を指定し、そこから一定の通勤時間(首都圏2時間、それ以外は1時間30分)で通える範囲に勤務地が限定されます。
※居住地を指定し、そこから一定の通勤時間(首都圏2時間、それ以外は1時間30分)で通える範囲に勤務地が限定されます。
「家族が第一」という考え方は最初からですか?
高橋
もともとはキャリアを積むことを重視していました。でも、妻が妊娠して「大切なのは家族だ」と改めて実感。子どもが生まれて、その気持ちが決定的になりました。仕事は大切です。けれど優先順位をつけるなら、家族のほうがはるかに大切。先ほどの勤務条件の話もそうですが、こういった心境の変化に対して、ちゃんと選択肢がある会社にいられたのは本当によかったと思います。
原口
そうですよね。もちろん仕事は頑張るんですが、「なぜ頑張るのか」を思えば、少なくとも私は家族との暮らしを豊かにするため。そのバランスが、仕事に打ち込むあまり崩れてしまうのはやっぱりおかしい。だからこそ、ワークライフバランスがとても取りやすい環境で働けているのは幸せだと改めて思います。
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