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ともに進む。あしたへつなぐ 東北と創る、未来。 TOHOKU-MIRAI 東日本大震災以降の東北の取組みや活動を紹介します。
JTBグループは、旅のチカラで人々の交流を創造し、東北の方々とともに魅力あふれる東北の未来に向け、貢献してまいります。

2016年9月10日(土)、11日(日)

東北絆キャンペーン JTBグループ社員対象「東北植樹ツアー」
復興活動の一手、植樹をとおして東北の未来を支援

このツアーは、JTBグループの総合力を活かして世界へ向けて東北の魅力を発信することを目的に、2016年3月11日〜9月30日で実施した「東北絆キャンペーン」の一環として企画されたもの。2011年3月11日、東北地方に大きな傷跡を残した東日本大震災から5年が経った今、被災地をめぐって改めて東北の魅力を再認識し社内外に広く伝えることを主旨としたJTBグループ社員対象の学習型モニターツアーである。

東北の「魅力」を改めて再認識

ツアーリポート

今回のツアーは、東北の未来を応援する想いを掲げた植樹をおこなうプログラムと、福島県の中でも特に震災被害が大きかったいわき市沿岸地区の訪問を組み合わせた、被災地の現状視察と共に復興支援を身近に考え、そして東北の魅力に触れる1泊2日の内容となっている。

歴史ある文化と復興途上を知る

ツアーに採用されたプログラムはJTBグループ本社とJTB東北いわき支店、そして福島県田村郡小野町の観光協会の協力を得て生み出されたもの。
小野町は郡山からバスで40分程度のアクセス至便な落ち着いた町。
ツアーの1日目は、戦国時代に小野町に築城され、以来長年に渡って小野町のシンボルエリアとなっている小野城跡で桜の植樹を体験。さらに、小野小町生誕の地として知られる風光明媚な小野町をめぐり、代表的な名所である夏井の千本桜や霊験あらたかな諏訪神社の翁スギ・媼スギを見学し、復興支援を身近に感じるとともに小野町の魅力に改めて触れるプログラムを構成した。

2日目は福島県の沿岸沿いに車を走らせ、津波と火災で壊滅状態となった薄磯地区や久之浜の現状視察を中心に、地域の防災交流センターにて当時の様子を撮影したパネル展示の鑑賞をしつつ、地元の方がボランティアで語り部となって説明していただき、被災地への理解を深められた。近所の高齢の女性を助けに行った奥様と一時は離れ離れになりながらも翌日再会できたと言う臨場感あふれる話に私たちも涙をこらえたり、また、震災時の注意点などを経験をもとに力を入れて伝えてくださり、身を乗り出して聞き入った。

植樹で東北に新たな命を

今回のツアーで大きなテーマになっていたのは、被災地域である東北を今後幅広くアピールしていく上で、今なお続けられている復興活動に植樹というかたちで携わり、共に手を取り合って東北の未来を築き上げていくという点。植樹の場になった小野城跡は、小野町の大切な場所でありながら、もともと背丈ほどもある雑草が覆い茂る荒地だったようだ。しかし、今回の植樹のために歴史ある地を見直すことも含め、地元の方々が汗を流し前もって整備。植樹当日も地元の方々を交えて2〜3名のチームに分かれ、1本1本植えられた若い木はまだ頼りないものだが、1年後にはいくつかの花を咲かせ、やがて木へ森へと生長していくことだろう。震災以来、原発の風評被害などで観光客が減少している被災地だが、新しい命をつくることで自然の生態系を取り戻し、森や川もいっそう潤いきれいになっていく。元の地域のブランド力を復活させるためにも、この若い木が限りない夢を与えてくれる第一歩になることを意識したツアーになった。

「また来たい」と思ってもらう末永い交流をしたい

震災後、復興支援活動として多くの方々がこの地を訪れてくださいました。また行政からは潤沢な義援金をいただき、私たちを元気づけようと様々なイベントも催されています。とてもありがたいことですが、個人的に危惧しているのは、それらが一過性のもので終わってしまうのではないかということです。イベントも、地震の“メモリアル拠点”に造られている建物も、果たして本当にこれからの福島県にとって必要なものなのだろうか。私はこの地を訪れていただいた方々とはお互いに顔と顔が見えるお付き合いをしたいですし、やがて私たちの仲間としてもう1度、訪ねて来てほしいと思っているのです。そういう意味では、今回おこなっていただいた植樹は、これを機に皆さんと末永い交流を深めることができる素晴らしいプログラム。桜の花が咲く頃にぜひまた見に来ていただき、一緒にお花見をしながら生長の過程を共有したい。私たちもそれが実現できるよう、精一杯桜を育てる努力をしていきます。

小野町観光協会 会長
二瓶晃一さん

震災の実情を伝える語り部の存在

日本中が深い悲しみに包まれた東日本大震災の災害規模を知り、被災地を視察することで学びを得ることもツアーの大きな目的。単に被災地を歩くだけでなく、語り部に震災当時の臨場感ある様子や得た教訓を伝えていただくことで、より自分事として捉えられるプログラムに仕上げた。
語り部の阿部忠直さんは、40日間にわたって避難所生活を送られたと言う。2011年3月11日14時46分に起きた震度6弱の大地震、それに続く推定8〜10mにも及ぶ大津波の発生、さらに一昼夜燃え続けた火災により、いわき市だけで死亡者数は464名。阿部さんが震災から得た教訓は「@何かあったらすぐに逃げること A最優先すべきは自分の身を護ること B確かな情報(行政等)だけを頼りにすること C携帯ラジオ等を用意し情報収集の備えをすること」。阿部さんは知人を車に乗せて避難する際、津波にのまれて流されたが、車ががれきに引っかかり九死に一生を得たという。壮絶な体験から得た教訓を語り部として人々に伝えながら風評被害とたたかい、地域の復興と明るい未来の創造に邁進する日々を送られている。

被災地での学びを広く世に伝えるために

2012年より、いわき市から「震災後の様子を広く世の中に伝えてほしい」という要請を受けて、様々なアプローチを考案してきました。個人向けに被災地をめぐるスタディツアーを催したり、語り部の派遣など、4年間で蓄積したノウハウを集結して団体ツアーを組むようになったのは今年が初の試みです。
震災から5年経ち、その記憶は徐々に人々から薄れているのかもしれません。ですが、町は原発事故に伴う風評被害で今でも過疎化が進んでいる状態です。まずはこういったツアーで皆さんに来ていただき、安心で安全な場所であることを身をもって知っていただきたい。そして、語り部の経験からぜひ今後の防災・減災を学んでいただきたいです。被災地で得た学びを地元に持ち帰って「震災に関して理解が深まった」「名所観光も楽しかった」と伝えてもらえるようなプログラムを今後も考えていきたいと思っています。

JTB東北いわき支店
グループリーダー
佐々木大輔

参加者の声

「被災地を訪れることに今まで葛藤がありました。自分が行っても何もできることが無いと考えていたからです。でも今回思い切ってツアーに参加し、来てくれるだけでうれしいという声を掛けてくださった地元の方がいました。まずは自ら動くことが大事だと思ったし、命の尊さを学ぶことができました」

「1泊2日でかなり充実したツアーだったと思います。震災から5年経ち、日々の暮らしの中では記憶が薄れていることが多かったけど、実際に語り部さんの話しを聞いて忘れてはいけない想いや学びを体感できました」

「語り部さんから直接話しを聞けたことが一番良かったです。テレビのニュースでは宮城県・岩手県の被災地の話しが多く、私自身は福島県の津波被害のことをあまり知りませんでした。防災交流センターで見た写真や映像の衝撃は忘れられません」

「植樹は以前からJTBとして関心の高いプログラムだったので、参考になるかと思いツアーに参加しました。今回、木を植えるための穴掘りや草むしりなどは事前に地元の方がしてくださっていて、とても至れり尽くせりだったのでは。今後お客様に薦めるにあたり、とても参考になりました」

「ツアーに参加するまで、小野町のことは何も知りませんでした。千本桜の並木や諏訪神社などどこも名所として素晴らしいですが、被災地の実情を把握してめぐると自分にとって普通の旅とは違う実りがあります。植樹した桜は、1年後にはもう花が咲くと聞いたので楽しみですね」

参加者は植樹を通して地元の方々と絆を深め、さらに被災地を視察することで忘れてはならない想いに改めて気づいた貴重な体験をすることができた。

  • 株式会社JTB

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