ホームJTBグループの社会環境活動(CSR)東北の未来>んだば、行ってみるべし三陸

ともに進む。あしたへつなぐ 東北と創る、未来。 TOHOKU-MIRAI 東日本大震災以降の東北の取組みや活動を紹介します。
JTBグループは、旅のチカラで人々の交流を創造し、東北の方々とともに魅力あふれる東北の未来に向け、貢献してまいります。

2015年3月2日(月)、3日(火)、4日(水)

んだば、行ってみっべし三陸
学生と、海の街の人々から生まれた、『学びながら楽しむ』三陸の旅

このツアーは東北の太平洋沿域の観光復興のお手伝いをするなかで出会った学生団体ToKuの企画をもとに、JTB東北ふるさと課(化)が気仙沼市と合同で実施している『気仙沼旅行商品企画ワークショップ』から生まれた4つのプログラムをメインにした、気仙沼と大船渡の魅力について考える大学生対象の学習型モニターツアーです。

東北を「心のふるさと」に据える

ツアーリポート

JTB東北ふるさと課(化)は旅を通じて「また来てね、また来るね」の輪を広げ、復興の架け橋となる旅を作っています。

今回のツアーは学生団体ToKuのメンバーと一緒に大学生向けの旅を考え、震災について学ぶプログラムと三陸の魅力を体験するプログラムを組み合わせ、気仙沼、陸前高田、大船渡の魅力を2泊3日で体験する内容となっています。

気仙沼の水産業を支える人々をも、地域の魅力を伝えるメンバーに

このツアーに採用された幾つかのプログラムはJTBと気仙沼市民30名で構成された観光チーム気仙沼による『気仙沼旅行商品企画ワークショップ』から生まれたものです。

ツアーの前半は気仙沼の漁業関連産業である藤田製函店と岡本製氷店の見学と、復活した魚市場の見学、リアス・アークミュージアムや復興シアターでの映像と講話体験で、震災当時の様子や防災について学ぶとともに、海の街に生きる人々のそれぞれの対応と連携の「力」を学ぶプログラムになっています。

後半は学生団体ToKuの企画に基づき、陸前高田や大船渡にも足を伸ばし、三陸鉄道の、トンネルに停車しかろうじて被災を免れた車両に乗車して語り部から話を聞いたり、地元住人との交流会、大船渡津波伝承館で齊藤館長から話を聞くことなどをおこない、三陸への理解を深めました。ツアーの途中や最後には訪れた場所の魅力やより良いツアーになるための提案などを発表する場が設けられました。

今回のツアー全体は、東北復興を担当している、JTBコーポレートセールスの毛利が学生団体ToKuと一緒に企画したものです。

株式会社JTB イノベーション東北 デスク 株式会社JTBコーポレートセールス 霞が関第一事業部 毛利 直俊

我々の部署は、東北の太平洋沿域の観光復興に関わるお手伝いをしております。今回の学生団体ToKuとの出会いも、そういったきっかけです。2014年11月の上野公園でのイベントに観光PRのブース出展でイベントの支援をさせて頂き、そこで、イベントにかかわる学生の多くが、現地に足を運んでいないことを知りました。団体としても毎年運営が変わる中で継続してゆくためにも、運営の多くが現地との関係を深めることが重要と考えていました。そこで、ゼロからのツアー作りのお手伝いをさせて頂きました。何度も学生との議論を積み重ねました。
丁度そのタイミングで、JTBと気仙沼の皆様で商品開発をしているプログラムがあり、せっかくなら、それを試し、感じたことを学生目線で率直にお話しすることで、地域のお手伝いになるということを提案しました。
三陸鉄道についても、私の地域との接点でご協力頂けることになり、より深く学べる内容を作ることが出来ました。

株式会社JTB イノベーション東北 デスク
チーフディレクター
毛利 直俊

ふたつの要素の組み合わせが鍵に

学生団体ToKu代表 渡邊香里さん

ToKuは大船渡津波伝承館の外部協力団体として津波の教訓を伝えるお手伝いをしています。2014年の秋に、おもに学生に向けた『三陸なう』というイベントを上野で開催し、非常に沢山の方に来て頂きました。その時に観光ブースで協賛して頂いたことでJTBの毛利さんとお付き合いが出来、ツアーを企画したいと提案しました。今回のツアーは東京にいて伝えるだけでなく、わたし自身が三陸を訪れる度に感じる、景色の美しさ、食べ物の美味しさ、そして地元の人の温かさを実際に現地で体験してもらいたい。そんな気持ちから生まれたツアーです。グループになって議論をしたりプレゼンテーションの時間を設けたりと、学習型のツアーだったこともあり、派手なツアーではないので参加者の方に満足して頂けるか、ツアーの間中ずっと不安でしたが、終了後に「楽しかった」「またあったら参加したい」という声を多数頂き、本当に良かったと思いました。

学生団体ToKu代表
渡邊香里さん

今回のツアーで注目されるのは、カツオの水揚げ日本一を誇る気仙沼をアピールする上で、魚市場の見学だけでなく、漁師以外の仕事で水産業を支えている方々に話を聞くプログラムを加えたことです。

「このプログラム誕生の裏側には明確な二つのコンセプトがありました」。そう語るのは、気仙沼旅行商品企画ワークショップに携わっている東北未来創造イニシアティブの森成人氏。

「それは『なぜ気仙沼の魚市場だけがこんなに早く復興できたのかを伝えよう』というものと、『日本有数の漁港である気仙沼をもっとアピールしていこう』というものです。この二つのコンセプトを組み合わせた時に、「震災直後も穫れていた魚を出荷するためには、漁師だけがいくら頑張ってもどうにもならない。関連業者を含む気仙沼の街全体が、何が何でも急いで復興する必要があったのです。その経緯を踏まえ、市場だけでなく、出荷を支える人々の仕事も見てもらって、水産の仕組み全体を理解してもらうプランを作ろう。そんなストーリーができ、適任者を探し、このプログラムが完成したのです」。

『三陸の美しさ』と『人の魅力』を伝える旅に

さらにこのツアーで大きなテーマになっていたのが、『人との出会い』でした。見学したり町を歩くだけでなく、地元の人々と積極的に交流できる機会をたくさん持てるツアーになることを意識しました。

ToKu代表の渡邊香里さんとともにスタッフとして企画から現地のアテンドまで担当したメンバーの大北俊将さんも、そこにこだわったと言います。

「僕は気仙沼と盛を中心に10回近く三陸を訪れており、三陸の美味しさ、楽しさ、美しさに魅了されました。そしてそれ以上に、ここに住む人の魅力に惹かれたのです。僕が感じたように、三陸の土地と人の魅力を多くの人に知ってもらい、そこから様々なことを学んで欲しい。そんな考えから今回のツアーを『美味しく・楽しく・学べる旅』としましたが、地元の人と交流する時間をたくさん作ったことで、多くの参加者から、「またあの人達に会いに来たい」という感想が寄せられたことはとても嬉しかったです」

誘致推進課長 熊谷俊輔さん

江戸の後期から水産業で栄えた気仙沼の人々は、外から来た人をおもてなしする事に馴れており、非常に観光向きの土地であると言えます。漁師さんの中には世界中を巡って来た方も多く、海外からの観光客に対しても抵抗がありません。今回のツアーは震災や防災への理解を深めるとともに、気仙沼が誇る水産業について学んで頂くものですが、地元の人の力は不可欠でした。その土地の産業と観光を癒合させたこの試みは、日本全国の観光業のモデルケースになるとともに、海外からのお客様にもアピールできるプラットフォームになると確信しています。そのためにも受け入れ側として我々もいっそう努力していきます。

一般社団法人 気仙沼観光コンベンション協会
誘致推進課長
熊谷俊輔さん

株式会社JTB イノベーション東北 デスク 株式会社JTBコーポレートセールス 霞が関第一事業部 毛利 直俊

(毛利)
震災からの復興には多くの学生のボランティアが関わりましたが、震災から4年経過して、高校や大学では世代が一回りし、徐々にその想いが風化しつつあります。今回のツアーで、後から地域に携わっても、今からでもお役に立てるということを体感することで、支援が継続になればと思っております。被災地でのボランティアは徐々にそのカタチを変えてきました。今後は、汗をかくボランティアよりも、地域の課題解決に学生の力を必要とする機会も出てきました。そういった新しい「たび」や「旅行」を通じて感動を提供するような旅…というより、我々は伴走するような形で関わって、若い人だけでなく多くの人の心に届く、本当に求められる旅を作り続けていきたいと考えています。

参加者の声

「盛の町でおこなわれた地元の人との交流会がとても新鮮で楽しかった。世代を超えて色んな話ができ、盛では、町の観光の目玉であるお祭りの話を聞き、震災の話だけでなく、社会の話や芸術の話にまで発展して楽しかった。次はお祭りのシーズンに遊びに来たいです」

「津波伝承館では齊藤館長のお話では津波の恐怖を知るとともに、助かるために大切なことを学ぶことができた。津波が来たら一刻も早く避難しなければならないことを改めて実感しました。今までも津波の映像は何回も見てきたけれど、被災者の生の声が含まれている映像をその場にいた本人から直接見せてもらうことで実感がより沸いてきたのは良かったです」

「実際に三陸に来ないと分からないことがたくさんあるな、と感じました。今回のツアーで、三陸は震災があった場所という以上に人・食・自然などの魅力がたくさんある場所であることを知りました。東京にいて出来ることも沢山あるけれど、現地を訪れることが復興支援の第一歩なんだと痛感しました」

「三陸鉄道も魚市場も美術館も、ただ訪れただけだと、ただの旅になってしまいます。今回沢山の人から話を聞けたことで、見えて来るものがまったく違って来ました。それがツアーの良さだと初めて知りました。ツアーのプログラムで、現地にいると分からない事を正直に伝える場がありましたが、学生である自分の声にきちんと耳を傾けてもらえた事も嬉しかったです」

「今日ここ(気仙沼)にくるまでは、なぜ津波が定期的に来るのがわかっているのに同じところに何度も街を作るのか?と不思議でした。でもそれは、私が他人事に思っているから。ツアーで2日間お会いした気仙沼の皆様が命をかけて海と陸とを繋いでいるからこそおいしいおさかなが食べられる。やっと自分事に思えるようになりました。東京に戻り、「気仙沼産」と書いてある魚を見るときっと感情が変わると思います」

被災地として震災から学んだことを一人でも多くの人に伝える事とともに、そこから一歩進み、その土地の魅力を客観的に見極め、産業を観光資源として最大限に活かす。土地だけでなく、そこで生きる人の魅力も財産として、繰り返し観光客が訪れてくれるツアーを作る。このように人と人を繋げて文化や学びの場を提供することが、わたしたちJTBの使命だと考えています。

  • JTBコーポレートセールス 霞ヶ関第一事業部

TOPへ戻る