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ともに進む。あしたへつなぐ 東北と創る、未来。 TOHOKU-MIRAI 東日本大震災以降の東北の取組みや活動を紹介します。
JTBグループは、旅のチカラで人々の交流を創造し、東北の方々とともに魅力あふれる東北の未来に向け、貢献してまいります。

2013年11月23日(土・祝)、24日(日)

海と生きる気仙沼で 日本酒を知る 海中貯蔵の旅

東北ふるさと課(化)プロジェクトツアーの第三章として実施された
1泊2日のツアー。地元の銘酒『蒼天伝』を海に沈めて貯蔵する「海中貯蔵」をメインにした気仙沼の新たな魅力と出会う体験型のツアーです。

人と地域をつなぐ事業

ツアーリポート

JTBグループは、旅行業を通じて培った「人と人を結びつける力」を活用し、あらゆるシーンで交流を生み出す「交流文化事業」をおこなっています。

今回取り上げる「海と生きる気仙沼で 日本酒を知る 海中貯蔵の旅」は、気仙沼を巡り、そこに暮らす人々と、東北への思いを持つお客様とを繋ぐことを目的に企画された1泊2日のツアーです。地元の銘酒『蒼天伝』(男山本店)を参加者自らが海中に貯蔵するというユニークな企画を目玉に、様々な新しい気仙沼の魅力を体験できる内容になっています。

地元の「当たり前」がツアーの目玉に

今回のツアーは、前途の「東北ふるさと課(化)」の一環として生まれたものです。

ツアーのメインは男山本店の銘酒『蒼天伝』に参加者それぞれが自分の名前のついたラベルを貼り、自分たちの手で海中に沈める「海中貯蔵」です。それ以外にも、穫れたての秋刀魚で作る「なめろう作り体験」、牡蠣の殻を専用ナイフで剥く「牡蠣剥き体験」といった二つの体験や、震災直後から支援活動をきっかけに気仙沼との交流が生まれた俳優・渡辺謙さんが気仙沼の仲間と共に経営するカフェ『K‐port』での利き酒イベント、震災時の様子を伝えるリアスアーク美術館の鑑賞や被災地見学、海の幸のショッピングなどが盛り込まれています。

今回、なめろう作り体験の会場となった斉吉商店(「ばっぱの台所」)と、牡蠣剥き体験の会場となった盛屋水産(『唐桑御殿』)は、JTBの復興支援ツアーを何度も受け入れてくれてます。どちらの代表者も「普段自分たちが当たり前にやっている事でこんなに喜んでもらえるなんて、とても驚いた」と語っていました。

今回のツアーは東北復興を担当している、JTBコーポレートセールスの影山葉子が気仙沼の皆様と一緒に企画をしました。

ツアーの内容を考える際には、「地元ではない外の人間の目線」を大切にしました。わたしは現在、東京で働いており、出身も東京なので、東北に詳しいというわけではありません。けれどもその代わりに、他の土地から訪れるお客様と同じ目線に立つ事が出来ました。秋刀魚をおろしてなめろうを作ったり、牡蠣を剥いたりすることは、地元の人にとっては日常なので、わたしがもし東北で暮らしていたら、ツアーの目玉になるという発想は生まれなかったでしょう。その土地で暮らす人にとっては当たり前過ぎて見落としてしまう、隠れた価値や魅力を掘り起こすこと、また地元の方が「来て見て会ってもらいたい、食べてもらいたい」とお勧めする人やものを旅行のプロとして磨き上げストーリー性のある企画にする事も、私たちの大切な仕事なのだと改めて感じました。

JTBコーポレートセールス
霞が関第一事業部 ソーシャルソリューション推進担当マネージャー
影山葉子

様々な出会いが人気ツアーの誕生に

3・11直後ボランティアツアーを作るにあたって影山は、まず東北で事業展開しているJTB東北の担当者と連携を取りました。そこで現地の情報を得るとともに、様々な人を紹介されます。そんな中で出会ったのが、気仙沼の女将さん達で結成されている「つばき会」でした。斉吉商店、盛屋水産それぞれの女将、そして宿泊先になった気仙沼プラザホテルの女将、現地ガイドを勤めてくれた高橋知子さんもつばき会のメンバーです。まだ復興が進まない中で前向きに活動されている「つばき会」の皆様から逆に教わることが多く、たくさんの人のところに自分の足で行って自分の目で見て、実際に話を聞いてもらうことの重要性を実感しながらボランティアツアーを作り続けました。現地の思いも「支援する/支援される」という立場から脱却し、一刻も早く来ていただく方をおもてなしし、「気仙沼を好きになって、忘れないで思いを寄せ続けて欲しい」というフェーズに変わってきたタイミングでもありました。

様々な出会いを経て徐々にツアー先の開拓が進み、男山本店の菅原社長に繋がり、K‐portが加わりました。初めてのお付き合いとなる各店舗への交渉から始まり、ひとつひとつの細かいツアー内容を決めるために、影山は東京と気仙沼を何度も行き来しましたが、中でも、震災を機にやめていた日本酒の海中貯蔵は、参加者が繰り返し訪れてくれる企画になる可能性を感じ、積極的な働きかけによって今回ツアーに組み込むことが出来ました。気仙沼市の「海と生きる」という復興のテーマにぴったりでロマンがある企画だった事もあり、募集の段階でも大きな反響を得る事が出来ました。

震災直後から色んな活動をして来ましたが、気仙沼では不思議と沢山の友達が出来たので、ここで何か実になる事をしたいと考えました。そこで色んな人に「今、何が欲しい?」と聞いたら、多くの人から「人が集まれる場所が欲しい」と言われたんです。それを受け、沢山の人の力を借りて2013年11月にK‐portをオープンする事ができました。といっても派手な事をして一瞬だけ人が来て盛り上がるのでは意味がないので、普段はカフェとして町の人に気軽に来ていただける空間を目指しました。
靴を脱いで入る珍しいタイプのカフェなので、近所にある馴染みのお家みたいなつもりで気軽に立ち寄ってもらえたら嬉しいです。

渡辺謙さん

「また来たい」と思ってもらえるために

さらにこのツアーには、もうひとつ大きな目的がありました。それは「繰り返し訪れてもらう仕組み作り」です。一度来たらそれで終わりではなく、リピートして頂ける仕組みを作ることも、JTBグループが東北復興の活動を進めるにあたり大切にしていることです。その目的を達成するのに、海中貯蔵は最適でした。

震災を生き延びた男山のお酒を沢山の人に知ってもらいたいという気持ちはずっとありました。震災前におこなっていた海中貯蔵をツアーの企画にしてはどうかという話になり、なるほどこれは面白いかもしれないと思い、お引き受けしました。そろそろ支援を受けるだけでなく、気仙沼が持つ魅力を最大限に伝え、そこに惹かれた人が来て気仙沼を楽しんでもらいたいと考え始めていた時期だったので、この企画はぴったりだと思ったのです。
日本酒を海中に沈める過程は一種幻想的でもあり、皆さん大変熱心に取り組んでくださいます。また、1年経って沈めたお酒を引き揚げる作業は、まるで難破船から宝物を引き揚げる様なわくわくする魅力があり、こちらも大変好評です。このように、沈める時と引き揚げる時で二度いらして頂けるのも嬉しいですね。

男山本店 菅原昭彦社長

(影山) 海中貯蔵は一年に一度しかおこなわれないため、ツアーとしても大変プレミアム感のあるものですが、それ以上に、お客様にもう一度来て頂けるツアーでもあります。海に沈めた日本酒は、約1年後に引き揚げられます。自分の名前のラベルがついた日本酒には愛着も生まれており、出来れば引き揚げも自分の手でおこないたいと、多くの方が思われたようです。今回のツアーは貯蔵のみのものですが、ツアー中から多くの参加者のかたに、引き揚げ時にもツアーを開催して欲しい、するなら是非参加したいと、お言葉を頂きました。
元々「男山本店」さんがやりたかったことをこのようにツアー化して、気仙沼の魅力を発信できることは嬉しい限りです。

参加者の声

「自分で作ったなめろうを食べたり牡蠣を剥いたり、普段できない体験が出来て楽しかったです。しかもどれもとても新鮮で美味しかったです! 日本酒の海中貯蔵は自分の名前を書いたラベルを貼るところから体験できたので、自分のお酒という感じがしました。1年後、引き揚げる時も絶対来たいと思います」

「K‐portでの利き酒イベント、とても楽しかったです。器によって味が変わる事を教わったり、料理との相性も学べて、さらに日本酒が好きになりました。温かい雰囲気のお店なのもよかったです。今度来た時はのんびり立ち寄って、ゆっくりコーヒーを飲んでみたいと思います」

「行く先々で気仙沼の人が笑顔で出迎えてくれたのが印象的でした。秋刀魚をさばく時も丁寧に教えてくれて、なんだか第二の故郷にいるような気持ちになりました。これまで参加したツアーとは少し違い、土地だけでなく人々の温かさと出会える旅でした。また来たい、というより、また気仙沼に帰って来たい。そんな風に思えるツアーでした」

このように、一過性で終わらず、参加された方がその地域のファンになって、繰り返し訪れてくれる様なツアーを作り、人と人、人と土地を繋げることが、わたしたちの使命だと思っています。

  • JTBコーポレートセールス 霞ヶ関第一事業部

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