事例紹介

JTBの交流活動や環境美化への取り組みは、海を超えた海外でも行われています。2018年9月29日、JTB HAWAII,INC.がグループの中心となり、ホノルル近郊のホノウリウリ国定史跡にて「JTB地球いきいきプロジェクト」を実施しました。

01 清掃活動

清掃活動を通じて、未来の平和への思いを託す。
ホノウリウリ国定史跡の保護を目的に多くのボランティアが参加。

JTB HAWAII,INC.では、これまでにもホノルル統合市郡とともに、ビーチや街の清掃活動を実施してきました。日系移民第1号と呼ばれる方々が、ハワイに移住してから150年という節目の年を迎えた2018年。この記念すべき年に、ハワイ日本文化センター様(以下、JCCH)の協力を得て、「JTB地球いきいきプロジェクト」を行うことになりました。
ハワイ日系移民150周年を祝うイベントを多数開催していたJCCHは、これまでにもバイエル社(旧モンサント・ハワイ社)やアメリカ合衆国公園局との協力の元で、ホノウリウリ国定史跡の保護活動を行ってきました。ホノウリウリは、実は日本人にとってもとても馴染み深い土地でもあります。第二次世界大戦のきっかけとなった真珠湾攻撃の後、ハワイ諸島のなかで長期間使用されてきた最大級の抑留キャンプがあった場所でした。多くの日系人やヨーロッパ系移民、一部のアメリカ市民がこの地に収容されていたのです。

過去を顧みつつも、未来の平和への思いを託したい。この史跡の保護を目的に、今回100名以上のボランティア参加者が集まって清掃活動を行いました。当日は清掃活動だけでなく、普段は立ち入ることができない場所を訪れることができたこともあり、新しく発見されたエリアを地図に書き記す機会にも恵まれたのです。参加した多くの者が、ホノウリウリがいつの日か、一般の人たちにも公開される日が訪れることを願い、充実した1日の活動を終えました。

02 担当者の声

他団体との協力のもと、同じ目的・テーマを持って活動

ハワイでこのプロジェクトを始めるにあたり、企画から運営に至るまで担当したJTB HAWAII,INC. マネージャー 厚見 真大に話を聞きました。

JTB HAWAII,INC. マネージャー 厚見 真大
――――今回のプロジェクトを立ち上げたキッカケやその背景にある想いをお聞かせください。

ハワイへ日本人が集団移民としてやってきた明治元年から、ちょうど150年を迎えたのが2018年でした。最初の移民である153人の日本人は「元年者」と呼ばれているのはご存知のとおり。2018年は彼らを記念したイベントをJTB HAWAII,INC.で多く企画してきました。その中で、ホノウリウリ国定史跡の保護や再現・復元活動に取り組んでいるJCCHに協力するカタチで「JTB地球いきいきプロジェクト」を企画しました。JCCHは長期に渡り活動してきた実績があり、ノウハウだけでなく思いも通じるものがあり、今回のプロジェクトの成功は、彼らの協力があってはじめて成し遂げられたと思っています。

――――担当者として本プロジェクトの成果はありましたか。

ホノウリウリは、ワイキキから車で30分くらいの近場にありますが、誰もが立ち入ることを許された場所ではありません。アメリカ合衆国のナショナルパークが管理しているので、簡単には入れないのです。企画が持ち上がった段階から何回も下見を重ね、関係当局に足を運んでやっとのことで許可を受けました。それこそ企画開始当初から1年くらいかかったものです。ミーティングでは、JCCHだけでなくナショナルパークの人たちも巻き込んで、一緒になってアイデアを出し合いました。所属が異なる団体の人たちが、同じ目的を達成するためにお互いに協力し合えた点は、このプログラムを実施して得られた成果のひとつではないでしょうか。

――――プロジェクトを実施してみた感想はいかがですか。

元々日系人にとっては馴染みの深い場所なのですが、ホノウリウリは実はあまり知られてはいません。戦争が終わり、時代が流れて行く中であまり触れられてこなかった場所でしたから。ハワイに移民としてやってきた彼らが先の大戦中に収容されて過ごした場所に、実際に訪れることができたのは、今回のプロジェクトが実施できたからです。実際に自分の目で現地を見ることの大切さを痛感しました。またここでの新しい発見は、参加した人たちに、とても大きな収穫を与えてくれたと思います。

――――関連団体からの評価はありましたか。

私たちJTB HAWAII,INC.としては、こうしたプロジェクトの試みは初めてでしたがJCCHをはじめ、関係団体・機関からの評判は非常に良かったです。ハワイ州で最大規模の日刊紙「ホノルル・スター・アドバタイザー」にも当日の様子が記事として掲載され、多くの人が私たちの活動を知ることになり、活動後、多くの問い合わせをいただきました。

――――参加された方たちの評判はいかがでしたか。

毎年ホノルルのビーチや道路の清掃活動といったことはやってきましたが、今回は企画のテーマ性があったこともあり、参加した人たちからの評価は上々でした。また参加したいという声もいただき、プロジェクトを企画した私たちも、とても嬉しかったです。

――――今後の展望について教えてください。

毎回新しい発見ができる機会が得られるようなプロジェクトにしたいですね。その意味ではホノウリウリの清掃活動は、新しい発見の連続でした。現地の人でも通常行かない場所に行き、草を刈り、エリアのマップを仕上げていく。こうした地味な作業の中にも、将来に繋がる新しい発見が得られたことは、とても大きな収穫でした。今回のホノウリウリ清掃活動はJTB HAWAII,INC.が中心となって企画しましたが、今後はJCCHやナショナルパークが引き継ぐカタチでプロジェクトを続けていくそうです。最終的には、ホノウリウリを一般公開できるまでにしたいという思いを聞いた時は、改めて今回のプロジェクトを実施して良かったと思いました。

03 協力団体の声

JTB HAWAII,INC.の熱心な呼びかけがあってこそ実現した活動
Japanese Cultural Center of Hawaii President & Executive Director
Carole Hayashino様

「JTB地球いきいきプロジェクト」で、JCCHと協力してホノウリウリ国定史跡を整備していただいたJTB HAWAII,INC.の皆さんには感謝しています。当初、JTB HAWAII,INC.がホノウリウリに関心を示された時には驚きました。現地はアクセスが不便で、作業をするにも訪れるにも容易なところではないからです。オアフ島西部の深い谷間に位置し、気温を下げる貿易風がほとんど通らないので暑いのです。それにも関わらず、JTB HAWAII,INC.の熱心な呼びかけのおかげで、JCCHと協力して地域社会に貢献するという貴重な体験を同社の従業員にしていただきました。第二次世界大戦中の収容所の跡地での作業は、JCCHにとっては重要な保護活動です。その一方で、「JTB 地球いきいきプロジェクト」によって、JCCH、第二次世界大戦武勲記念史跡を管理するナショナルパークサービス、バイエル社(旧モンサント・ハワイ社)が協力することになりました。民間企業、公共・非営利団体、連邦政府機関の3者が結びつくという珍しく貴重な協力関係が実現したのです。我々の州や国にある歴史的に重要な史跡に関する保護や教育を実施していくには、このような協力関係が重要な決め手となります。JCCHの活動に関心を持ち、支援いただいたJTB HAWAII,INC.に感謝するとともに、今後もこのような協力関係を継続できることを期待しています。

※社名・肩書きは取材当時のものです。