東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた1000日前記念企画レポート

スポーツの祭典を応援するJTB主催の取り組みをご紹介します。

2017年10月27日(金)、JTBは東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の1000日前を記念したスペシャルイベントを開催しました。プロフィギュアスケーターの高橋大輔さんを迎えた「JTB旅行文化講演会」を始めとする、スポーツの楽しみにあふれたその内容をお伝えします。

東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた1000日前記念企画レポート


01トピック①

メダリストが語るオリンピックの面白さ
高橋大輔さんを招いた「JTB旅行文化講演会」in 天王洲

JTBの創立70周年を記念した“旅行文化講座”として、1983年にスタートした「JTB旅行文化講演会」。今年で34年目を迎え、その開催回数は388回(2017年10月現在)に達しています。第1回で講師を務めた医師・エッセイストの斎藤茂太氏を筆頭に、各界を代表する著名人や専門家を講師にお招きしていますが、今回は1000日前記念企画ならではの特別バージョンとして、プロフィギュアスケーターの高橋大輔さんが登壇。「スポーツ」と「旅」にまつわる、とっておきの話題を伺いました。

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【高橋大輔 プロフィール】

1986年、岡山県生まれ。8歳からスケートを始め、2002年世界ジュニア選手権優勝。バンクーバー2010オリンピック冬季競技大会で銅メダルを獲得、同年、世界選手権でも優勝する。2012年グランプリファイナルでは日本男子選手として初優勝。オリンピック冬季競技大会における3大会連続入賞は日本人フィギュアスケーター初の快挙。2014年に現役引退を表明。現在は国内外のアイスショーに活躍する傍ら、ダンスイベントへの出演、スポーツ番組でのキャスターを務めるなど活動の場を広げている。
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会場となったのは東京都品川区・天王洲にある『第一ホテル東京シーフォート』。開場時間と同時に、この日を楽しみにしていらしたお客様が次々と訪れ、すぐ場内は満員に。今回の講演は200名の定員を設けていましたが、応募総数は3000通強。厳正な抽選を経て、約250名での開催になりました。着席されたお客様の表情からも、高橋さんの登壇を心待ちにする期待が感じられました。なお、この講演では東京手話通訳等派遣センターによる、手話の同時通訳も行われました。

会場となったのは東京都品川区・天王洲にある『第一ホテル東京シーフォート』

主催者挨拶
本講演の主催者である、株式会社ジェイティービー グループ本社執行役員 スポーツビジネス推進室長の青木尚二より、会場の皆さまに向けて開会のご挨拶から講演が始まりました。
「2016年から東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーとしての活動を開始いたしました。1912年に創業し105年。次の100年に向けて、このオリンピックをイベントではなく将来に財産を残すきっかけにしたい。世界各国のみなさんを日本にお連れし、東京はもちろん日本のさまざまな地域を訪問していただく機会をつくりたいと考えています」。

株式会社ジェイティービー グループ本社執行役員 スポーツビジネス推進室長の青木尚二

出演者登壇
続いて、司会者の呼びかけに応じる形で高橋大輔さんが会場に登場、場内は大きな拍手と歓声に包まれました。ここからは高橋さんの講演内容の一部をお届けいたします。



02講演内容

司会者の呼びかけに応じる形で高橋大輔さんが会場に登場

人生を変えた3回のオリンピック

-2006年のトリノがオリンピック初出場ですね。いま振り返ると、どのような思いがありますか?

最も記憶に残っているのが滑走順です。現在のランキング方式と違い、当時の滑走順は抽選でしたので、たまたまショートプログラムで1番、フリーでは最終滑走を引き当てました。男子フィギュアの試合が僕で始まり僕で終わる。なんてラッキーなのだろう、と思ったのを覚えています。ただ滑走順が1番ですと、そのあとに出番を控えている選手たちの邪魔はできませんから、試合が終わった後に話しかける相手がいません。ひとり寂しく過ごしていたところ、何かと気にかけ、声をかけてくださったのが荒川静香選手でした。そのトリノで荒川選手が金メダルを獲るのを目の当たりにして、初めて僕も「金メダルが欲しい」と思った。そういう意味ではスケーターとしてのスタート地点に立ったオリンピックでした。

-2010年にはバンクーバーオリンピックに出場し、銅メダルを獲得しましたね。

オリンピック前のシーズンに怪我をした影響で、出場できるかどうかすら分からない時期もありました。リハビリも想像以上に大変で、努力はしてもなかなか思うような結果につながりません。スケート靴を履けない期間が4カ月。本当に復帰できるのかという不安を経てのバンクーバーでした。そのとき力になったのが、前回のトリノで一緒に過ごした荒川選手の姿勢でした。当時の僕は初のオリンピックに緊張し、気持ちも舞い上がっていましたが、金メダルを獲った荒川選手は「試合の結果より、オリンピックに来られたことを楽しみたい」とよくおっしゃっていたんです。そういう心の持ち方を間近で見ていたことで、バンクーバーでは「僕もオリンピックという祭典を楽しもう」という気持ちの切り替えができました。

-メダル獲得の瞬間は、どんなお気持ちでしたか?

アメリカのジョニー・ウィアー選手の結果次第でメダルが決まる、という接戦で、彼も非常にいい演技をしていたため、点数が出るまではドキドキが収まりませんでした。実感が湧いたのは、表彰台に昇ったときです。怪我でこの先どうなるかも分からない、それがようやくここまで来てメダルが獲れた。いろいろな思いが押し寄せてきて、国旗が掲揚されたときには涙がこらえきれませんでした。

-3回目のオリンピックとなったのはソチでしたが、いかがでしたか。

オリンピック選考会でもある全日本選手権の直前に怪我をしました。代表に選出されましたが、怪我は思うように治らず、痛み止めを打ちながらの挑戦でした。いま振り返るとそれぞれのオリンピック、すべて違う顔を見ることができたように思います。初めて味わうプレッシャーや注目、期待されている中で結果を出さなければいけない重圧、そして怪我の中でも可能性を広げたいという思い。すべてが僕にとってプラスになりましたし、特にバンクーバー五輪はスケート人生を変えた大きな転機となりました。

やりがいに満ちた新しい挑戦のスタート

-ソチオリンピックの後に現役を引退され、現在はキャスターとしても活躍されていますね。

僕は話すのも得意ではなく、声も小さく滑舌にも自信がありません。それなのにキャスターとしての初仕事が2016年のリオデジャネイロオリンピックという大舞台でしたから、毎回中継の前には胃が痛くなるほど緊張しました。自分が取材をする側になってみて、インタビュー前の勉強や準備の大切さ、たとえ聞きにくい質問でも切り込んでいかなければならない姿勢、スケジュール調整の難しさなど、改めて気づくことがたくさんあり、いろいろな方たちに支えられて選手活動が成り立っているんだ、というありがたみを実感しました。

-来年は平昌オリンピックも開催されます。注目の選手は?

たくさんいらっしゃいますが、ひとりはスキージャンプの高梨沙羅選手です。ソチ五輪ではメダルにもう一歩のところまで来ていましたから、次はぜひ、という思いです。また、バンクーバーで一緒にメダルを獲った仲間であるスピードスケートの小平奈緒選手にも頑張ってほしいですね。注目の競技で言えば、日本勢にもメダルの期待が高まる「マススタート」という新しい競技がスピードスケートに加わるのを楽しみにしています。

-フィギュアスケートはどのような展開になるとお考えでしょうか?

女子選手はジャンプを含め皆レベルが高く、誰がオリンピックに選ばれてもおかしくありません。展開が読めない面白さがあります。男子選手は羽生結弦選手に連覇の可能性があり、宇野昌磨選手もメダル圏内。平昌の表彰台に日本人選手がふたり乗る、という新しい時代を作ってくれるのではないかと期待しています。日本と平昌は近いですから、ぜひ現地に応援に行っていただいて選手たちにパワーを送っていただけると嬉しいですね。

-荒川さん、高橋さんのエピソードからも伝わるように、フィギュアスケートの選手は仲が良いそうですね。

ソチから団体戦が追加されたため、日本人としてメダルをどう獲るか、というチーム意識があるのかもしれません。また、子ども時代から練習や大会で何度も顔を合わせていますから、どこか兄弟姉妹のような感覚もあります。今の選手たちがフィギュアスケートを始めた頃は、ここまで人気はありませんでしたから「どうすればフィギュアスケートが盛りあがるのか」とそれぞれが考え、悩んできているはず。そういう意味で皆が同士であり、仲間なのだと思います。

-今後、キャスター以外で新たに挑戦してみたいお仕事はありますか?

今年の春に開催したフィギュアスケートと歌舞伎を融合させたアイスショー「氷艶 HYOEN 破沙羅」ではとても充実した時間を過ごさせていただいたので、ぜひまた歌舞伎とのコラボレーションはやってみたいですね。また先日、プロフィギュアスケーターの浅田舞さんが初挑戦した舞台を観に行き、俳優にも憧れを持ちました。しかし僕は滑舌も悪く、セリフも覚えられる自信がありません。無理だと分かりつつも、もしあまり喋らなくてもいい役があれば挑戦してみたいですね。

世界各地を旅して見つけた「素敵な街」

-プライベートのこともお伺いしたいのですが、現役生活を終えてから各地に旅行されたそうですね。ぜひ素敵だった街ベスト3を教えてください。まず3位はどちらでしょうか?

フランスのリヨンです。それほど大きい街ではないのですが、フルヴィエール・ノートルダム大聖堂というとても美しい教会があり、古い建物が並ぶ街並みもある本当にきれいなところです。特に気に入ったのは食事で、町中あちこちに様々な料理を出すレストランがあり、何を食べてもおいしい。ワインの味も最高ですから、ぜひ行ってみていただきたいです。

-素敵な街、第2位はどちらでしょうか?

ロシアのモスクワです。実は外国の料理のなかではナンバーワンではないかと思っているほどロシア料理が大好物。食事のおいしさはもちろんですが、ぜひ見ていただきたいのはモスクワを走る地下鉄駅の美しさ。駅一つひとつ建築にも個性があり、優雅な装飾も非常に美しい。歩きながら構内を眺めているだけで、ロシアという国が持つ深い歴史を感じられるのではないでしょうか。

-それではいよいよ、素敵な街の第1位を教えてください。

素敵な街の1位はやっぱり日本なのですが、それについては皆さんもうご存じだと思うので、絶対に素敵だろうと憧れている街のことをお話しします。僕が次に行ってみたい街はスペインのバルセロナ。というのも、現地に行ったことがある人たちは皆、口を揃えて「素敵だ」と話してくれるのです。歴史のある建物が本当にきれいで、食事も何を食べてもおいしい、など誰に聞いても非常に評判がいい。そういう街なら間違いないと、機会を作ってぜひ訪れてみたいと考えています。

東京オリンピック・パラリンピックに高まる期待

-最後になりましたが、1000日後に控えた2020年東京オリンピック・パラリンピックにどのような期待を持っていらっしゃいますか?

オリンピックに出るたびに感じていたのですが、開催国に住んでいる人たちの応援が持つパワーは非常に強いのです。選手たちにもそういう力は必ず伝わりますから、東京では過去最多のメダルを獲ってくれるのではないかという期待があります。パラリンピック競技についてはまだまだ勉強の途中ですが、先日、仕事で車いすバスケットボールの選手とご一緒し、競技の想像以上の激しさに「こんな世界もあるのか!」と衝撃を受けました。まだ知られていない興味深い競技がたくさんありますから、その面白さが東京でのパラリンピックを機に日本中に広まっていってほしいですね。

東京オリンピック・パラリンピックは、様々なスポーツを間近で見て、現場の空気を感じられるまたとないチャンスです。その熱をリアルに感じながら応援してもらえるのはアスリートにとってもありがたいこと。僕もサポーターとして力になりたいと思っているので、ぜひ一緒に東京オリンピック・パラリンピックを応援しましょう。

抽選会

充実したお話の後は、高橋さんご本人によるサイン入りグッズの抽選会が行われました。引き当てた番号が発表されるたびに大きな歓声が上がり、当選したお客様は満面の笑顔。大いに楽しんでいただきました。



03トピック②

パラスポーツの魅力をリアルに体験
五感で感じる迫力 パラスポーツ×テクノロジー体験会

同日、天王洲アイル『シーフォートスクエア』1Fガレリアでは、「パラスポーツ×テクノロジー体験会」が催されました。パラリンピック競技は本来とてもエキサイティングなスポーツですが、2020年に向け、これからさらに多くの方々に興味を持っていただくために、今回はパラスポーツの普及を目指した未来型エンターテインメント「サイバースポーツ」のブースを設置。パラリンピック競技の面白さを、最新のテクノロジーと掛け合わせ、来場者に体感していただきました。

パラスポーツの魅力をリアルに体験 五感で感じる迫力 パラスポーツ×テクノロジー体験会

今回の体験会では、2種類のパラスポーツをリアルに体験できるよう、ブースを展開いたしました。

車いす型VRレーサー

ロードレース用車いすをモチーフにしたレーサーに乗車し、頭にはVRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)装置を装着。車輪についたハンドリムを両手で回すことで、目の前に広がる仮想現実上の世界をどれだけ速く駆け抜けられるか、というタイムトライアル型のエンターテインメントです。前面に設置されたモニタには、プレイヤーが見ているのと同じバーチャル空間が映し出されるため、周囲にいる人たちも一緒にそのスピードを感じることができます。

車いす型VRレーサー

このレーサーは、実際のロードレース用車いす「SPEED KING」を参考に作られています。進む方向を決めるのは重心で、身体を左右に倒すことでバーチャル空間に表れる障害物を避けていきます。実際にコントローラーに座って、VRによって展開される仮想世界の中を走ってみると、前に進むため常に両手で車輪をまわし続けるのは、かなり体力を要することを実感します。パラリンピック選手の迫力あるスピード感を疑似体験できることもあり、多くの方が車いす型VRレーサーに挑戦していました。

実際のロードレース用車いす「SPEED KING」を参考に作られています。

音と光で楽しむボッチャ

「ボッチャ」とは、ヨーロッパで考案された重度脳性麻痺者もしくは四肢重度機能障がい者のためのスポーツで、パラリンピックの正式種目にも選ばれています。ジャックボールと呼ばれる白いボール(目標球)に向かって、赤と青、それぞれ6個のボールを投げ合い、いかに相手より多くのボールをジャックボールに近づけられるかを競う戦略的・頭脳的な競技です。障がいの有無に関わらず誰でも楽しめる、そんなボッチャの魅力を美しいビジュアルやサウンドを加えてクリエイティブに表現しています。

音と光で楽しむボッチャ

今回の体験会が開催されたのはちょうどハロウィンの時期。子どもも大人も楽しめるスポーツということもあり、思い思いの仮装に身を包んだたくさんの子どもたちが「音と光で楽しむボッチャ」に挑戦。カラフルなボールの動きとともに移り変わるボードの映像を真剣な眼差しで見つめながら、それぞれ楽しそうにスコアを競い合っていました。

思い思いの仮装に身を包んだたくさんの子どもたちが「音と光で楽しむボッチャ」に挑戦。


04トピック③

アートで目指す、つながる社会
本社ビルの壁面を発表の場に パラリンアートアーティストによるコンペ

天王洲のJTB本社ビルにおいては「パラリンアートアーティストによるコンペ」の受賞作品が展示されました。パラリンアートとは「障がい者がアートで夢を叶える世界を作ること」を目的に、障がい者アーティストと企業や個人がひとつのチームになり、アートの利用を通じて支援を継続する活動です。

JTBでは本年8月より、本社ビル受付の壁面、または社員通路壁面に掲出されるパラリンアート作品を募集。デザインの募集テーマは、JTBオリジナルスローガン“Bridging the New つながれば、はじまる。”この言葉には、住んでいる地域や世界、家族や友人など、障がいのあるなしに関係なく、スポーツに関わるすべての人々がつながって、新しい未来を作りだそう、という想いが込められています。

Bridging the New つながれば、はじまる。

約1カ月の募集期間を経て、88名のパラリンアートアーティストから119点の作品が集まりました。厳格な審査を行い、選出された最優秀賞1名・優秀賞3名の作品をご紹介します。

最優秀賞 1名

「希望をのせてはばたく」泉里彩さん

最優秀賞の作品「希望をのせてはばたく」は、会社の顔である本社ビル受付の壁面に堂々と飾られました。

「鳥は自由に空をまうことができます。カラフルなこの鳥は、希望の花をいろいろな人たちに持ってはばたいてわたしていきます」(泉里彩さん)

最優秀賞の作品「希望をのせてはばたく」

優秀賞 3名

「世界のみんなが集まったら虹の上でダンスパーティがはじまる」わじまかんたさん
「Discovery future of Sports!」mihoさん
「いろいろすぽっつ」寺嶋拓哉さん

優秀賞の3作品は、日夜多くの人が行き交う社員通路の壁面をカラフルに彩っています。

「もし、世界中の人や動物がボクの家に集まってきたら、虹の上でダンスパーティーしてみたいなという絵を描きました。こんな楽しい時間がはじまったらいいな~」(わじまかんたさん/写真左)
「地球の未来のスポーツ文化をみんなで作り上げていこう!」をテーマにしています。1人の子どもが投げたボールが、大空を越えて、地球のみんなやスポーツ大会へとつながる様子を描いています」(mihoさん/写真中央)
「いろんなスポーツが所々に描いてあるので、探して楽しんでほしいです」(寺嶋拓哉さん/写真右)

優秀賞 3名 「世界のみんなが集まったら虹の上でダンスパーティがはじまる」わじまかんたさん 「Discovery future of Sports!」mihoさん 「いろいろすぽっつ」寺嶋拓哉さん

「JTB旅行文化講演会」、「パラスポーツ×テクノロジー体験会」、そして「パラリンアートアーティストによるコンペ」でお届けした東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた1000日前記念企画。JTBはこれからもスポーツや文化の振興を通じて、共生社会の実現に貢献をしていきます。

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