誰でも参加できるパラスポーツ運動会をサポート -後編-

企業・自治体・大学向け運動会「あすチャレ!運動会」に協賛

ENGLISH

JTBは2016年9月、企業・自治体・大学向け運動会「あすチャレ!運動会」への協賛をスタートしました。「あすチャレ!運動会」はパラスポーツを「リアル」に体感してもらい、そこから生まれる「気づき」を提供する日本財団パラリンピックサポートセンターが主催するプログラムです。同センターで、「あすチャレ!運動会」のプロジェクトを担当する今林優一郎さんにお話しをうかがいました。

誰でも参加できるパラスポーツ運動会をサポート -後編-


運動会の競技種目をパラスポーツにすることで、
誰もが楽しめ、気づき、コミュニケーションが
促進される場を。

企業のニーズとパラスポーツの啓発活動がマッチ

日本財団パラリンピックサポートセンター 推進戦略部 プロジェクトリーダー 今林優一郎さん
日本財団パラリンピックサポートセンター
推進戦略部 プロジェクトリーダー 今林優一郎さん


日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は、パラリンピック競技団体支援やパラスポーツの振興を目的に啓発教育活動などを行う公益財団法人です。啓発活動の一環として、障がい者が講師となって行うコミュニケーションセミナー「あすチャレ!Academy」と、小中高生を対象にしたパラスポーツの体験型授業「あすチャレ!School」を実施しています。2017年4月には、パラスポーツにチャレンジする法人向け運動会「あすチャレ!運動会」もスタートしました。JTBはこの「あすチャレ!運動会」に協賛しています。

今林さんは「あすチャレ!運動会」が生まれた経緯について話します。

「様々な企業に『あすチャレ!Academy』を実施していただいたり、検討していただく中で、複数の企業からパラスポーツ体験を運動会のようなイベントとしてできないかという声があがりました。それまでも体験セミナーの依頼は非常に多くいただいていましたので、運動会の競技をパラスポーツに変更して行えば、多くの企業や学校のニーズに応えられる新しいコンテンツになるかもしれない、というのが企画の原点です。パラスポーツなら障がいのある社員の方も無理なく参加できます。また、一般的な運動会について社員が怪我をしやすいことに悩む企業も多いのですが、パラスポーツをとり入れて競技内容を工夫することで、その問題改善も期待できると思いました。さらに、企業内でのコミュニケーション不足が問題視されている今、パラスポーツ体験を通じてチームで困難を克服することによって自然なコミュニケーションが生まれる点も魅力だと考えました。」

パラスポーツ体験会をより楽しみやすい運動会の形に

「企業向け運動会の運営実績が豊富なJTBさんにご相談し、運動会事業を一緒に立ち上げることになりました。他にも運動会を扱う企業はありましたが、JTBさんは全国津々浦々にネットワークがあることと、障がい者雇用に積極的であること、グループ企業にパラリンピアンの社員を抱えていらっしゃることなどから、最適なパートナーだと考えました。」

パラサポが蓄積してきたパラスポーツ体験会の経験と、JTBが持つ運動会のノウハウをかけ合わせ、試行錯誤しながら共同でプログラムの開発を進めました。トライアルの最終段階に入った今(2017年3月下旬現在)、パラスポーツの特徴を最大限活かしたプログラムが確立されてきたと今林さんは話します。
実際の開催の様子は前編でご確認ください。

「このプログラムではパラスポーツを通して様々な気づきを提供します。社会にあるバリアを考える機会になったり、ブラインド競技などに挑戦する過程で参加者同士に活発なコミュニケーションが生まれます。こうした特徴を参加者が体感できるように、いきなり競技に入るのではなく、まずは目隠しをした状態でのオリジナルアイスブレイクから取り組んでもらうようにしました。こうすることで、その競技においてもチームが結束して濃密な時間にすることができます。このようなプログラムのブラッシュアップは、運動会のノウハウや実行力を持つJTBさんの力がなくては実現できなかったと思います。」

パラスポーツ体験会をより楽しみやすい運動会の形に


楽しみながら様々な気づきを得てほしい

実施する競技の選定も慎重に行われました。「ブラインド系の競技」と「車いす系の競技」が盛り込まれ、そこに戦略性の高い競技も加えるように工夫していると言います。 「人間は視覚から80%の情報を得ていると言われ、視覚を遮断されると行動が極端に制限されて、慣れていない人は恐怖すら覚えます。ゴールボールに代表されるブラインド競技を体験することで、その楽しさとともに、音声の案内がないことへの不便さなどを実感することができます。また、声をかけて協力し、助け合うことで、プレーがうまくいくことを身をもって体感します。ブラインド競技はコミュニケーションの大切さを深く知っていただける競技です。そして車いす競技では車いすに乗ることの楽しさや、むずかしさを体感してもらいます。パラスポーツがかっこいいものであり、パラスポーツの第一線で活躍しているアスリートがいかに超人的な能力を発揮しているかに気づいてもらうことができます。また、ボッチャという競技は脳性まひなど重度の障がい者も参加できるスポーツです。カーリングに似た非常に高い戦略性が求められる競技で、勝負の駆け引きがとても盛り上がります。運動の得意不得意にかかわらず、年齢や性別、障がいのあるなしも関係なく、一緒にスポーツを楽しむことができます。」

楽しみながら様々な気づきを得てほしい

2020年パラリンピックの会場を満席に

2017年4月に本格スタートとなった「あすチャレ!運動会」の活動を通して、今林さんはどのようなことを期待しているのでしょうか。

「パラスポーツや障がいのことを知ってもらうためには“アンテナ”が大切です。いくら情報が飛び交っていてもアンテナが立っていなければキャッチできません。パラサポが各イベントを行う際に、『会場に来るまでに障がい者を見かけましたか?』と参加者に質問してもほとんど手は挙がりません。しかし、セミナーや運動会を体験したあと、その帰り道では多くの参加者が街なかで障がい者の存在に気づくのです。これがアンテナが立ったということです。今後、『あすチャレ!運動会』を通じて一人でも多くの人のパラスポーツに対するアンテナが立つようになり、パラスポーツの試合会場が盛り上がるようになってほしいです。2020年にはパラリンピック会場が満席になるのが願いです。それこそが、社会においてパラスポーツや障がいに対する社会に理解が深まった証だと思います。」

2020年パラリンピックの会場を満席に

※肩書きは取材当時のものです。

あすチャレ!運動会

続きを見る