2017年の旅行動向見通し

JTBは、2017年の旅行市場についての見通し調査の結果をまとめました。

国内旅行

*訪日外国人旅行者は除く、日本居住者の国内旅行

国内旅行人数は2億9,800万人(前年比+0.4%)、平均消費額は34,920円(前年比+0.3%)、国内旅行消費額は10兆4,100億円(前年比+0.8%)と推計

名古屋に「レゴランド」オープン、レゴホテルも併設予定

近年テーマパークは東西の2大パークを中心に売り上げを伸ばしていますが、名古屋の港地区に世界的に有名な玩具メーカー、レゴ社のレゴブロックをテーマにした「レゴランド」がオープン(4月)します。レゴホテルも併設の予定です。同時期に大型商業施設「メーカーズピア」が近隣にオープンする予定で、物販、飲食の他に、ものづくり体験を楽しむことができます。名古屋市港地区には既に人気の「リニア・鉄道館」もあり、このエリアは新しい観光地として、県内外からの来訪とともに中部空港を利用するアジアを中心とした外国人旅行者の来訪も期待されます。

2つの新たな寝台列車の登場で鉄道の旅が引き続き話題に

2017年には新しいクルーズトレインが東西に登場します。5月にJR東日本の「トランスイート四季島」が、6月にJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」が運航を開始します。「四季島」は、年間を通じて運航するコースのほか、横須賀や鹿島神宮などをめぐる年末年始にかけてのツアー(2017年末運行予定)など、季節の旬を楽しむツアーを予定し、「瑞風(みずかぜ)」は、1日1回途中駅に立ち寄り、沿線の歴史・文化を楽しみ、非公開箇所の見学や隠れた名品の鑑賞等、特別な体験を提供する(予定)ようです。JR九州の「ななつ星in九州」に始まった観光列車の人気ですが、日帰りで楽しめる豪華列車やテーマのある列車が揃い、乗ることが目的の鉄道の旅にさらなる話題が集まりそうです。

新しいホテルの開業や古民家利用、グランピングなどの新しい宿泊形態にも注目

昨年相次いだ東京・丸の内の「星のや東京」や「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」など話題の高級ホテルの開業に続き、2017年も都市部やリゾート地で新しいホテルの開業が予定されています(2017年の年間予定参照)。また最近は、古民家で都会では味わえない田舎のぬくもりに触れたり、氷のホテルやツリーハウスなどユニークな体験を楽しむなど、様々な宿泊形態が登場しています。その一例が「グランピング」 です。「グランピング」とは、グラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)を掛け合わせた造語で、ホテルや宿泊施設が提供してくれるキャンプです。自らテントを張る必要もなく、気軽に贅沢なキャンプを楽しむことができ、キャンプに不慣れでも魅力を味わいながら贅沢なホテルで過ごす様な気分を味わえる新しい宿泊の形態として注目です。

LCC 元年と言われた2012 年から5年、旅客数も増え、新しい交通手段として定着

LCC(低コスト航空会社)は、LCC元年と言われた2012年から5年が経過し、旅客数も増加しています。新しい交通手段として国内旅行での利用が定着してきたと言えるでしょう。

海外旅行

海外旅行人数は1,700万人(前年比±0%)、平均消費額は247,200円(前年比+3.8%)、海外旅行消費額は4兆2,000億円(前年比+3.7%)と推計

2016年に入ってから円高が進み日本人の海外旅行者数は回復傾向にありましたが、最近、やや円安に転じていることから、海外旅行人数は、1,700万人(前年比±0.0%)の前年並みと予測します。平均消費額は、原油の減産により昨年0円であった燃油サーチャージが2月から復活すること、前年比で円安となる可能性が大きいことから旅行の単価が上昇し、海外旅行総消費額予測は、前年比+3.7%、4兆2,000億円と予測します。

燃油サーチャージの復活

全日空と日本航空が2017年2月から燃油サーチャージを10カ月ぶりに復活させる方針です。2月以降の金額の増減は不明ですが、2016年4月以降、燃油サーチャージは0円であったことから、燃油サーチャージの復活は海外旅行者にとって、長距離の旅行を控えるといった心理的な影響もあると思われます。

LCCは海外旅行においても旅行費用の節約を後押しする存在へ。新規就航も活発に。

LCCは、アジアを中心に国際線の路線も増え、安価な交通手段として定着しています。2017年も、新規路線への就航が予定されています。ジェットスター・ジャパンが1月23日に東京(成田)~上海(浦東)に就航、ピーチ・アビエーションが2月19日に沖縄(那覇)~バンコクに就航予定です。また、2月15日から全日空が成田からメキシコシティへの直行便を就航します。

訪日旅行

訪日外国人旅行者数は2,700万人(前年比+12.0%)と推計

2017年は、円安が続けば日本へ旅行をしやすい環境となりますが、中国やアジアの経済状況の変化により、旅行の動向にも影響します。そのため、伸び率は昨年より鈍化し、訪日外国人数は2,700万人(前年比+12.0%)と予測します。2016年10月までの日本へのクルーズ船寄港回数は1,801回で、前年同期比1.38倍となっています。クルーズ船は寄港地への経済効果が大きく、政府も受け入れ体制などの整備を進める考えであることから、中国を中心に2017年もクルーズ船による訪日は増加の見込みです。

訪日外国人旅行者数の割合が高い中国人も、旅行経験の増加により旅行内容に変化が

訪日外国人旅行者の28%を占める中国人の旅行者数は、伸率こそ減少しているものの、依然2ケタ増で推移し、日本人気は底堅いと言えます。一方、今年4月以降、中国政府による海外購入品に課す関税引き上げの影響で、訪日中国人の買い物代が大きく減少しました。越境ECの利用による中国国内で海外製品を買う動きも進んでいます。JTB総合研究所が、10月に中国の内陸部と沿岸部で実施した調査で「日本でしてみたいこと」について聞いたところ、訪日経験や居住地によって、してみたいことも違うことがわかりました。これから日本に旅行しようと考えている中国人は、単なる買い物目的ではなく、日本をより知りたいと関心を持っている人たちです。単に日本で人気の日用品を単品購入するだけであれば、越境ECになり変わる可能性が十分あります。百貨店の化粧品売り場で日本式のメークをしてもらい日本の化粧品を買うことを演出したり、果物や工芸品の産地を訪れモノ作りの現場も見てもらったり、モノと地域をつなげ買うだけの価値から訪れる価値への転換ができれば、これからも日本を訪れる中国人は増加するでしょう。このことは、今後、リピーターが増加する訪日外国人旅行者全体にも言うことができます。また、日本人の国内旅行の魅力再発見にもつながります。

ニュースリリース

続きを見る