JTBグループの挑戦とビジョン Vol.1 ロイヤルスタッフ編

JTBグループの挑戦とビジョン

JTBグループはかつての旅行会社の枠を超え、「交流を創造する」ことを事業として推進している。それは単に旅行商品を販売するだけではなく、旅行を基軸として新たな交流をつくり、価値を生み出していく事業である。その根底には、物事に向き合う全ての瞬間を大切にする社員たちの心意気があった。官民連携、自治体との協業などさまざまなプロジェクトの舞台裏を探ると、「JTBらしさ」が見えてきた。

日本経済新聞インサイドスコープ 広告企画記事より

対面販売ならではの付加価値提案で期待を超えた感動の旅を

利便性や効率が求められる現代にあって、対面販売だからこそ提供できる価値がある。JTBグループでは旅の体験、感動と喜びを提供するために、対面販売のスペシャリストの育成に力を入れている。その結晶ともいえる存在が、社内認定資格「旅のスタイリスト」の最上位に位置する「ロイヤルスタッフ」だ。

JTB首都圏 ロイヤルロードデスク 営業担当課長 柿本佳子氏

JTB首都圏 ロイヤルロードデスク 営業担当課長 柿本佳子氏

1992年入社。2013年よりロイヤルロード銀座へ。現在は高品質海外オーダーメイド旅行の販売に従事している。ロイヤルスタッフ。トラベルコーディネーター国内・海外A級。クルーズコンサルタント。

1st Target
今の時代だからこそ求められる対面販売の価値

年末年始の旅行繁忙期を前に、JTBグループの店頭には多くの人が訪れ、活況を呈していた。インターネット全盛の時代に、なぜ店頭に行列ができるのか――。中には来店客から指名を受ける店頭スタッフもおり、旅行のプロフェッショナルと向き合ってこそ得られる様々な情報がある。「提案された内容で申し込んだが、こういう体験がしたかったんだと想像以上に満足できる旅だった」という感想も多く聞かれる。

「旅のスタイリスト」概念図

こうした「対面販売だからこそ提供できる価値」を高めるべく、JTBグループでは「旅のスタイリスト」という社内認定制度を2011年度から導入している。業務知識のみならず、身だしなみ、マナー、対応力、提案力など50項目で対応力をチェックし、お客様からの推奨度も加味され認定レベルが決まる。星1つから5つまで資格がレベルアップしていき、星5つの取得者はグループ全体でも個人営業に携わる全国約6000人のスタッフのうち約60人。その上にロイヤルスタッフが位置している。日々の業務で培った経験と知識、そして専門性をより高めるための向上心が問われる。

2nd Target
潜在的なニーズをくみ取り期待を超える感動を目指す

「旅のスタイリストの認定基準でお客様対応力は重要な要素です。知識はそこに付随しているものであり、お客様対応の姿勢やマインドが非常に重視されています」と、JTBロイヤルロード銀座の柿本佳子氏は語る。2013年にロイヤルスタッフ資格を取得。2015年現在、全国で17人しか保有していない、旅のスタイリストの最上位資格で、お客様対応の究極の形といえる。

ロイヤルスタッフ資格を保有する社員たち
ロイヤルスタッフ資格を保有する社員たち

柿本氏は「期待を超えた感動をご提供できるような仕掛けや手配を心がけている」という。たとえば、お客様のホテル到着時に一言メッセージを添えたりなど、小さなことであってもそれらの積み重ねが付加価値となる。

そのために重要なのは、お客様が望んでいる“何か”をくみ取るヒアリング力だ。「一を言ったら十を理解してくれるという関係性は、お客様にとっての安心感にもつながります。人間関係が希薄になりがちな今だからこそ、そういった対応が価値を持ってきます。それこそがJTBグループならではのマインドなのだと思います」

3rd Target
お客様対応の向上を図り無形の文化を進化させる

ロイヤルスタッフの多くは、現状ではクルーズやウエディングに特化した専門店に配属されていることが多い。こうしたスペシャリストをさらに増やし、店舗の大きさや種類を問わず、来店客が高いサービスを受けられるようにする必要がある。

「ベストホスピタリティコンテスト全国大会」の様子

そこで、2015年11月には東京、大阪でロイヤルスタッフによる対応力アップセミナーを実施。店頭業務に対する考え方やお客様との関係構築について、集まったグループ社員にアドバイスした。この他、2015年には店頭での対応力を競い合う「ベストホスピタリティコンテスト全国大会」を実施。ロールプレイングを通じて、お客様対応の見える化を図った。また、ロイヤルスタッフも日々研さんが求められており、年に1回の「ロイヤルスタッフミーティング」という教育の場も用意されている。

対面販売の価値を向上し、店舗でしか受けられないサービスを提供し続けるために――。社員一丸となってお客様対応スキルと知識のレベルアップを図ることで、JTBグループは旅行という無形の文化を、より特別で意義のあるものに進化させていく。

ベストホスピタリティコンテスト全国大会

Experts point of view 蟹瀬誠一氏の視点

1980年代、未来学者ネイスビッツは「ハイテク・ハイタッチ」の時代が来ると予言した。情報技術が進歩すればするほど、私たちはより人間的な触れ合いを求めるようになると。今やその時代が到来した。

米国の某高級デパートでは「タイヤ伝説」が語り継がれている。ある日、新店舗に自動車タイヤを返品したいという客が現れ、店員はさっそく代金の払い戻しに応じたという。ごくありふれた光景のようだが、じつはそうではなかった。そのデパートではタイヤを販売していなかったのだ。しかも店員は上司から褒められたという。なぜならそのデパートには「あらゆる状況において、(顧客にとって)最良の判断を下すこと」というルールがあったからだ。それが顧客の信頼に繋がって業績は右肩上がり。おもてなしは伝説になるまでやり遂げる気概が必要なのだ。

JTBグループの「旅のスタイリスト」認定制度はハイタッチに着目した素晴らしい試みだ。さらに磨きをかけてほしい。

国際ジャーナリスト・キャスター 明治大学国際日本学部教授 蟹瀬誠一氏

国際ジャーナリスト・キャスター
明治大学国際日本学部教授
蟹瀬誠一氏

1950年生まれ。上智大学卒業後、米国AP通信社記者、フランスAFP通信社記者、タイム誌東京特派員を歴任。1991年にTBS「報道特集」のキャスターとして日本のテレビ報道界に転身。国際ジャーナリストとして活躍する傍ら2004年から明治大学教授。現在は「マネーの羅針盤」(テレビ東京)、「賢者の選択リーダーズ」(日経CNBC他)のメーンキャスターを務める。

※肩書きは取材当時のものです。

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